Mehmet Tezkanコラム:MHPもトルコの政党とならなくてはならない
2015年07月03日付 Milliyet 紙

この文は、今日まではHDP(国民の民主主義党)のために用いられてきた…
HDPはトルコの政党となるべきだ…
HDPはトルコ化すべきだと言われていた。
HDPはクルド民族主義を掲げて政治を行うこと、トルコをカンディル-イムラル島-ディヤルバクル間の三角形で成り立っているとみなしていること、トルコの様々な問題をないものとみなしていること、この土地にクルド人だけがいるかのように振舞っていることで、非難されていた。

HDPは今回の選挙で殻を破り、トルコの政党となる第一歩を踏み出した。HDPが殻を破る一方、MHPはその殻の中へと身を引いた。選挙の後、戦略を変えた。600万票を獲得し、80人の国会議員とともに国会に参入したHDPはをないものとしてみなすことを宣言した。
バフチェリ党首は、「国会のHDPの占める部分は不明瞭だ」と言った…。こうして、HDPが白いといったものは黒いと、黒いと言ったものは白いと言うシグナルをおくった。トルコ民族主義のみを掲げ、政治を行う時代を始めた。

しかし、4年間MHPの国会議員とHDPの国会議員は委員会などで隣同士で仕事をしていた。HDPとMHPは共にいくつかの法案に反対し、多くの法案には二党とも反対票を投じた。同じ態度を示し、同じ反応を見せていた。何が起きたのだ?何が変わったのだ?MHPは何をしたいのか?

見えてくるのは以下のことだ。HDPをないものと見なすことは、MHPをトルコの政党でなくしてしまう。

なぜなら、HDPをないものとみなすことは、クルド人の大部分をないものとみなすことだ。トルコの東南部を完全に消すということだ。トルコの真の姿を拒絶するということだ。

■バフチェリ党首は早期選挙に向けて動いている。

誰がなにを言おうと、結果は以下の通りだ…。AKP(公正発展党)は、MHPの協力で国会議長の職をまた担った。MHPの国会議員たちは無効票を投じ、AKP党員のユルマズ氏を議長に選ばせた。こういう状況になると、以下のような疑問が頭に浮かぶ。バフチェリ党首が HDPを理由にAKPの候補者を支持するのは接近のシグナルなのか? 
AKP-MHPの連立のシグナルなのか?私はそう思わない。

なぜなら、AKPを隠密裏に支持したバフチェリ党首は、昨日もう一度連立のために非常に厳しい条件を並べたからだ。
一つ目の条件として、和解プロセスの終了を求めた。
そもそも終わっている。大統領がドルマバフチェ合意をゴミ箱に捨てた。
二つ目の条件として、弾劾法廷の可能性を開くこと、贈収賄捜査の継続を求めた。つまり、4人の元大臣は弾劾法廷にかけられるべきだと。
元大臣らは、賄賂を貰うことによってではなく、職権を濫用したこと、或いは職務の怠慢で罪に問われている…その調整をしようとしている。
三つ目の条件は、大統領はチャンカヤに戻ること。つまり、ベシュテペにつくられた宮殿を放棄すること。
これをAKPが受け入れるのは不可能だ。バフチェリ党首はこの要求を、そもそもAKPが受け入れないことを目論んで提示している。
私が言っているのはバフチェリ党首は早期選挙に向けて動いているということだ。

■シリア偏重は有益か?

しかし、少し立ち止まって考えて欲しい。昨日重要な動きがあった。
政権が、北シリアについて宣言した新しい軍事境界線と、安全地帯計画…PYD(民主統一党)、つまりクルド人戦闘員がユーフラテス川を超えてジャラーブルスに向かっている状態で軍が介入をするという決定に、MHPは明確に支持を表明した…。
バフチェリ党首は、「この決定は宣戦布告ではなく、自衛となるであろう」と話した。
それだけでなく、さらに踏み込んだ発言をした。
速やかに、直ちに行われるべきだとの呼びかけを行ったのだ。

これも人々の頭を混乱させた。
(バフチェリ党首の言動は)シリアを偏重しているのか、それとも連立政権に入るための代価なのかという疑問をもたらした。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:38054 )