CHPバイカル元党首、入閣要請拒絶―説明3頁
2015年08月27日付 Hurriyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領から移行政府組閣の指示を受けたアフメト・ダヴトオール首相が入閣を要請した、共和人民党(CHP)の元党首でアンタルヤ県選出の国会議員であるデニズ・バイカル氏が、首相府に3ページに渡る書簡で入閣を断ったことが明らかになった。

バイカル氏がアフメト・ダヴトオール首相に送った書簡では次のように述べられた。
「あなた方が組閣する暫定政府で、私に大臣としての入閣を提案された書簡について、いくつかの指摘と評価を挙げたいと思います。
状況としては、6月7日の国会議員選挙によって開かれた新しい政治の時代を閉ざすために、まず憲法116条によってもう一度選挙を行う決定が下され、暫定政府が組まれる必要が出てきました。13年間の単独政権を経て、6月7日の選挙には87パーセントの有権者が参加し、96パーセントという代表の水準と、どの政党にも単独政権を与えず4政党の政治が行われるべきだという新しい国民の意志が形成されたことを明らかにしました。これは間違いなく、単独政権の統治に慣れた政治家たちの認識を覆すものです。彼らに対する国民の挑戦です。新しい民主主義の試験なのです。やり直し選挙が決定されたことからも分かるように、残念ながらトルコはこの試験に合格できませんでした。政治家は、国民の意志を尊重するどころか、それを自分達に従わせることを選んだのです。6月7日のリベンジをする機会を伺っています。今回の選挙は、政党一つ一つではなく、6月7日の選挙結果が気に入らない政党の国民に対する意趣返しという意味を持つものです。

■「トルコ大国民議会(TBMM)を新たな選挙に持ち込むために組閣しない」

6月7日の選挙から2ヶ月半後、やり直し選挙の決定が下され、TBMMが委員会も組めずに無駄使いされたことは、そもそも国民の意志に挑戦することです。
TBMMは組閣できなかったから選挙を行うのではありません。TBMMを新たな選挙に持ち込むために、組閣されなかったのです。6月7日に議会を封鎖した政治は、選挙当日の夕方にやり直し選挙の日付を11月20日として宣言した野党により始まったものです。

6月9日に我々が会談してから、「エゴから離れよう。国民の意志は明らかだ。連立は自明のものだ」という大統領演説で始まった時代は、不幸にも短く終わった。TBMM議長選挙はこの観点から、基盤崩壊のポイントとなった。この選挙によって、TBMM議長職は、野党が多数派であるにも関わらず以前の政権与党にゆだねられ、さらにはこの野党のばらつきが、政権側が無理やり選挙に持ち込むことを許したのです。

■民主主義は可能であれば望まれるものではなく、必須のものだ

TBMM議長選と6月7日の選挙で明らかになった様々な政治勢力が、お互いの存在に、考え方に敬意を払い、合意と協力に基づいた法の優位性、民主主義の原則、そして憲法を尊重した新しい政治の時代が開かれるという希望は、重大な攻撃を受けました。民主主義が権力者の気まぐれで、何の責任もなしに成立する国などありません。民主主義は可能であれば望まれるものではなく、義務です。不幸なことに、6月7日以降わが国民は野党にTBMMのマジョリティを与えましたが、野党の奇妙な政治の結果、そのマジョリティは誰にも何の義務も課すことができませんでした。

■TBMMは何ヶ月も会期を迎えていない

選挙からここまで、3ヶ月近く経ったにも関わらず、選挙の政治的合法性を持つ政府に移行できていません。新たに選出された550人の国会議員は政治的プロセスの外に居ます。国会で過半数の議席を失った政党は、一部は国会議員でさえない者を大臣にしてトルコを統治しています。この状態は、暫定政府でも継続するでしょう。TBMMは何ヶ月も会期を迎えておらず、さらに何ヶ月もその状態が続くと見られています。国内の平和、経済、国際関係に根底から影響する選択が行われ、非常に重大な人的、精神的代償を我々が払っているこのような時期に、議会を無視し、その正当性に必要を感じず国を統治するような考え方は、選挙の尊重と民主主義、法、憲法機微にまったくそぐわないものです。

組閣の試みが失敗に終わった以上は、主要野党の指導者に組閣を任じないことを正当化するのは、いかなる理由を以ってしても不可能です。この態度は、政治と民主主義、法、そして政党指導者に対し、自己中心的で傲慢な態度を表すとともに、連立のチャンスを与えず、選挙外で選挙の外で選択肢を与えないという焦りも示した。6月7日にTBMMに恥ずべき扱いがなされ、やり直し選挙の決定により変更が求められた。6月7日に明らかになった新しい国民の意志が形作られたにも関わらず、トルコは何ヶ月も、事実上以前の単独与党の統治による古い合意で統治されている。新しいTBMMを好まないものたちは、政治の暦を6月7日で止め、政治の時間を6月7日で止めたのです。TBMMも「和解プロセス」のように冷凍庫に入れられてしまいました。

■「我が国の政治は歩み寄り、分かち合い、法を尊重することを学ばなければならない」

組閣がテーマとなっている臨時政府も、基本として選挙前に政府の延長という特徴を持つことと、政府の代表という観点からも、ほぼ同じ状況になることは誰もが理解しています。選挙の決定は社会の要請、もしくは必要とされた結果ではなく、6月7日の政治形成への反発として用意されたシナリオの最終章としてステージに示されました。この根底には、誰とも和解を必要とせず、単独で国を統治することへの未練があります。これが問題なのです。
トルコを緊張させ、分割し、挙句の果てに衝突に陥れたのも政治的、社会的基盤のないこの未練です。我が国の政治は、歩み寄りを、分かち合いを、法を尊重することを、責任をとることを、謙虚であることを学ぶ必要があります。
やり直し選挙の後、同じくらい、もしくは選挙を強いた人々のためにもっと不安定な構図が表れたら、どうなるのでしょう?これに政治的な代償が払われるでしょうか?この状況下で、あなた方が構成している臨時政府の提案について、私は以下のように述べなければなりません。

■「国民の法をあなた方から守ることは私の果たすべき義務です。」

1971年3月12日(書簡クーデター)、1980年9月12日(80年クーデター)の炎の輪をくぐり抜け、1991年の政府で、そしてその後の外国の圧力に依存した政府のモデルにおいて、最高の地位につくことを、自らのそして党のために拒否する政治見解を持つ人物が、今あなた方に申し上げる。過去に、9月12日にケナン・エヴレン元大統領の定めた法に対し、政敵である政治家の定める法を擁護したように、今また、国民の法をあなた方から守ることは私の果たすべき義務です。」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:38522 )