サウジ大使、パキスタン・メディアを仰天批判「なぜミナーの惨事を誇張するのか」
2015年10月07日付 Jam-e Jam 紙

【ジャーメ・ジャム・オンライン】パキスタンの各メディアがミナーでの惨事に関する報道やサウジ批判をめぐって、同国政府から受けている警告を無視していることを受け、駐パキスタン・サウジ大使は同国メディアの行動を批判し、「彼らはミナーでの惨事を誇張している」との主張を展開した。

 アブドゥッラー・アル=ザフラーニー大使は、ウルドゥー語紙「ナヴァイ・ヴァクト」とのインタビューの中で、パキスタンの各メディアがミナーでの惨事に関して次々と広範囲に及ぶ報道、リポート、論説などを伝えていることを批判し、「〔‥‥〕パキスタンの各メディアはこの問題を誇張している」と主張した。

 同氏は、サウジ政府は巡礼者に対する安全の確保や便宜の提供で、いかなる努力も惜しんではいないとの主張を展開した上で、「調査が完了し、最終的な報告が用意されれば、ミナーでの事故の真の原因が明らかになるだろう。しかし調査が完了して結論が得られる前に、意見を言うのは控えるべきだ」と話した。

 アル=ザフラーニー氏は、パキスタンの各メディアは「不要」なことに、ミナーでの惨事を誇張しようとしており、この惨事が起きたまさに初日から、事故原因を群衆の〔過度の〕密集と「ジャマラの石投げ」儀礼の過程での〔サウジ政府の〕「無策」にあると〔確たる根拠もなく〕報じていると指摘した。

 パキスタン政府はこれまでのところ、ミナーでの惨事に関し、サウジ政府に抗議の姿勢を何ら示しておらず、この件でのサウジ政府の発表を信頼していると表明してきた。その上で同政府はパキスタンの各メディアに対し、メディアもこの惨劇に対しては沈黙するよう、警告を発していた。
 
 パキスタンの各メディアで伝えられているさまざまな報道によると、同国の多くの家族がミナーでの惨事が発生して以降、巡礼のためにサウジを訪れた親類と連絡を取ることができずにおり、安否を大いに懸念する声が上がっているという。
 
 こうした家族は死者数や行方不明者数についての正確な発表がないことに関し、パキスタン政府を批判している。

 パキスタン政府は、自国のメディアに対し、ミナーでの惨事に関して批判的なリポートやインタビューを伝えたり、サウジを批判したりすることはやめるよう、公に警告を発している。

 パキスタン上院は昨日午後、ミナーでの惨事に関する会議を同国の宗務担当顧問大臣出席のもとで開き、この惨事の詳細やパキスタン人犠牲者の数について説明を求めた。その上で、巡礼の儀礼を開催するにあたってのサウジ政府の杜撰な管理や、パキスタン政府がこの惨事で亡くなったパキスタン人犠牲者の正確な数を提示できずにいることを、強く批判した。

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( 翻訳者:TM )
( 記事ID:38908 )