イランの地下水汲み上げ量が倍に
2016年01月09日付 Hamshahri 紙


 オルミエ湖再生本部長イーサー・キャラーンタリー氏は、一方で地下水の再生可能性が大きく制限されながら、他方で地下水取り入れが注水の2倍の量となっていることを指摘し、以下のように述べた。「我が国の化石水[訳注:氷河期に蓄えられた地下水]の総量の内、1800億立方メートルが淡水であった。我々はこの数年間で、その内の1300億立方メートルを取水し、結果的に国の地下水再生能力は、現状330億立方メートルに達している。そして現在、取水は610億立方メートルである。このような取水のやり方は、実に嘆かわしいものである。」

 オルミエ湖再生本部広報の報告で示されたように、キャラーンタリー氏はこの問題について説明しながら、次のように強調した。「水の問題は全ての事柄を包括しており、我々はこの公権に対して答える義務を負っている。それ故、専門外の農業や農作物への支援を口実に、政治的配慮あるいは公益を鑑みた許可を出すことはできない。」

 同氏は、湖が干上がる主な要因について述べた。「湖が干上がる過程には、18%の割合で降水の減少が、82%の割合で管理不行き届きが影響している。今日我々には、湖から奪われている水を取り戻す義務がある。」

 オルミエ湖再生本部長は、自身の演説の中で、ザーブ川の水を引く水路掘削のため、4500万ユーロ[約59億円]相当のトンネルボーリングマシン(TBM)2台の購入といった、本部の重要な対策に付随する部分について述べ、このように続けた。「トンネルボーリングマシンの一機が据え付けされ、これまでに650メートルのトンネルが掘削された。作業の進捗をより早め、計画に従い98年[イラン暦1398年/西暦2020年]にザーブ川の水をオルミエ湖に引くことができるように、もう一機も早期に輸入される。」

 同氏は、ザッリーネ川・スィーミーネ川連結計画の完了と、2億立方メートルの水をオルミエ湖へ導くスィールヴェ・ダム建設計画が97%進捗したことについて言及し、またチェラーゲ・ヴィース・ダムとジャルドヤーン水路の施工段階に関して高い評価を与えながら、次のように述べた。「昨年実施した潅木の植樹は、地域内の風塵の発生率を約20%抑制している。」

 キャラーンタリー氏は、無認可井戸を閉鎖する適切な措置について言及し、次のように述べた。「幸いなことに、東アゼルバイジャン州の1000本の無認可の丸井戸と、西アゼルバイジャン州の300本の丸井戸が閉鎖されている。この措置は、この地方に住む農民の長期的な暮らしを合理的に保護するために実施されている。湖周辺の農家に関して非論理的な弁護を行う反対論は、考慮に値しない。オルミエ湖はイラン国内最大の湖であり、世界2位の塩湖である。この湖の水は塩分濃度が非常に高く、ザッリーネ川、スィーミーネ川、タルヘ川、ガーダル川、バーラーンドゥーズ川、シャフレチャーイ川、ナーズルー川、ズーラー川など多くの河川に養分を与えている。その最深部は、満水時で16メートルである。」

 この湖は渇水の危機に直面して数年が経っており、95%以上の水が失われてしまっている。現在オルミエ湖再生本部は26件の申請許可を受け、承認事項の枠内でこの貴重な水域を救おうと努力している。

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( 翻訳者:8413105 )
( 記事ID:39789 )