レバノン国会、大統領選出に34回目の挫折
2016年01月09日付 Hamshahri 紙


 レバノンの国政政党は、またも大統領を選出できなかった。同国国会は大統領選出するための会議を日程に組んだが、定員数に達しなかったため、バフマン月19日[2016年2月8日]に延期することとした。

 ヒズブッラー[ペルシア語音ではヒズボッラー]の関係議員や少数派のミシェル・アウン氏が代表を務める自由国民潮流の議員は、大統領選出のためのレバノン国会特別会議をボイコットした。

 アルジャジーラの記事を引用したイラン学生通信によると、この会議には36名の議員しか出席しなかった。大統領選出には、少なくともレバノン国会議員の3分の2、つまり128名中86名の議員が出席していなければならない規定がある。

 3月14日連合と3月8日連合の2大勢力間の対立の一部の解消とレバノン大統領についての2者の見解の接近について公表された情報をふまえると、今回こそ国会の会議が開催され、ある程度、問題が前進するのではないかとの気運が高まっていた。

 最近では、ムスタクバル潮流[訳注:党名]が、「スレイマン・フランジーヤ氏を大統領に選出する法案」について、これを基礎としてサアド・ハリーリー元首相を政権に復帰させ、引き換えにヒズブッラーへ特権を付与すると述べている。この法案は、まだ正式に発表されていない。

 この特別会議は、イランとサウジアラビア関係の緊張について、ヒズブッラーとムスタクバル潮流との間で新たな緊張が生まれている状況で34度目の延期となった。

 レバノン国会議長ナビーフ・ビッリー氏は、この緊張の結果、大統領選出のプロセスが新たな停滞期に入ってしまったと表明した。またビッリー氏は、「サウジアラビアとイランの危機は、大きな結果をもたらすだろう。」と強調した。

 ビッリー氏は更に「大統領選出に奮闘した後、我々が最も望むものは、対話の維持と継続だ。しかし、最適な状況下での大統領選出は、今のところ不可能である。」と述べた。

 これに関連して、レバノン首相タンマーメ・サラーム氏は、レバノン国連事務局長シグリッド・カーグ国連特別調整官と共に、「国家の必要性が切迫する中、レバノンの安定強化に至る努力、つまり大統領の不在を終わらせる国家規模の重要案件」について検討した。

 レバノン国会は、同国前大統領であるミシェル・スレイマン大統領の任期が終了した2014年5月25日から法律で定められた新大統領選出のための定足数に達していない。

 3月14日連合は自らが支持する候補者をサミール・ジャアジャア氏と発表しており、3月8日連合(ヒズブッラーとその同胞)は、元首相であり同国議会の現職議員であるミシェル・アウン氏を支持している。

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( 翻訳者:HK )
( 記事ID:39730 )