パン、こっそり値上げ
2016年01月16日付 Milliyet 紙

人々の生活必需品であるパンへの値上げが続いている。イスタンブルでは、250グラムのパンが1リラから1.25リラへと値上がりした。小麦の生産が記録的に増している時期の25%の値上げに対し、人々は「最低賃金を上げた代償を、パンから取っている」と不服感を示した。

世界中で食料品の価格が下がっている一方で、トルコで野菜や果物にまで及んだ新年の値上げが、パンに至っては“最高価格が”適用されている。昨年1.25 リラへの値上げが計画されたパンの価格は、反対意見を考慮し1リラのまま据え置かれ、最も高くて1.25リラであるとして発表されていた。しかし新年を迎えてすぐ、イスタンブル・パン製造業者組合がパンに25%の値上げを実施し、1.25リラにすると発表した。昨年の間は、商業会議所に所属しているパン屋が適用した1.25リラに対し、パン製造業者組合に所属するパン屋は1リラでの販売を維持していた。イスタンブル・パン製造業者組合会長のファフリ・オゼル氏は、「はい、値上げをしました。しかし、新しい価格をお伝えしていませんでした。本来であれば、昨年行われるべき値上げでしたが、県知事の反対を受け、実施していませんでした」と述べた。
食糧農業畜産省のファルク・チェリキ大臣は、2015年の終わりに行った発表で、パンへの値上げに関する情報が事実ではないことを述べ、年内に値上げされることはないと話していた。

■“良い地区では1.5リラ“

1.25リラがすでに決定した価格であることを述べたオゼル氏は、この価格は2年もの間適用されるべきであったにも関わらず適用されてこなかった価格であったと話した。“より良い地区”として示されたサルエル、ベシクタシュ、ウスキュダルといった地域での価格は1.5リラであると述べたオゼル氏はまた、 「パン製造業者組合がどんな価格を発表しようと、我々の組合に加盟しているパン屋はこれに従う必要があります。しかし商業会議所に加盟しているパン屋は別です。彼らは1.5リラだと言っているのです」と話した。

■1キロ5リラ

パンの最高価格は、2015年末と新年を迎えてすぐにアンカラ、アンタルヤ、アイドゥン、サムスン、ビレジキといった多くの地域で、1リラとして設定され始めた。75クルシュであったパンが1リラに値上げしたことについては、“以前からあったが適用されていなかった値上げ”として示された。トルコ・パン製造業者連合の代表を務めるハリル・イブラヒム・バルジュ氏は、「たとえばアンカラは、もっと前から1リラになっていました、つまり値上げしていたのです。ですが75クルシュで販売していた人もいました。今はその人たちも1リラとしました。我々は単に2016年について『1.25 リラにはならない』と言ったのです。非常に大きなサプライズでも起こらなければ、2016年はこのままでいきたいと考えています。1キロあたりの価格については5リラを超えることはありません」と述べた。

イスタンブル商業会議所(İTO)パン、小麦および小麦を使用した製品に関する職業委員会の副委員長であるハリト・ギュネイ氏は、İTOには価格設定の権限や、責任がないことを述べ、組合員であるパン屋が明らかにした価格への基準を以下のように調整したと説明した:
「皆さんが商業会議所に価格を尋ねた際、皆さんに‘A4サイズの用紙にパンの重さ、原材料、価格が書かれます。またお客様が見える形でその紙を掲示します’との返答がなされました。皆さんがこれらに順に書き込み、ふさわしいと思われる価格が1.25リラなのであれば、我々はそれを採用します。」 

■「酵母製造業者はカルテルをつくった」

ファフリ・オゼル氏は値上げがもはややむをえないこととなったことを主張する一方、値上げの重要な理由の1つが“酵母”であるとした。以前、トルコにある4つの酵母会社のうちの1つが大企業によって買収されたことにより、3つの会社が残っていることを説明したオゼル氏は、「酵母製造業者はカルテルを形成した。1日で 3つの企業が一斉に50%もの値上げをした。言うは易く行うは難し、50%の値上げの負担がどこにいったと思いますか、酵母会社に行けばよかったのに」と述べた。

■「最低賃金は私たちのお金」

国民は、パンの値上げに反発している。パンやでは特にここ2-3日、突然の値上げに気が付いた人々が1.25リラのパンは“あまりにも”高いと主張している。ベイオール地区でも適用され始めた値上げ価格を「最低賃金を我々のお金から出そうとしている」としたレジェプ・ジェレン氏は、「新年を迎えるたびに、私たちは恐れています。値上げばかりが行われています。人々はパンでお腹を満たしています。25クルシュだと言って終わらせないでください。1リラを持ってやって来て、残りの25クルシュを用意できない人々にはなすすべがありません」と語った。

■小麦生産、記録を破る

パンの原材料が原因であるとして行われる値上げだが、発表された情報によれば、事実を反映していない。トルコ農業協同組合は、2015年の穀物製品の生産が、2014年に比べて18.1%増加し、3,271万4千トンから、3,863万7千トンとなったことを発表した。2014年と比較すると、小麦の生産は10.9%増加し、2,260万トンとなった。国際連合食糧農業機関(FAO)は、グローバルな食糧市場について、年に2回発表している農業予測報告書で、今年の小麦生産で最も増加が見られるのはトルコであると述べた。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:39663 )