ディヤルバクルでPKK爆弾テロ、5名死亡
2016年01月14日付 Milliyet 紙


ディヤルバクルのチュナル郡で警察官1人が殉職、生後5か月の赤ちゃん、1歳、5歳の子供を含む5人が死亡した襲撃の詳細が明らかになりつつある。ディヤルバクルでの襲撃が遠方からのコントロールによるものか、自爆攻撃かといった疑問にも答えが模索されている。

警察官の妻、エスラ・キョセ・バシャランさんの遺体が今朝発見された。

殉職した警察官、メフメト・シェノル・チフトチさんの生後5か月の娘も犠牲に。

攻撃でアチュクギョズ家の家も崩壊、ロクマン・アチュクギョズさんはエジリンちゃん(1歳)とサドゥク・エフェくん(5歳)を亡くした。

昨夜ディヤルバクルのチュナル郡で、PKK(クルディスタン労働者党;非合法)のテロリストが強力な爆弾を積んだトラックとロケットランチャー、自動小銃で郡警察署と宿舎、憲兵駐屯地を同時に襲撃した。また、別のPKKグループが自動小銃で郡境の憲兵駐屯地も襲った。爆弾を積んだトラックが、警察署と宿舎の入口2か所のうち宿舎側入口で遠隔コントロールにより起爆されると、衝撃と煙で一帯は地獄絵図と化した。

 襲撃で警察官のメフメト・シェノル・チフトチさんが殉職、ほか警察官の妻と子供を含む5人が死亡、43人が負傷した。事件に関連して容疑者2人を拘束する一方で、襲撃者を逮捕する作戦が開始された。爆発で建物は廃墟と化し、同郡の人々には地震のように感じられた爆発が引き起こした被害の大きさが夜明けとともに明らかになった。

■アチュクギョズ家の家屋が崩壊

 爆発で警察署の建物が被害を受けた一方で、警察宿舎と隣にあるアチュクギョズ家の2階建て家屋の壁が破壊された。建物数件から火の手が上がり、一帯の多くの建物に被害が出た。爆発の後、ロケットランチャーと銃身の長い銃で警察署と宿舎を銃撃したテロリストらに対し治安部隊が即座に応戦したため銃撃戦が発生。約40分にわたる銃撃戦の後、テロリストは逃亡した。チームはすぐ警察署と宿舎、壁を破壊された隣家で捜索・救助活動を開始、間もなく瓦礫の下から救出された6人が直ちに病院へ搬送された。

■3人は赤ちゃんと子供

 捜索・救出活動では、宿舎で殉職したメフメト・シェノル・チフトチさんと、その5か月の娘・メヴリュデ・イレム・チフトチちゃんの遺体が見つかった。また、宿舎の隣、壁を破壊された家では、瓦礫の下からロクマン・アチュクギョズさんと5歳の息子・サドゥク・エフェくんの遺体が発見された。アチュクギョズ家のうち、ディジレ大学医学部病院に搬送された重体のエジリン・アチュクギョズちゃん1歳も、医師の治療もむなしく助からなかった。

■フェイスブックで共有していた

 襲撃で殉職した警察官メフメト・シェノル・チフトチさんの子、メヴリュデちゃんも命を落とした。チフトチさんはソーシャルメディアで娘とともに撮った写真を共有していた。

■警察官の妻の葬儀

 早朝から警察による事件現場への詳細な捜査が行われる一方、10時からは壁が崩壊した宿舎のひとつで警察官の妻のエスラ・キョセ・バシャランさんの遺体が見つかった。最後に発見された遺体でテロ襲撃による死者の数は6人となり、負傷者の数も43人と発表された。大きなショックで目覚めることとなった郡内の人々は、 家々や職場の被害復旧を進める一方、テロを非難する言葉を口にした。爆発のあった地域に近いとある場所では、家屋に被害を受けた女性が号泣し、近隣の人々になだめられていた。

■民主的諸地域党(DBP)の建物にも銃撃

 爆弾を積んだ車両によるPKKの襲撃後、チュナル郡では夜、民主的諸地域党(DBP)の建物に何者かが放火した。二階建ての建物の下にあるクルド語研究向上協会(キュルディ・デル)・DBP郡本部建物は消防隊により消火されたものの、建物は使用不可能となり、荷物が焼けているのが見られた。

■遠隔コントロールなのか、あるいは自爆テロなのか?

 ディヤルバクル県警のアドナン・タシダン本部長はチュナル郡に向かい、イスマイル・シャンル郡長とともに襲撃のあった警察署とともに被害のあった建物で調査を行った。関係筋は爆弾を積んだトラックが遠隔コントロールなのか、あるいは自爆攻撃なのかについては未だ明確にはせず、治安カメラと郡の交通監視カメラによる映像を精査した後に状況判断すると語った。

■モスクや学校でも被害

 強力な爆発により、約500m離れた家々や職場でもガラスが割れた。警察署の建物から200m離れたイェシル・モスクもガラスが爆発で全て壊された。テロリストの自動小銃による襲撃でモスクの壁には多数の銃弾が撃ち込まれた。

■終末のような爆発で家から出られず

 爆発のあった場所の真向かいにあるズベイデ・ハヌム幼稚園も、ガラスと窓枠が完全に壊され、幼稚園にある「平和クラス」も爆発で被害を受けた。

事件現場の近隣住民は、「終末のような爆発で、家の玄関や窓ガラスが揺れた。爆発の後、50分近く銃撃戦が続き、夜明けまで家から出られなかった」と語った。

■無言のデモ行進で抗議

 PKKの襲撃に抗議するため、公正発展党のチュナル郡支部の前に集まった約200人の党関係者がデモ行進を行った。党の建物から警察署の前まで無言で行進するグ ループを率いた公正発展党のメフメト・アリ・アルズ郡支部長は、「テロは恥ずかしく、危険な側面を示した」と述べ、次のように続けた。

 「昨夜私は家にいたが、そのとき警察の建物を炎が襲った。6人が亡くなり、負傷者は39人もいる。すぐに消火活動できていれば、消防車に梯子があれば、 同胞たちは死なずに済んだのだ。亡くなった方々は煙に毒され、火で焼かれ死んでいった。かの蔑むべき者たちに告げる。私は65歳になるが、もう300歳のようだ。私たちの郡を荒らしている者たちは外国の手先だ。彼らは自らの流した血で自らが溺れるだろう。重い代償を払うことになる。クルド主義の名のもと、子供、赤子、女性を殺しながらこのような活動を続けることなど出来ない。このような活動を支持する者にも声を上げたい。彼らを支持するな。彼らの子どもたちはヨーロッパで学んでいる。だが、彼らは我々の子どもたちの通った学校に放火しているのだ。過去に犯した過ちを罪もない人々に向ける意味などない。」

 このように話した後、公正発展党のグループは無言で解散した。

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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:39657 )