G20、台所の舞台裏
2015年11月22日付 Milliyet 紙


G20サミットの枠組みで、世界でも重要なリーダーたちをもてなしているアンタルヤで、セキュリティ対策の知られざる詳細は厨房にあった。リーダーたちの食事は特別な警備の元で準備された。味見をせずに供されることはなかった。サミットの台所からの特別な報告は以下の通り。

サウジアラビア、アブドルアズィズ・アル・サウード国王:海産物は食べなかった
ロシア、ウラジミール・プーチン大統領:外では水すら飲まなかった
IMF、クリスティーヌ・ラガルド専務理事:お酒は飲まなかった
ドイツ、アンゲラ・メルケル首相:フランスワインを飲んだ
ブラジル、ジウマ・ルセフ大統領:イスケンデル・ケバブを食べた
インド、ナレンドラ・モディ首相:ベジタリアンである
欧州委員会、ジャン=クロード・ユンケル委員長:アスパラガスとほうれん草を食べない

■食卓に届くまで料理には監視

サミットが行われるレグナム・カーヤ・ホテルでの昼食と夕食は、ホテルの厨房で作られた。アメリカのオバマ大統領、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領、ロシアのウラジミール・プーチン大統領、サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドルアズィズ・アル・サウード国王のための食事が用意される際、特別な担当者も厨房に同席した。食事は、皿に置かれるまで特別な警備によって監視され、すべての段階で味見が行われた。個包装の製品は警備の監視のもと開封された。ホテルの別荘やプレジデンシャル・スイートに滞在するリーダーたちのために、あらゆる種類のリラクゼーションが用意された。特別なコックと使用人の付くプレジデンシャル・スイートでは、客が希望すれば執事もつけられた。エレベーター、さらには階段すらホテルから離れているプレジデンシャル・スイートへの通行は、パスワード付きのカードで行われた。

■メキシコからチーズを持参

メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領は、ドイツとスペインの首相とは反対にホテルの別荘に滞在した。メキシコ代表団は祖国から持参した乳製品を使いたがる一方、メキシコの国民的チーズである「コヒタ」が食卓から欠けることはなかった。メキシコの担当者らは、ベリス・ホテルの厨房クルーに宅配料理をどのように作らなければならないかを指示した。メキシコ側は食事にメインのレストランではなく、別荘に付属するレストランを使用した。

■プーチン大統領には味見係1人、コック6人、ウェイター3人

ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、マックス・ロイヤル・ホテルの巨大な別荘での滞在を選択した。同行させたコックと給仕係はホテルの厨房のクルーとともに食事を用意した。担当者らは支度の際にも給仕の際にも同席した。チームにはコック6人、味見係1人、ウェイター3人がいた。
料理はプーチン大統領に提供される前に味見係の確認を経た。料理のすべての食材はホテルから調達される一方、メニューではロシア料理が好まれた。プーチン大統領は他国のどのリーダーのそばでも食事はせず、飲み物も飲まなかった。

■イルハム・アリエフ大統領はレストランに

マックス・ロイヤル・ホテルに滞在するブラジルのジウマ・ルセフ大統領は、朝食以外の全ての食事でトルコ料理の前菜とイスケンデル・ケバブをやめなかった。同じホテルに滞在したもう一人のリーダーであるアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は、ホテルの全てのレストランに姿を現した。アリエフ大統領が警備もつけずに食事に行ったことが注目された。

■スペイン首相はビュッフェ

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ベリス・ド・リュクス・ホテルに滞在した。メルケル首相は、自身に割り当てられた別荘ではなくホテルの本館のスイートルームでの滞在を選び、サミット当日にベレキに来たため、前日の深夜午前1時にようやくホテルに入った。メルケル首相は、ホテルのロビーでドイツ代表団とともに朝3時まで座って談笑し、モルチェボルドーのワインを3杯飲んだ。メルケル首相は朝食に数種類のチーズと卵を食べることを好み、コーヒーを決して欠かさなかった。ホテルにはスペインとメキシコの代表団も滞在していた。テーブルは各国の小さな国旗で飾られ、区別された。スペインのマリアーノ・ラホイ首相もメルケル首相と同様、ビュッフェを利用し、代表団とともに朝食をとった。

