選挙内閣、閣僚打診を受けた人、断った人
2015年08月26日付 Hurriyet 紙


アフメト・ダヴトオール首相は暫定選挙内閣のために野党への閣僚打診において危険な選択をおこなった。人民の民主主義党(HDP)のうち最後に党所属となった3名を選んだ。共和人民党(CHP)と民族主義者行動党(MHP)所属の者は、ケマル・クルチダルオール党首とデヴレト・バフチェリ党首に近い幹部らの中から選んだ。驚くべきことは、提案を受け入れてMHP所属のアンカラ選出国会議員、トゥールル・チュルケシュがやったことである。

暫定選挙内閣で入閣を請われた人々に送られた手紙は、昨日正午頃に首相府の特別秘書副官レベルの特使らによって送られた。特使は手紙を代理の秘書に渡さずに、国会議員らに直接渡すことを望んだ。執務室にいない国会議員に関しては来るまで待機した。アンカラ市外にいる人に関しては「国会議員と連絡を取りなさい。封筒も受け入れないかもしれない。そうならば、渡さずに引き返すつもりだ」と警告した。返答が来た後、CHPとMHP所属の者らに宛てたポストに関して、無所属の人物たちにも同様に打診するとしたダヴトオール首相は、公正発展党(AKP)所属の人物をもこの段階で明らかにすると伝えた。

■今日は午後6時まで続く

手紙にて打診を受けた人々には返答を今日午後6時までに書面にて伝えるよう要望した。ダヴトオール首相はその手紙でこのように述べた。 「2015年8月25日付けでレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領により暫定選挙内閣を設立するため私が首相として任命された。暫定選挙内閣メンバーに関し貴殿に閣僚ポストを打診する。憲法の閣僚に関わる条項に則り、提案された閣僚職を受け入れない場合、貴殿の代わりに無所属の人物を任じるので、暫定選挙内閣設立のために想定される憲法上の期間に注意を払い、閣僚職に関する打診に対し2015年8月25日午後6時までに書面にて返答する件に関し必要な対応を取られるよう要請する。」

■HDP所属のうちの一人はクルド人

HDPから閣僚打診が行われた人々のうちムシュ・ヴァルト出身のアリ・ハイダル・コンジャ氏(65)が唯一クルド人であることが注意を引いた。彼とともに閣僚打診が行われたイズミル選出のムスルム・ドアン国会議員同様にアレヴィー派である郡長出身のコンジャ氏は6月7日の総選挙で在外投票により最終段階でMHP所属のリュトゥフュ・トゥルクカン氏に代わって議員に当選した。元ピール・スルタン・アブダル協会のムスルム・ドアン会長もコンジャ氏同様に「後から」HDP所属となった人物だ。クルド人ではないドアン氏は選挙の前にHDPの選択を「新しい政治的発言ゆえにHDPに近い」として説明していた。1996年に設立された労働党(EMEP)の2011年まで代表を務めたイスタンブル選出のレヴェント・トゥゼル国会議員もドアン氏同様にクルド人ではない。

■イノニュの子孫

ダヴトオール首相はCHPからはクルチダルオール党首の組織と計画に関し最も近い関係のある人物を選択した。特に選挙活動の際に重要な仕事を引き受けたクルチダルオール党首の主席諮問役のエルドアン・トプラック氏、組織責任者のテキン・ビンギョル氏の推薦が注目を浴びた。選挙の後にエルドアン大統領と会談をおこなって話題となったデニズ・バイカル氏の推薦に関し、裏舞台では、エルドアン大統領との関係と連立プロセスで引き受けた役割ゆえに選ばれたと解釈されている。CHPから選ばれた人々の中には、エルドアン大統領がしばしば狙っていた第二代イスメット・イノニュ大統領の子孫にして、イノニュ財団の副代表でアンカラ選出のギュルスン・ビルゲハン国会議員がいたことも注目を浴びた。ダヴトオール首相は第9代スレイマン・デミレル大統領の親戚でもあるイスタンブル選出のイルハン・ケシジ国会議員にも閣僚打診をした。ビルゲハン国会議員とケシジ国会議員は市外にいたために打診書は直接渡されなかった。

