犠牲者たち―「平和」のためにアンカラへ来ていた
2015年10月11日付 Hurriyet 紙
アンカラへのバスの中で取られた写真(ディジレ・デリ)
アンカラへのバスの中で取られた写真(ディジレ・デリ)

トルコで最大のテロ攻撃として歴史に残るテロ攻撃の死者の中には、国中から平和と民主主義のためにアンカラに来た人々がいた。

■家具商のラマザンさんも

 ブルサ県のイネギョル郡で家具商を営んでいたラマザン・チャルシュカンさん(26)は10日、「戦争に抗い、平和を今すぐに」集会に参加するためにアンカラに訪れた人々のうちの一人だった。チャルシュカンさんの遺体は首都に来た近親者が確認し、家族に哀悼の意を表した人民の民主主義党(HDP)のブルサ県のユクセル・アクギュン県支部長はチャルシュカンさんが(HDP)の党メンバーであると述べた。チャルシュカンさんの遺体はブルサで埋葬される。

■誕生日に集会に訪れた

 労働党の執行委員会メンバーのコルクマズ・テディキさん(30)とHDPアラニャ郡のイスマイル・イシュリ共同郡支部長の甥であるエブル・マーヴィさんが集会にアンタルヤから訪れた。訃報を聞いたテディキさんとイシュリさんら家族は涙を流して泣き叫んだ。アマスヤ県メルズィフォン郡で暮らし、既婚で2人の子供の父であり、定年退職者のメティン・キュルクチュさん(53)は10日が誕生日だった。キュルクチュさんは労働党メンバーで、集会に18人の友人と共に行ったが、誕生日に命を失った。

■ウシャクで4つの悲しみ

 ウシャク大学機械工学科の学生であるギョクハン・アクマンさん(21)とその友人である(前述の)コルクマズ・テディキさんはデニズリの労働党グループと共に首都に行った。爆発でアクマンさんが、事件現場で重傷を負ったテディキさんは搬送された病院で亡くなった。HDPのイズミル県のジャヴィト・ウール県支部長は夕方行った発表で、 ピール・スルタン・アブダル協会のメンバーであるハジュ・クヴラクさんと、人民の家のメンバーと共にアンカラに来ていたベマ・コチさんが命を落としたと述べた。

■友人が(彼を)救うために戦った

 爆発で命を失った人々の中に、HDPのトカト県組織の県会計であり同時にガーズィオスマンパシャ大学の工学・自然科学部空間情報科学工学科の4年生であるムハンメト・ザキル・カラブルトさんもいた。トカトから友人と共に「戦争に抗い、平和を今すぐに」集会に訪れていたカラブルトさんは爆発で重傷を負い、友人らによって運ばれた先の病院で亡くなった。

■イズミルも火の粉をかぶる

 爆発の中には農林業従事分野公共労働組合イズミル支部執行委員会メンバーのメスト・マクさんとHDPカルシュヤカ郡の運営委員会メンバーのうち財務顧問であったアイシェ・デニズさんもいた。マクさんとデニズさんの訃報に泣き崩れた家族は夕方ごろにアンカラへ移動した。マクさんは1人の娘をもつ父親であった。

■教師が負傷し娘が死亡

 シャンルウルファで教師をしていたスィダル・チェヴィキさんとヌルギュル・ハヴィンさん夫妻は娘のスィダル・チェヴィキさんも同伴して集会へ赴いた。 スィダルさんとヌルギュル・チェヴィキさんは自爆攻撃で負傷し、娘のスィダル・チェヴィキさんは二人の目の前で悲劇的に命を落とした。

■大学生のエリフさんは先に家族に会っていた

 労働党アイドゥン県のウミト・カンルオール県執行部長の娘エリフ・カンルオールさんも、攻撃で亡くなった人々のひとりである。エリフさんはメルスィン大学外国語短大2年生で、集会に参加するためまず家族のもとに立ち寄って、その後バスでアンカラに向かった。

■マラティヤから来たグループより5人

 爆発で命を落とした人々のうち5人はマラティヤから来たグループに属していた。合同運送組合のカスム・オトゥル元組合長、共和人民党(CHP)マラティヤ青年部のメンバーであるエレン・アクンさんとギュルバハル・アイデニズさん(31)、オヌル・タンさんとジャンベルク・バクシュさんが爆破攻撃で亡くなった。グループの9人については、情報を得られていないと伝えられた。

■妻と訪れていた

 アンカラでの集会にメルスィンから参加した人は多かった。バスで首都アンカラに来た人々の中に合同運送就業者組合のメンバーで機械工のベルゲン・パルラクさん、 同じく機械工のユルマズ・エルマスジャンさんと、昨年結婚した妻で教師のギュルハン・カルル・エルマスジャンさん、労働党メンバーであるシェブネム・ユルトマンさん、HDPメンバーのハジュ・メフメト・シャーさんと共にピール・スルタン・アブダル文化協会の運営委員会メンバーで3人の子供の父であるメティン・ペシュメンさんも亡くなった。

■後には平和のセルフィーが残った

 イスタンブルで暮らしていた大学生のディジレ・デリさんとその友人たちは一昨日に歌や民謡を口ずさみながら首都に向かって出発した。ディジレさんはバスで撮影された写真を「私たちはアンカラに平和をもたらしに行く」とのメッセージと共にソーシャルメディア上に投稿したが、爆破攻撃で命を落とした。

■HDPの候補者も亡くなった

 爆発ではHDPのイスタンブル第一地区16位候補のキュブラ・メルテム・モッラ氏とHDPのイズミル県カルシュヤ郡アイシェ・デニズ郡支部長も死亡した。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:38886 )