ロシア天然ガス「トルコ・ストリーム」頓挫、期待はアゼルバイジャンルート
2015年12月05日付 Milliyet 紙


ロシアとの間で起こったロシア軍機撃墜事件の後、引き伸ばされた最も重要なプロジェクトは、「トルコ・ストリーム」天然ガス計画となった。

 トルコ・ストリームの先行きの不透明さを受け、トルコはアゼルバイジャンと共同で進めているTANAP(トランス・アナトリア・パイプライン)計画を推進した。政府はアゼルバイジャンのガスを2018年にトルコへ輸送することを見込むプロジェクトを推進するため行動に出た。バクーでアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領と会談したアフメト・ダヴトオール首相はこう述べる。「TANAP計画は予定した2018年ではなく、もっと早期にこれを実現させるために合意した。」
 
 2014年12月、トルコ・ストリームは、ロシアのウラディミル・プーチン大統領がアンカラのエルドアン大統領を訪問した後に発表された。この計画は2016年に開始されることが予定されていた。プーチン大統領はヨーロッパに反対の意を表してウクライナ・ルートを断念し、トルコ・ストリームに重点を置くと明らかにした。ロシアメディアが用いた名前がパイプラインの正式な名称となった。ロシアはプロジェクトに関しターキッシュ・ストリームの略語からロゴを作成した。

 プロジェクトに対し、アメリカとEUからは意義が唱えた。アメリカは「プロジェクトは完全に政治的目的を帯びている」とし、ヨーロッパ諸国はこのプロジェクトに距離を保った。トルコの協力を得たロシアは船を海に下ろした。トルコの選挙によってプロジェクトの不透明さが現れた。トルコ側からの天然ガスの価格値下げ要請に対し、ロシアは、トルコ・ストリームを持ち出してきた。暫く滞っていた計画は、ロシア軍機をトルコ軍が撃墜したことにより、深刻な打撃を被った。政府が明かした今朝の出来事は、そのほかのエネルギープロジェクトと同様に、トルコ・ストリームの運命も議論を生むことになった。

 ガスプロム社CEOアレクセイ・ミレイ氏はトルコ・ストリーム関連の会合がストップしたと明かした。しかし2国間の大きな危機にも関わらずこのトルコ・ストリーム、正式にはお蔵入りしていない。

 パイプラインの容量は年に630億立方メートルであった。トルコは、この計画によって1年におよそ140億立方メートルの天然ガスを購入して、残りの490立方メー トルをヨーロッパに輸出する予定であった。またプロジェクトのために海底に900キロメートルのパイプが敷く予定であった。このプロジェクトによりトルコは天然ガス確保が今後保障されるよう目指していた。

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( 翻訳者:進藤鮎花 )
( 記事ID:39322 )