イスラエル:少年焼殺事件の裁判所判決にパレスチナ人が抗議
2015年12月01日付 al-Hayat 紙
昨日(11月30日)占領下エルサレムのイスラエル中央裁判所の外で息子の写真を掲げるアブー・フダイル少年の両親(AFP)
昨日(11月30日)占領下エルサレムのイスラエル中央裁判所の外で息子の写真を掲げるアブー・フダイル少年の両親(AFP)

■アブー・フダイル少年殺害で2人のイスラエル人未成年者に判決、主犯格の判決は先送り

【ナザレ:アスアド・タルハミー】

パレスチナ人らは昨日(11月30日)、占領下エルサレムにあるイスラエル中央裁判所が同日発表した、少年焼殺事件の判決に抗議した。同事件は、昨年、エルサレム出身のムハンマド・アブー・フダイル少年が誘拐され、生きたまま焼殺されたというものである。パレスチナ人らは裁判所の決定を、司法機関がアラブ人に対しては過激、ユダヤ人に対しては寛容という二重基準で量刑している証拠と見なした。

裁判所は昨年7月、アブー・フダイル少年殺害容疑で、2人の未成年に対して、名前を非公開とした上で有罪判決を下したが、3人目の主犯格の容疑者の判決は見送った。彼は入植者のヨセフ・ハイム・ベン・ダヴィッド(31歳)で、「精神鑑定の結果待ちである」。

最後の瞬間になって、ベン・ダヴィッド容疑者の弁護士は、同容疑者が裁判を受けるだけの理性能力を持っておらず、刑事責任能力を有する精神状態にないと証明する診断書の提出を決定した(AFP)。これに対して、裁判官らは笑いながら、「もし裁判所の決定が2か月前に発表されていれば、あなた方は2か月前に診断書を持参しただろう」と言った。

少年の父親であるフサイン・アブー・フダイル氏は、裁判所による主犯格の判決先送りの決定を「ばかげた話」とし、裁判所が3人の犯罪者を釈放する可能性も否定できないと見ている。また、裁判所の建物の中で、「私と妻の精神状態は非常に悪く、毎日睡眠薬を飲むようになった。私たちは毎日息子のことを、彼がどのように生きたまま焼かれたのかを考えている」と語った(AFP)。

さらに同氏は、「裁判所は3人のイスラエル人が行った残虐な犯罪を非難していない」と付言し、以下のように続けた。「イスラエル人犯罪者はイスラエル人の下で寛容に扱われる。我々はネオ・ナチ犯罪者らの家を破壊することを要求している。ちょうど彼らがパレスチナ人を追い払おうとその家を破壊するように。しかし最高裁判所はユダヤ人の家を破壊しないと言った。というのも、それは抑止力にならないからだという」。

(後略)

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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:39292 )