これからどこへ?―2か月前の解決策議論から非常事態議論への急展開
2015年08月23日付 Cumhuriyet 紙


 2ヶ月前に解決プロセスの和平が議論されたトルコで今「戒厳令や内戦の危険、軍隊の介入の日々に後戻りする懸念」が起きている。

 人民の民主主義(HDP)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首はトルコが内戦の危険に直面していると述べた。デミルタシュ党首はイズミルで新聞記者らと集い 「彼らは『どれほど兵隊が死んでも自分たちの盗みは忘れ去られる』と考えている。しかし勘違いをしている」と述べた。

 デミルタシュ共同党首は一元論的なものの考え方に反対して結成したHDPは様々な社会層の集まりであると述べ、「我々は13%の得票と50%の信任を得た。公正発展党(AKP)はこれを見て妨害するために争いを引き起こした」と述べた。デミルタシュ党首はPKK(クルド労働者党)の「残忍な」やり方の武力行使が停止されなくてはならないと強調し、「AKPの行った間違いのつけを兵士と警官の命や死であがなえない。同様にゲリラの死も容認しない。この争いは母国を守るものではなく、 [大統領]宮殿を守るものなのだ」と述べた。

デミルタシュ党首は、テペクレ議会場での「和平」会議では、デヴレト・バフチェリ民族主義者行動党(MHP)党首の「別荘でウィスキーを飲んで票をHDPに入れた無節操な連中」という言葉を引き合いに出して、「数千人のMHP支持者や、共和人民党(CHP)支持の有権者が我々に『アッラーが祝福くださいますように』と言った。さて我々に票を入れた無節操者は、あなたを支持する有権者に何を言うのか?MHP支持者に何を言うのか?人種差別主義者でファシズムの政治に我々は決して屈服することはない」と述べた。

■アルボアン教授「我々はクーデターへ向かっている」

 イスタンブル大学の政治学部の教員であるデニズ・ウルケ・アルボアン教授は最近頻繁に口に出される「トルコは九十年代に戻る」との言葉について、 「トルコは90年代にではなく、80年の軍事クーデターのプロセスに戻っている」と主張した。アルボアン教授は出演したハベルトルゥク・ニュースチャンネルにて以下のように話した。

「私はそのツイートで80年代に戻るという意味でではなく、まさに80年を意図して言っている。その時は軍事クーデターを示唆していた…。トルコの東部と南東部でより広範な反乱へと方向付くかも知れない、というのがそこでの社会的な様子だ。そのためMHPのデヴレト・バフチェリ党首も戒厳令が実施される必要があると話した。あなたがたは法律による解決を見つけられない状況に陥っている。法律が消えて、行動の事態が起こっている。」

■選挙に向かわない可能性があるかもしれない

 大都市調査機関の設立者オゼル・センジャル氏は8月に行われた最新の調査の結果をTwitterから知らせた。センジャル氏は最近の調査によると、票を増やした唯一の政党がHDPであり、MHPを越えてトルコで三番目(に支持者の多い)党とまでなり、「AKPには単独政権を取る幸運はない」と述べた。

 センジャル氏がTwitterから行った発表は以下の通りだ。
「我々の調査の報告を終えて、我々の契約者に配信した。来週結果の一部を読者たちと共有する。入手した情報によれば、AKPとCHPとMHPの票について重要な変化は発生しなかった。特にAKPの票は6月の結果と同様であった。情報によれば注目に値するレベルで得票が増えた唯一の政党がHDPである。8月23日に選挙があれば国会での第三党はHDPとなるはずだった。MHPは第四党である。HDPに新しく入った票の75%が抗議の有権者から、25%が別の政党から来ている。入手した情報によると、来る選挙でAKPが単独政権となる幸運はない。ゆえに早期選挙がない可能性があるということである。ここで我々が共有した情報は8月の調査結果に基づいたものである。」

 センジャル氏は最近の調査を弊紙(ジュムフーリエット紙)へ語り、AKPの得票が上向く動きはなく、選挙によって一ポイント上がっていると述べた。 これは一人の国会議員が増えたと言うことであると述べ、AKPの票は最近の動きのあとでも増加は予想しないと発言した。センジャル氏はCHP票での一部増加はそれほど重要ではなく、1、2人の国会議員増加にあたると述べ「MHP(の得票)においてわずかな低下がある。(以上の)3党から、そもそも、統計的意味で大きな意味を持つ変化はなかったと言うのがより正しい。HDPの票については注目すべき増加がある。23日に選挙があれば、国会でHDPが第三党となったということだ」と述べた。

■「AKPは選挙に向かわないかも知れない」

 センジャル氏はAKPの票が44、45%にまで這い上がる確信はなく、この状況に対して彼らは選挙に向かわないかも知れないと述べ、以下のように続けた。 「私がもしAKPの幹部の立場だったら、考えて、選挙には行かないことを選ぶ。少数政権にもっていくことを選ぶ。今後の状況の展開がAKPに有利に働くと期待する。」

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:38491 )