IS駆逐後のテルアブヤド「正常化」へ一歩
2015年06月20日付 Milliyet紙


テル=アブヤドは、イスラム国(IS)によるトラウマの痕を消し去ろうと取り組んでいる。ISが切断した頭部を晒していた池は清掃され、床屋も再開した。

IS悪政から解放されたテル=アブヤドの市街の中心部や国境地域では、治安回復と正常な暮らしを取り戻すための取り組みが猛スピードで続いている。ISが拷問を行い、切断した頭部を晒していた市街中心部の池は清掃され、残虐な行為によって植え付けられたトラウマは払拭されようとしている。

トルコのアクチャカレと[シリアの]テル=アブヤドを隔てる国境門は、待望を受けながらも昨日も開かれず、国境の開放が遅れる見込みであることが発表された。地雷や仕掛けられた爆発物の探索作業を継続する必要性がその理由とされた。

昨日も、テル=アブヤド中心部では一部の店舗が営業を開始。IS統治期は髭を切ることを禁じられていた床屋も、髭剃り業務を再開した。ある理容師によれば、ISは髭を切った人に鞭打ち80回の罰則を与えていた。理容師は、「髭剃り禁止のおかげで仕事ができなかった。今日、開放後初めて若者が髭を剃りにやってきた。正常な暮らしに戻りうれしい」と語った。

■恐怖の記憶

ISが切断した頭部を並べていたテル=アブヤド市街中心部の池は恐ろしい記憶の象徴だ。IS統治期に、反抗者やISに敵対する者をここに連れてきては、市民の目の前で処刑し切断した頭部を池べりのフェンスに吊るして晒していた。テル=アブヤド市民の証言によれば、切断された頭部は池のフェンスに3日間晒された後、持ち去られたという。

記者は、池のすぐ隣にISが設置した要望・意見・支援箱の開箱も目の当たりにした。箱を開けると中から750シリア・ポンド(約65リラ)が出てきた。またIS統治に対する要望や意見が書かれたメモも見つかった。そのうちのひとつには、「害虫がいる。駆除剤を撒いてください。子供たちが病 気になってしまう」とあった。また、「イスラム国家の名のもと市民に金を要求している。この金は渡せない。私たちは彼らが何者かさえ知らない」というメモも目をひいた。

■ISISの痕跡を消し去る

テル=アブヤドがクルド人民防衛隊(YPG)と自由シリア軍の統治に移って以降、彼らはISの痕跡を消し去るべく取り組んでいる。市街中心部や各所の出入り口にあるISの看板、壁に書かれた文言やISの旗は消されている。

テル=アブヤドにはアラブ人やクルド人のほかトルクメン人も暮らしている。トルクメン人はどちらかといえば山村部に残っているが、商売を行う人々は市街にもいる。トルクメン人の中小業者のメフメト・カチェルさんは、YPGがテル=アブヤドを奪還した際、一家でトルコに写り、2日前にテル=アブヤドに戻ってきたのだと語った。ケチェルさんによれば、ISはテル=アブヤドに恐怖政治を敷いた。ケチェルさんは、「ISは特にクルド人を虐げており、家から追い出した。またザカート(喜捨)の名のもとに強制的に金銭を徴収していた。喫煙を禁じ、私たちに「喫煙はハラーム(イスラム上許されていないもの)であり、身体に有害でもある」と言っていた。顎髭を切った者はもちろん、口ひげを剃っただけの者にも罰を与えていた」と話した。

■「国境が私に問いかける」

YPG戦闘員には若者だけではなく年配者もいる。特に国境戦線の防衛と交通検問に関しては、経験豊富な年配YPG戦闘員が任務にあたる。72歳で3人の子の父でもあるアフメド・オスマンさんは、テル=アブヤドとラース・アル=アイン間の国境線防衛が責務だ。オスマンさんは、「国境は私に問いかける。現在、 多数の市民が密輸ルートを使ってロジャワ(西クルド地域)へ抜ける。彼らのなかにISメンバーがいる可能性があるため検問を強化している。これまでに密輸ルートを通って国境から入国しようとしたISメンバー2名を拘束した」と語った。

■戦闘員男女による祝勝のハライ

テル=アブヤドの各所では、YPGがその存在感を示している。通りではYPG兵士が休憩中、思い思いにジョークを飛ばし時を過ごす。YPG女性部隊として有名なYPGの女性戦闘員らは最前線で戦う。テル=アブヤド奪還時にも女性戦闘員は先陣を切ってテル=アブヤドに入った一団のなかにいた。男女の戦闘員らは、夜遅くまで賑やかな音楽とともにハライを踊り勝利を祝っている。

■アラブ人戦闘員

YPG戦闘部隊の中で兵士として戦うアラブ人の若者も多い。アレッポやテル=アブヤドからやって来たり、あるいは国境線上に暮らすアラブ人戦闘員の彼らは、ISに敵対するYPGを支援する。自由シリア軍の一部に属するグループも、場合によってはYPGと手を組んで同じ前線で戦っている。

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:37916)