農場労働者3人に2人が借金もち
2015年07月13日付 Zaman 紙


マニサで15人が亡くなってことによって、再び話題になった農場の季節労働者は、やはり厳しい条件で生活している。彼らは1週間休みなく11時間働いており、そのうち97%が保険に加入していない。80%は、テントなどの不衛生な環境で暮らしていて、65%が借金を抱えている。

労働者の人件費を抑えるために、トレーラーやトラック、トラクターなど荷台付きの車で移動していることが死亡事故の発生を高めている。2014年10月31日にウスパルタ県ヤルヴァチ郡で17人が死亡した事故の後、マニサ県ギョルマルマラ郡では、荷台に農夫たちを乗せたトラックが牛乳を乗せたタンカーと衝突し、15人が亡くなり、そのうち13人は女性だった。厳しい条件で働き、深刻な生活の困窮にあえぐ農場の季節労働者達の3分の1は、食べ物や家賃といった最低限の支出さえまかなえない。生活支援協会の「農場の季節労働者の生活と労働条件調査」によると、彼らの月の収入は1,000リラ(約45,000円)以下であり、65%の人が借金をしている!さらにこの労働者達には、社会的な保障もない。調査によると、農場の季節労働者のうち、保険に加入しているのはわずか3%だ。トルコにおいて500万人を超える農場の労働力だが、その大部分は移動する季節労働者だ。多くは無登録で働いているため、正確な数字は明らかでないが、15歳以上で48万5千人の農場の季節労働者がいると推測されている。家族を含めるとこの数字は100万人になる。土地がなく、雇用の機会が限られていることから他の職業を選べない農場の季節労働者は、安全な交通や居住、インフラ、労働条件、賃金の保証といった権利と最低条件が考慮されることなく働いている。どの公共機関の適用も十分でない農場の季節労働者は、生活を契約なし、保険なし、保障なしの形で、トルコ全国を移動しながら1年の6ヶ月から9ヶ月を農作物の種まき、耕作、施肥、水遣り、収穫を行うことで生計を立てている。

■季節労働者の選択肢は狭い

労働者の家族は、ナイロンと布とキャンバス地でできた原始的な家に住み、ぬかるみや居住に向かない土地で暮らしている。飲料水と生活用水、トイレと風呂、洗濯も不便な状態だ。ごみも辺りに散乱している。
季節労働者に保健サービスを提供する社会健康センターがあるにもかかわらず、十分なサービスは行われていない。
農場の季節労働者は、十分な栄養が取ることが出来ない。栄養失調が原因の病気が起きている。
農場の季節労働者の大部分が労働法の範囲外にある。
農業分野での最低限の健康と安全の基準を規定したILOの184条「農場での労働における健康と安全協定」はトルコではまだ承認されていない。
季節を追って移動する労働者の誘導路も定まっていない状態だ。

■「保険に入っていれば事故は起きなかった」

CHPのユルドゥズ・トゥル・ビチェル議員(マニサ選出)が、15人が死亡したマニサの事故について現地で調査を行い、死亡した人全員が保険に加入していなかったことを指摘して次のように語った。
「保険に加入していれば、彼らは労働保健の規約に従って移動していただろうし、今この時も生きていただろう。亡くなってからも労働災害として認められていたはずだ。無保険の農場労働者問題について、出来るだけ早く国会で議論したい」
ビチェル議員はまた、サリフリとギョルマルマラを結ぶ道路の管理不足にも着目し、「この道路が適切に管理され、補修工事が行われていたら、今回の事故は起こらなかったはずだ」と話した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:38148 )