アレヴィーの家にマーク―イスタンブル・ウスキュダル
2015年08月12日付 Radikal 紙


ウスキュダルのキラーズルテペ地区に住むアレヴィー派の人たちが暮らす住宅のドアに「バツ印」が書きなぐられた。これを受けて、アレヴィー・ベクタシー連盟のアリー・オズジャン副会長は反発し、こう述べた。「私たちアレヴィーは、こんな挑発には乗らない。私たちは平和を守る。」

昨日10日、ウスキュダルのキラーズルテペ地区で、そこに住むアレヴィーたちの家々のドアに「バツ印」が書きなぐられているのが見つかった。これを受けて、アレヴィー・ベクタシー諸団体の代表者と人民の民主主義党(HDP)の県団体のメンバーが記者会見を行った。この中で、アレヴィー・ベクタシー連盟のアリー・オズジャン副会長は「私たちアレヴィー・ベクタシーの諸団体は、トルコで一つとなり、ともに生きていくことを学んだ。こんな挑発には乗らない。私たちは平和を守るのだ」と述べた。

 記者会見は、「バツ印」が見つかったウスキュダルのキラーズルテペ地区クレディビ通りで行われた。会見にはHDPイスタンブル選出アリー・ケナンオール 国会議員、アレヴィー・ベクタシー連盟アリー・オズジャン副会長、İHD(人権連盟)イスタンブル支部ジェズミー・オズデミル支部長をはじめ、HDPの県団体のメンバーやアレヴィー指導者たちも参加した。

■「家々に印がつけられるなど、ふつうのことではない」

 HDPのイスタンブル選出アリー・ケナンオール国会議員は、2012年にシリア内戦が勃発してからこのかた、トルコでのアレヴィー派に対する攻撃が組織的になってきていると述べた。

 ケナンオール議員は、数百軒ものアレヴィーの家に印がつけられたとし、次のように述べた。

「我が国がカオス、混沌とした空気にあるのは明らかだ。この戦争状態のなか、アレヴィー派の人たちを戦線に巻き込もうとするのは、混乱を拡大させようという意図に他ならない。この混乱を解消するには今回の事件の犯人を特定するほかない。それまでは、アレヴィー派はパニック状態のままだ。家々に印がつけられるなど、ふつうのことではない。」

 アレヴィー・ベクタシー連盟のアリー・オズジャン副会長も、アレヴィー社会は争いに巻き込まれることを望んでおらず、挑発に乗るつもりもないと述べた。
「アレヴィー・ベクタシーの諸団体は、トルコで一つとなり、ともに生きていくことを学んだ。私たちアレヴィーはこんな挑発には乗らない。私たちは平和を守るのだ。」

 İHDイスタンブル支部を代表して発言したジェズミー・オズデミル支部長は関係者に対し、この件で警戒するよう呼びかけた。

■住民の話

家に印をつけられた住民の一人、アリー・エキベル・カルタルさんはこう語る。
「10日の朝、仕事に行こうと7時ごろ起きてみると、アラームのような音が聞こえました。外へ出てみると家の前に怪しい黒い包みが置いてありました。妻へ知らせ、子供と外へ逃げ、警察に通報しました。警察は起爆装置を操作して包みを破裂させました。その後、4軒の家に印がつけられているのがわかりました。事件後も心配です。」

■声明文はアレヴィーのデデが読み上げた

会見後、アレヴィーのデデ(宗教指導者)が報道陣向けの声明文を読み上げた。声明文は、民主的アレヴィー協会、アレヴィー文化協会、ガリップ・デデ修道場、 ハジュ・ベクタシュ・ヴェリ基金、フブヤール・スルタン文化協会、スルタンガーズィ・ピール・スルタン文化協会の名のもとに出され、次のように述べられている。

「誰も、誰一人として忘れてはならない。もしアレヴィーたちの家に火が付いたら、そこから起きる火事はアレヴィーたちのみならず、皆を焼くだろう。アレ ヴィーたちが脅威にさらされているこの社会では、誰もが安心して暮らせる国にはなりえない。私たちは戦争ではなく、平和を支持する。なぜなら私たちの信仰は愛であり、私たちが向き合うのは人間なのだから。」

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:38411 )