ユーフラテス川がレッドライン!―トルコのクルド支配域認識
2015年07月01日付 Milliyet紙


民主統一党(PYD:シリアのPKK関連組織)によるユーフラテス川西のジャラーブルスやシリア政府がイドリブの北側へ大量の移民を生むような動きは、「レッドラインの侵害(=国土防衛のためトルコ軍が反撃を開始する)」と認識される。その際、軍は指令なしで武力行使を始める。

シリア北部において、PYDがコバーニーとジズレの間の町テル・アブヤドを制圧し、国境の重点地域を支配下に置いたこと、またPYDの統制下にあるアフリーンとコバーニーの間にある、反政府勢力が影響力を持つジャラーブルス地域がIS(イスラム国)の攻撃を受けたことなどにより、トルコは警戒態勢に移り、事態をさらに深刻に捉え始めた。シリア国境情勢を議題とした国家安全保障評議会は、あらゆる可能性をつぶさに検討する中、国家諜報機構、軍参謀本部、外務省は、それぞれの保有する情報や取るべき対応についての計画を各機関内で共有した。

安全保障サミットや国家安全保障評議会では、トルコのレッドラインが具体化した。これによると、トルコは、PYDがユーフラテス川の西側にあるジャラーブルス地域を攻撃することや、北に向けシリア政府側が作戦を実行することで大規模な移動の波が生じることを、「レッドラインへの侵害」と見なすという。さらに、トルコ軍はこの状況において、第二指令を待たずとも作成された計画を実行に移すという。話題に上った各方面がトルコが発信したメッセージを真摯に受け取った、と国家安全保障評議会では判断されたと噂されている。シリア政府、PYD、ISが、トルコのメッセージを受け取ったことを示す動きをしていることが確認されている。

■クルド・ラインが誕生する可能性も

PYDがコバーニーとジズレの間にある町テル=アブヤドからISを一掃した。また、戦闘が予測ほど激しくなるより前にテル=アブヤドから撤退したISが、コバーニーとアフリーンの間にあり、トルコ国境に近く、PYDの勢力範囲外の重要地点であるジェラーブルス地域に向けて攻撃を始めた。これらを受け、トルコ政府は警戒態勢に入った。

ISがジェラーブルス地域の反政府勢力を制圧した場合、双方の国境門がISの支配下に置かれることになるとトルコ政府は説明する。(さらに)今後PYDが同地域からISを排除してしまった場合、PYDはシリアとの全国境地域を手中に納めることになり、シリア内に「クルド・ ライン(支配域)」が設けられることになると見なしている。トルコ政府は、これを受けテロ組織と見なすPYD・ISの両組織がジェラーブルス地域を支配しうる可能性について、対策を練り始めた。先週行われた安全サミット及び一昨日(6月29日)行われた国家安全保障評議会の会合では、トルコがシリア国境を統制下に置くことから、国境地帯で安全地帯を設定することにいたるまで、あらゆる可能性が議論された。

■二本のレッドライン

入手した情報によると、サミットの末、トルコはレッドラインを確定し、各方面に向け、メディアや国際的市民団体を通じて明確なメッセージを送ったと確認された。

これによると、PYDがユーフラテス川西側のジェラーブルス地域に支配権を構築する動きを見せる場合、「レッドラインを越えた」と見なされるという。国家安全保障評議会では、PYDの最終目標はこれとの認識で、政府と軍の間で見解の一致が行われたという。

シリア政府軍とISが戦闘を繰り広げるイドリブから北の方角に向け軍事作戦が行われること、また10万人規模の移民が急速に北上することもまた「レッドラインを越える」ことも「レッドライン」と位置づけられる。

■指令をまたずに軍事活動に出ることも

政府・軍の間では、ジェラーブルス地域に関して、「書面での指令」に関し認識の相違が見られる。軍は武力行使に際し指令を要請しているものの、政府はまず 「実際指令はすでに下されている」と回答し、その後、新たな書面での指令を作成するとの噂が流れていた。入手した情報によると、レッドラインが侵害された場合、トルコ軍は一切の書面での指令を待つことなくガイドラインに沿って軍事活動を開始することになる。

■メッセージは届いている

国家安全保障評議会では、トルコが今週発信したメッセージを各方面が受け取ったことが確認されたという。ジェラーブルスに向けたPYDの準備が確認されず、ISの国境方面への活動が確認され、アサド政権側がイドリブ北部からラタキアに引き、ここを支配下に収めた、と判断された。これらの状況は、トルコが、必要とあらばシリアへ越境することをも辞さない構えにある、とするメッセージが届いたことを反映しているという見解の根拠となった。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:池永大駿)
(記事ID:38022)