ペルシア湾岸地域で「シーア派殺害」ネットワークが形成
2015年07月02日付 Jam-e Jam 紙

 ダーイシュは新たに、組織化されたネットワークをペルシア湾岸地域に立ち上げた。ダーイシュの発表によると、その主な目的はアラビア半島に住む少数派のシーア派に対して自爆テロをしかけ、同地域からシーア派の信徒を一掃することにあるという。

 ファールス通信がロイター通信を引用する形で報じたところによると、ダーイシュはペルシア湾岸のアラブ諸国在住のメンバーらから成るテロ・ネットワークの形成に成功したと、一部の信頼できる情報筋が述べた。そのネットワークの任務は、アラビア半島に住むシーア派の信徒らに対する自爆テロで、ペルシア湾岸地域出身のテロリストらが、このネットワークの主な指揮を執っているという。

 ダーイシュ(イスラーム国)は、サウジアラビアにおける自らの支部を「ナジド州」と名付けており、アラビア半島からのシーア派の一掃を自らのスローガンに掲げている。彼らはシーア派へのタクフィール(背教徒宣告)、および王制の転覆を自らの信条としている。彼らの信念によれば、いずれもイスラームに反した存在であるという。

 この報道によると、ダーイシュが作ったこのテロ・ネットワークには5名の主要な指揮官がおり、その全員がペルシア湾岸のアラブ諸国出身である。

 一人目の指揮官はバーレーン出身のトゥルキー・アル=ビンアリーである。彼はダーイシュの著名理論家の一人であり、このグループのスカウティング活動で積極的な役割を果たしている。

 二人目はムハンマド・アンワーズィーで、「ジハーディー・ジョン」の名で知られている。彼はクウェートの生まれだが、6才の時にイギリスへ渡った。彼はジェームス・フォーリー氏をはじめ、ダーイシュに捕らえられた多くの西洋人人質を斬首した人物だと言われている。

 三人目はバンダル・アル=シャアラーンで、サウジアラビアの治安機関の元幹部の一人であり、ダーイシュを支持するよう宗教学者ら(ウラマー)を促す作業に従事している。

 四人目の指揮官は、アブーバクル・カフターニーという名の宣教師で、「ウマル」の名で知られている。彼はダーイシュのイスラーム法問題の3人の中心的責任者のうちの1人である。

 そして、五人目はウスマーン・アール・ナーザハ・アル=アスィーリーである。彼は2013年にシリアを訪れたサウジ系の人物で、ダーイシュの中心的な支持者の一人と見なされている。

 ダーイシュは今年(2015年)の3月に、サウジアラビアの東部にある2つのシーア派モスクを標的とした自爆攻撃を行い、数十名もの殉教者ならびに負傷者を出した。このテロ組織は先週にも、クウェートにあるシーア派のイマーム・サーディク・モスクを襲撃し、その結果27名が殉教、他227名が負傷した。また今週には、自爆ベルトを巻いてシーア派の群衆の中での自爆を試みたテロリスト1名が、オマーンで逮捕されている。

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( 翻訳者:KGR )
( 記事ID:38174 )