EUにとってのトルコは、米国にとってのメキシコ?
2015年09月05日付 Milliyet 紙

G20の一環であるB20(ビジネス20)でパネルディスカッションの議長を務めたバシュチュ総裁はトルコをメキシコに例え、「メキシコはアメリカ合衆国の回復の恩恵を受けており、これはトルコがEUの回復から恩恵受けているのと同じだ」と述べた。

トルコ共和国中央銀行のエルデム・バシュチュ総裁はトルコ経済をメキシコに例えた。メキシコはトルコによく似ていると指摘し、「メキシコはアメリカ合衆国の回復の恩恵を受けており、これはトルコがEUの回復から恩恵受けているのと同じだ」と述べた。

B20トルコ会議の2日目にパネルディスカッションが行われ、IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事はパネルディスカッションやオーストラリアのジョー・ホッキー財務相、フランス中央銀行のクリスチャン・ノワイエ総裁、メキシコ中央銀行のアグスティン・カルステンス総裁、インド中央銀行のラグラム・ラジャン総裁が参加した。

議長のエルデム・バシュチュ総裁は投資の低迷に触れ、「容疑者は誰だろうか?不安定性や投機の可能性がある。2つ目に、世界的な成長予測が低いことにも関 係している可能性がある。3つ目は、ビジネス環境といった一連の構造的な問題の可能性がある」と述べた。バシュチュ総裁はヨーロッパの経済構造に改善が見られたと述べ、改善の過程が続いてほしいと述べた。

■「戦いに敗れた」

バシュチュ総裁はメキシコ中央銀行のアグスティン・カルステンス総裁に対し、メキシコはトルコによく似た国だと述べ、「メキシコはアメリカ合衆国の回復の恩恵を受けており、これはトルコがEUの回復から恩恵を受けているのと同じだ」と述べた。パネルディスカッションではオーストラリアのジョー・ホッキー財務相が次のように語った。

「今や消費者が世界経済をコントロールしている。携帯電話で情報にアクセスし、仕事を生み出す。企業を見ると、自動車の盛り上がりが分かる。女性は雇用を求めなければならない。世界経済の最大の障害は各国による障壁だ。明らかに課税の規則が必要だ。課税が増せば投資やイノベーションを抑制することになる。 世界は去年よりも良くなるだろうが、戦いに勝ったとは言えない。」

■「難民たちに仕事を与えなければならない」

IMFのクリスチャン・レガルド専務理事は世界的レベルで停滞化する経済成長の背景には生産性の不足があると述べ、「経済全体にとって共通のポイントは次の通りだ。既に生産性は非常に低いレベルにあり、これは成長の質に影響している。成長の質に注目しなければならない。発展した経済では国内総生産の1%ほどの投資が行われれば、これが同年に0.4%、その後4年間で1.5%の成長につながる」と述べた。

レガルド専務理事は発展した経済では回復があったと述べ、次のように語った。
「ヨーロッパでは特に未だに大規模な貸倒れが問題だ。倒産した銀行が上手く管理される一方、貸し倒れの解決の問題に直面している。」

レガルド専務理事は女性だけでなく難民も労働市場に参加する必要があると述べた。

■「おかしな提案」は却下された

G20声明が準備される一方、興味深い出来事が起こった。ロイター通信の報道によると、G20会合に参加したロシア代表団からの情報によると、発展途上国が先進国に期待する金利引上げを世界経済の深刻なリスクとして評価する旨の要請がG20声明案を準備するチームによって却下されたという。情報元はアメリカ中央銀行による実施が期待される金利引上げが声明に含まれるか否かについての質問に対し、「一部の発展途上国の立場の明確化を求めた。おかしな提案の一つでは、世界経済にとって最大の脅威だと評価された。この提案はすぐに却下され、二度と話題に上らない見込みだ」と述べた。

最終の声明案では世界のリーダーたちが金融政策を調整し、情報交換を明確に進めるために取り組むことに合意したとされた。声明案では次の表現が記載された。
・G20の声明案で一部の国々が経済活動の加速に対する満足を口にしたが、世界的な成長は期待値を下回るとされた。
・G20の財務のリーダーたちが世界経済の収束が加速すると信じている。
・G20の財務のリーダーたちはマイナスの影響を抑えるために確実に金融政策のステップの情報交換を進め、注意深く調整していく。
・G20は競争的デノミを避け、あらゆる保護主義に対抗する。
・経済成長戦略の中で行われる施策の適用にはより大きな努力が必要であり、投資の増加は全ての国にとって最大の優先事項だ。

■「人間らしさを失ってしまったようだ」

IMFのレガルド専務理事はボドルムで起きた大きな悲劇に触れ、「海岸に打ち上げられた子供の写真はおそらく私たちが人間らしさを失ってしまったことを示している。本当に信じているものに、原点に立ち返る必要がある。本当の目的は何だったか、ここで論点を一つにする必要がある」と述べた。

■「中身の分かるデータがない」

サバンジュ・ホールディング代表取締役のギュレル・サバンジュ氏は「残念ながら近年貿易における成長は信頼できる線をたどっていない。外貨の面で最近非常に多くの変動がある。全ての要素を絡めて評価しても全く中身の分かるデータがない」と述べた。コチ・ホールディング執行役員のアリ・コチ氏は新聞で深く心を痛めるような悪いニュースを見たと述べ、「おそらく私たちは希望を失いかけているが、希望を失っている暇はない」と述べた。

■マラシュ・アイスつきのサミット

一昨日G20トルコ会合の最初の夜にアンカラトルコ商工会議所連合(TOBB)のツインタワーに設置されたスタンドで伝統的なトルコの工芸品や料理が招待客たちに提供された。ジェヴデト・ユルマズ副首相とTOBBのリファト・ヒサルジュクルオール代表はスタンドを回った。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:38582 )