「私たちの身体を被う宝」―文化遺産庁、イランの民族衣装の登録・整備を計画(3)
2015年08月06日付 Jam-e Jam 紙

文化的・歴史的シンボルを伴った衣装

 人類学者で、ファルハーメ出版の責任者を務めるマアスーメ・エブラーヒーミー博士は、イランの衣装や食べ物、その他有形・無形の遺産を紹介し、普及させるような催しは、どのようなものでも歓迎すべきものだとした上で、ジャーメ・ジャム紙に次のように語っている。

私たちはこうした領域に対して無頓着でした。その一方で、衣装の多様性といった点から言えば、私たちとは大きく隔たった〔=衣装の多様性の乏しい〕諸外国は、国民服のような自国の文化的な理想を示すことで、自らの文化を世界の人々に紹介する努力を行っているのです。

〔‥‥〕

 エブラーヒーミー氏によると、イランを構成する各民族の衣装には〔独自の〕色彩的・感覚的要素がふんだんに用いられており、そのために独特の多様性が与えられているという。〔‥‥〕

 人類学者である同氏は、このような衣装は観光客にとっても魅力的なものとなろうと指摘し、

衣服における民族文化的要素の利用には、経済的側面もあると言えるでしょう。諸外国が観光の分野で得てきた経験によれば、こうした衣服は外国人観光客の関心を引くことでしょう。

 と述べている。

〔‥‥〕

 マアスーメ・エブラーヒーミー博士の考えでは、人類学者は私たちの社会の中で、〔イランを構成する〕各民族の衣装に対してあまり関心を払ってこなかったという。〔‥‥〕彼女はこのことについて、次のように述べている。

この点については、言葉として表現するだけで満足してはいけません。そうではなく、実際の行動によってこれらの衣装を社会にアピールする必要があります。例えば、映画やドラマなどで、これらの衣装、特に私たち自身の文化的要素に基づいてデザインされた衣装が利用され、何らかの形で視聴者の目にとまるようにする、といった取り組みが可能でしょう。

 彼女はまた、こうした衣服を「国民服」としてアピールするのは避けた方がよいと指摘し、「ある服装を〔画一的なイメージのある〕『国民服』として紹介すると、逆結果がもたらされかねません。〔‥‥〕私たち国を構成する各民族の〔多様な〕衣装は国民的な資産・財産であり、その保全に努力すべきです」と述べている。

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( 翻訳者:AE )
( 記事ID:38497 )