■犬ににおいをかがせる

カリスタ・ラグジュアリー・リゾートに滞在したオバマ大統領のために、厨房の従業員とウェイターがアメリカから連れてこられた。ホテルのコンセプトレストランの1つであるこの厨房は、これらのメンバーに何日も前から委ねられた。ドアも常に施錠された。アメリカの担当者ら以外、ホテルの従業員も含めだれも中に入れなかった。これらの食材は犬ににおいを嗅がせることも含めあらゆる確認がおこなわれるため使われた。ホテルの従業員は厨房にもオバマ大統領の滞在している階にも入れなかった。

■インドの衣装でベジタリアンの首相を出迎え
スパイス・ホテル&スパ・ホテルの女性従業員は、絹のサリーを着てインドのナレンドラ・モディ首相を迎えた。ホテルの従業員らには、インド文化の教育が行われた。モディ首相はサミットの期間中、インドオリジナルのディテールで装飾された「プレジデンシャル・スイート」ルームで歓待された。インド人コックとともに特別なビュッフェが準備された。スパセンターにはインド人のセラピストが配属された。ベジタリアンであるインド首相のために、料理は担当者らの監督のもとホテルの厨房の従業員によって作られた。

■誰が何を嫌いなのか

サウジアラビア、アブドルアズィズ・アル・サウード国王:海産物は食べず、肉を好む。
シンガポール、ホー・チン首相夫人:ラム肉を食べない。
アメリカ、ジャック・ルー財務長官:ユダヤ教の戒律に従った食事をとっている。魚や肉は食べず、これらを油で調理したものも食べない。
インド、ナレンドラ・モディ首相:厳格なベジタリアンである。
IMF、クリスティーヌ・ラガルド専務理事:赤身の肉は食べない。鶏肉や魚を好む。酒は飲まない。
欧州理事会議長、ドナルド・トゥスク議長:魚と海産物は食べない。
日本、麻生太郎財務大臣:牡蠣は食べない。
欧州委員会、ジャン=クロード・ユンケル委員長:アスパラガスとほうれん草は食べない。

■快適に過ごすゲスト

イタリアのマッテオ・レンツィ首相、カナダのジャスティン・トルドー首相、イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相は、エラ・ホテルに滞在したが、特別な要望はなかった。3人とも、ホテルの本物のトルコのモチーフで覆われたクシュハーネ・レストランのビュッフェで朝食をとり、レストランのテラスで良い天気の元コーヒーを楽しんだ。代表団とともに会議を行ったリーダーたちは、夜にルームサービスからも軽食を注文した。

■オバマ大統領のためにエルドアン大統領の隣の予備の別荘

カリスタ・ラグジュアリー・ホテルに夜滞在したオバマ大統領のために、エルドアン大統領が滞在するレグナム・ホテルのクラウン・ヴィラのすぐ隣の2つの別荘が用意された。オバマ大統領はサミットの間これらの別荘で2者会談を行い、しばしば短い休憩をとった。レグナム・カーヤ・ホテル内のゴルフ棟は、オバマ大統領のために割り当てられ、数日前から警備の元に置かれていた。サミットの際時折姿の見えなかったオバマ大統領が、この別荘とゴルフクラブにいたことが後に明らかになった。同様にサウジアラビアのサルマン国王のためにもレグナム・カーヤ・ホテルの執務室と別荘が割り当てられた。このオフィスと別荘は持参した物を備え付けられ、新たにデザインされた。

■ホテルにミサイル迎撃ミサイルが配備

レグナム・カーヤ・ホテルはサミット用のホテルであるため、大統領府によって特別な警備が行われた。アンタルヤ警察はホテルの外で対策にあたり、1000人近い警備員がついた。ホテルの従業員エリアを含め全ての場所でほぼ3歩に1人の警察官がいた。ホテルに特別にミサイル迎撃ミサイルが配備された。屋根にもスナイパーがおり、海上からも厳重な警備が行われた。メルケル独首相と韓国大統領が一時寒がったため、全ての空調システムが彼らに合わせて調整された。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:39208 )