■レファフヨルのシンボルである閣僚

ダヴトオール首相がMHPから内閣に招いた人物は執行部メンバーであった。トゥールル・チュルケシュ副党首、イズミル選出のケナン・タンルクル国会議員、イスタンブル選出のメラル・アクシェネル国会議員が内閣入りを打診された。タンルクル国会議員は連立政権において商工貿易大臣の仕事を引き受けた。MHPで潜在的に党首候補とされているイスタンブル選出のメラル・アクシェネル国会議員は、レファフヨル(福祉党-正道党連立内閣)政府で内務大臣として軍の圧力に対して見せた態度により象徴的な人物のうちの一人となった。アクシェネル国会議員は、最近では選挙の前に自身に向けた「カセットテープ」スキャンダルに対して示した決然とした態度によって話題となった。アクシェネル国会議員は、AKPの設立時期にこの動きに加わるといわれたが、設立集会に行かずに2002年にコースをMHPに変更した。この時期、アクシェネル国会議員はMHPから国会議長候補として名が挙った。

■トルコ民衆劇

打診書が来た後、CHP本部で閣僚打診が行われた人々も含む執行部議員らは、返答に関して集まった。CHPのレヴェント・ギョク会派副代表は「CHPとしてこの茶番に我々が加わることはない」と述べた。

■国民の意思を無視

ダヴトオール首相の閣僚打診があったデニズ・バイカル氏は、「打診にどう返答をするのかを問われることさえ侮辱である」と述べた。バイカル氏は「書面による提案が来た。私も書面で返答をしようと思う。中身を私の回答を送った後、世論に公表しよう」とコメントした。

CHPのアンカラ選出のアイシェ・ギュルスン国会議員は、ダヴトオール首相に「CHPの党是に従い、閣僚の打診に対し受け入れないと謹んで申し上げます」と返答をした。CHPのイスタンブル選出のイルハン・ケシジ国会議員は「我々は党所属の国会議員だ。このため、党の決定に沿って決定せねばならない。私もこの方向で行動するつもりだ。そして打診をお断りする」と述べた。

CHPのテキン・ビンギョル副党首と主席諮問役のエルドアン・トブラックは共同で返答した。「組閣作業を遂行できずに、この職務を返上された。国民の意思を無視して、不正に我々に組閣作業を委ねなかった。何ら責任がなく、或いは如何なる職務も遂行しない暫定選挙内閣に地位を得て、不当な評価を得ないために打診をお断りすることをお伝えいたします。」

■出自がアレヴィー派ではない、アレヴィー派だ。

HDPのイズミル選出のムスルム・ドアン国会議員はダヴトオール首相の打診に関して以下のように述べた。「興奮してはいない。党執行部もこれを予想していた。党組織がどう言おうと我々の決定はそのようになされよう。(アレヴィー派出身として表現されていることに関して)出自がアレヴィー派ではない。今もってアレヴィー派だ。アレヴィー派の活動の中で25年もの経験がある。ピール・スルタン・アブダル協会の会長だった。この戦いの中で最大の組織はピール・スルタン協会だ。

■「グループの決定がある。もちろん受け入れるつもりだ」

HDPイスタンブル選出のレヴェント・トゥゼル国会議員はというと「もちろん引き受けるつもりである。我々のグループの決定がある。どの大臣職であるかは知らな いが、最良の形で遂行するつもりだ。(労働省であるかないか)わからない。首相がどのように評価したのか。わからないが、通知してきた際にわかるだろう」と述べた。

HDP執行部は大臣職の打診を無条件に認めることを明らかにした。

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( 翻訳者:満生紗希子 )
( 記事ID:38513 )