ギリシャ、ターキッシュストリーム計画に参入
2015年06月20日付 Hurriyet 紙


ロシアはターキッシュストリーム・パイプライン計画をギリシャに引き延ばすべく、ギリシャ政府との政府間合意を調印した。ウラジミール・プーチン露大統領は昨年、トルコへ訪問した際、エルドアン大統領と共にターキッシュストリームに対して最終段階に入った。

アレクサンダー・ノヴァク露エネルギー相は(政府間合意の)調印式でギリシャとは(この)パイプラインにおいて等しい資本を所有する予定だと話した。ロシアはウクライナにおける親ロシア派の政府転覆とウクライナに属するクリミア半島の編入からこの方、欧州への天然ガス輸送において鍵となる役割を果たすウクライナを使わないエネルギー輸送ルートを見つけるよう努めている。欧州へ天然ガスを輸送する新たなルートを模索するロシアはEUから出された反対の後、欧州へガスを運ぶサウスストリーム計画を昨年12月に取りやめた。

■「明確な合意がない」

ロシアは、サウスストリームの代わりに黒海からトラキアで地上に出る4本の輸送管を持ち、年間630億立方メートル規模のターキッシュストリーム計画を議題に上げ、ギリシャと輸送パイプを延長することへの合意を調印したのに対し、未だトルコ政府とは明確な政府間合意が取られていない。
トルコ-ギリシャ間の国境で終わる予定のターキッシュストリーム計画において、欧州への天然ガス販売のためにギリシャ国境において経由地点を作る必要がある。
ロシアは輸送パイプを欧州へと続かせるために、ロシアとの天然ガス貿易の繋がりを断ち切りたいEU諸国を説得しなければならない。
欧州の最大の天然ガス供給源であるロシアは、ターキッシュストリームに加え、(ヨーロッパ)大陸へバルト海を通って天然ガスを輸送する2つの新しいパイプライン計画についても事業を進めている。
ガスプロム社のアレクセイ・ミレルCEOがロイター紙に向けて行なった発表によると、この2つの新しい輸送パイプはターキッシュストリームと対立するものではない。

■「ロシアはターキッシュストリーム(のコスト)を引き上げることができない」

ジャネズ・コパチュ欧州エネルギー同盟事務局長は、ターキッシュストリームはロシアがウクライナを迂回するために提案した計画であるが、これにかかるコストを取り除くことはできないだろうと述べた。コパチュ氏はターキッシュストリームの最新の進展に言及し、ロシアが中止されたサウスストリーム計画のために購入した資材がターキッシュストリームの第一歩に使われるだろうと主張した。
コパチュ氏は、ロシアはこの投資が行き詰ったために(ターキッシュストリームを)建設するのだと言いつつ、「ロシアはサウスストリームのために購入した原材料を中古品として損失覚悟で売るか、他の形で再利用するかというところであった。ターキッシュストリームはこの原材料を再利用する計画となった。」と述べた。コパチュ氏は、ターキッシュストリームは欧州にロシアのガスをより長い距離でもたらすと指摘し、次のように述べた。

「ロシアはこのような形でウクライナを迂回したがっているが、ウクライナはロシアのガスを欧州に運ぶ最も合理的なルートだ。ターキッシュストリームはより長い経路を描く。この距離はというと、より多くのコストを意味する。私はターキッシュストリームが経済的に合理的だとは思わない。この計画はロシアがウクライナを除外するために提案した計画であるが、ロシアはこれにかける費用を取り除くことができない。いずれにせよ、トルコへと伸びる計画の最初の輸送ラインさえ工事してしまえば、現在ウクライナをまたぐ西側輸送ラインとトルコへ送られる経路を迂回することになるだろう。ロシアはターキッシュストリーム計画によって西側輸送ラインを廃止し、ウクライナを機能不全にしたことになる。」トルコは西側輸送ラインから年間140億立方メートルのガスを輸入している。ターキッシュストリームがトルコに向けて伸びてくる最初の輸送ラインは157億5千万立方メートルの規模を持つ一方、ターキッシュストリーム全体では年間630億立方メートルのガスを輸送する予定だ。

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( 翻訳者:成田健司 )
( 記事ID:38259 )