SNSは家族関係を脅かす「競争相手」(2)
2015年12月16日付 Jam-e Jam 紙

 さて、次に別のケースを想定し、上記とは異なった夫婦を紹介しよう。もし「感情面での離婚」〔※夫婦関係の感情面での破綻のこと〕が夫婦間に生じ、彼らの間で交わされる言動に寒々とした関係が覆うようになると、〔‥‥〕総体的に言って夫婦間の穏やかな関係は失われ、〔さまざまな人が入り乱れる〕SNS上の雑踏が、異性間の各種関係にとって潜在的に格好の場、「用意された場」となる。こうした場のもつ危険性の多くは、残念なことにいまだ表面化しておらず、深刻に捉えられていない。

 SNSについては、結論として次の点が指摘できよう。すなわち、こうした社会的空間では画像や映像を簡単に送ることができることから、〔SNS上でつながった人たちについて〕「何でも見」「何でも知る」ための格好の環境が用意されており、家庭や家族の愛情関係に取って代わるような環境が、潜在的に、またつねに用意された形で準備されている、ということである。

 こうしたことから、バーチャルな社会空間は今日の社会が抱えるさまざまな不快な感情や不安、そして多くの問題を表明するのにきわめて都合のよい場所だと指摘することができる。

 こうした中、このようなネットワークの肯定的な側面を知っていると考えている人たちの中には、親族の人たちの間の情報交換のためのグループを立ち上げ、こうした空間を一種の「親族間の相互訪問のための機会」とする人もいる。

 しかしこれまで観察されてきた限り、こうしたことがもたらす副産物として、〔グループの参加者が〕親族の人たちの個人的問題に立ち入ったり、こうした言わばファミリーなネットワークで〔収入や暮らし向きなどをめぐって〕見栄の張り合いをしたりすることで、〔親族間の〕関係が悪化してしまうこともありうるのである。

問題に対する心理学者の意見

 この問題に関し、大学教授で心理学者の一人は、バーチャルな社会が家族関係に対して演じている役割について、次のように指摘している。すなわち、こうしたネットワークは人生のここぞというときに危険なものとなり、けんかをしたり仲違いをしたようなときに個々人の〔心の中に〕生じるすき間を埋めることで、夫婦関係を困難に陥れる可能性がある、というのである。

つづく


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( 翻訳者:MO )
( 記事ID:39623 )