HDP-CHP関係の新局面?
2015年08月05日付 Radikal 紙


6月7日総選挙とその後の状況は、AKP(公正発展党)とMHP(民族主義者行動党)との間の距離感を縮める空気を作り出した。一方で昨日4日に行われたCHP(共和人民党)とHDP(国民の民主主義党)の会談は、いったいどんな意味をもつのだろうか。

HDPの両共同党首を含めた代表団は4日、CHP本部にてケマル・クルチダルオールCHP党首率いる代表団と面会した。この面会は、6月7日総選挙以降、政治に現れた「変化」がCHP・HDP両党の関係にも影響を及ぼす可能性を示唆した。

■裏口から見送られた最初の代表団

もっともCHP・HDPの間は、直近3つの選挙まではかなり「距離のある」関係が続いていた。HDPが「選挙での協力」を呼びかけるためにCHPの門戸を叩いたのは、2014年3月30日の統一地方選挙の直前にHDPが設立されたばかりの頃である。その年の1月上旬、HDPの設立者であるセバハット・トゥンジェルとエルトゥールル・キュルクチュ両共同党首、およびイスタンブル市長候補だったスッル・スュレイヤ・オンデル氏は、CHP本部のクルチダルオールCHP党首を訪ねた。しかしクルチダルオール党首は、同盟関係の提案を退けた。
「特にイスタンブルに関して協力関係・同盟関係を結ぶことは、現段階で我々の計画にはない。したがってHDPと同盟は結べない。その上 CHP・HDPが手を組むことは、AKPのプラスになる可能性があると私は考える。同盟を結んでもAKPの障害にはならない。確かにHDP支持層からの票も獲得したいところだが、だからといってHDPと手を組まねばならないということにはならない。我々は、もちろんすべての人の票を求めている。」
その後、訪問者たちは「一緒のところを誰かに撮影されぬよう」、本部の裏口から見送られた。「最初の交渉」はこうして終わった。

■HDPとの「意見交換」、そしてMHPとの共同候補擁立

HDPのCHPとの2度目の「熱心な」接触は、2014年8月10日の大統領選挙に先立ち、同年6月に実現した。クルチダルオールCHP党首は再び、 HDPのトゥンジェル、キュルクチュ両共同党首およびセラハッティン・デミルタシュ(当時はBDP党首)と国会のHDP会派執務室で会談した。
HDPのキュルクチュ共同党首はその時、「CHPと我々の考え方は近く、我々と同じ価値観を持っている候補を擁立すれば、二巡目の投票で我々としても選択肢に困る ことはない旨を相互に確認した。しかし同時に諸政党に向けた誤った認識に返答した」とコメントしていた。
一方のCHPのクルチダルオール党首は、「相互に意見の交換を行った」と述べるにとどまった。その後の大統領候補擁立にあたってMHPを選んだのは、HDPに対する「誤解」を払拭しきれなかったからなのか、それとも「意見交換」が不十分だったからなのか。それはわからない。

■6月7日後、最初の接触では何が?

「解決プロセス」が継続する中、このような形で発展したCHP・HDP関係において、6月の総選挙以降の昨日4日に初めて親密な交渉が図られた。HDPの最低得票率を3%上回る躍進と、選挙後に発生した「戦争状態」によって、両党ともにこの会談を重要視した。2014年1月には「HDPと一緒の写真を撮られることを拒否」したCHP本部を代表して会談後に会見を行った、会派副代表のエンギン・アルタイ議員は、次のように述べた。「我々も好意的に受け止めている、デミルタシュHDP党首による最近の誠実で良心的な働き、訴えを知らない国民も、もはやいないだろう。」また会談では、デミルタシュ党首の「引き金から手を引け」という姿勢が評価されていることがHDPの代表団に伝えられた。
HDPの裏舞台では、総選挙後の出来事が両党を「自然に」引き寄せたとの見方が広がっている。「和解文化の発展のため」AKP・CHP連立を支持していると明らかにしたHDPは、おなじ観点からほかの党とも会談することを重要視している。ただAKPとMHPの態度を鑑みると、CHPの前向きな姿勢の方がより大きな意味を持っていることもまた事実だ。このためHDPは会談の内容と同じくらい「会談の実現」も重きをなしていることを強調している。CHPの代表団はAKPとの連立に向けた話し合いについて報告する際、「政治における対話の重要性」を強調したとのことだ。
それでは、その後の進展は?
CHP・HDP両党は、日付は不明だが新たに会談を行う可能性がある。会談の時期は、おそらく「戦争」関連の状況変化と国家の緊急議題に応じて決まるはずだ。4日の会談以前にいくつかの紙面報じられていた「早期選挙同盟」の可能性について論じるにはおそらく時期尚早だろうが、少なくともCHP・HDP関係に新たな1ページが加わったということは言えるだろう。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:38370 )