中国、対トルコ制裁措置発表―トルコ・ロシア危機を受け
2016年02月13日付 Hurriyet紙

上海協力機構でロシアと同盟を組む中国では、2月15日以降、国内機関からの招聘がない限りはトルコ国民にはビザが発行されなくなる。

ロシア・トルコ間の危機は中国にまで影響している。上海協力機構においてロシアと同盟関係にある中華人民共和国は、トルコ国民に対するビザの適用を刷新。これに伴い、2月15日以降、地元機関(市庁、公共機関)からの招聘なしに中国のビザをとることはできなくなる。

■旅行者数は増加

4年前といえばそれほど昔ではない。トルコはロシアに対して「上海協力機構に入れてほしい」という要望を示し、EUやNATOに替わる新たな同盟関係を模索していた。ロシア、中国、インド、カザフスタン、タジキスタン、キルギスが一堂に会する上海協力機構に向けたこうした密な関心の後、トルコと同機構加盟国の関係はいよいよ発展した。特にロシアや中国との接近は対外貿易にも反映され、両国との関係も急速に拡大した。2000年代初頭にはたった5億ドルだった中国への輸出額は、2013年には35億ドルに到達した。訪問する旅行客の数も5千人から31万3千人に増加し記録を打ち立てている。

中国からトルコへの投資も急増した。世界の大銀行のひとつICBCはテクスティル銀行を買収した。トルコでの高速鉄道の投資、地下鉄、鉄道車両の共同製作計画、上海電気による35億ドルの二施設の火力発電所建設といった重要な投資が持ち上がった。

ところが、トルコによるロシア機墜落をきっかけとした深刻な危機が、みれば中国にまで波及している。この危機が上海協力機構でロシアの同盟国である中国にも影響を与えたのだ。中国はまず最初の措置をビザ取得を困難とする事から始めた。トルコ国民に対する査証システムを一新した。新システムではトルコ国民は個人として申請することができなくなる。また、通商ビザ取得には中国公的機関や中国地方行政機関などからの「招聘」を得なければならない。

■団体ビザでの申請

さらに新システムにより中国国内企業による招聘は無効となってしまう。個人旅行ビザもグループでの申請でのみ認定される。言い方を変えれば、トルコ国民が個人的に中国に観光に訪れる扉は閉ざされた状況だ。新システムは2月15日以降、適用される。

この新システムの裏には、ロシアと中国が昨今結んだ協定に並んで、トルコからロシアへ入国するシリア出身ジハーディストの問題も潜んでいる。

さて、新システムの影響を受けるのはビザのみだろうか?中国の世論における状況はどうだろうか?この問題に関して長年中国で暮らす実業家と面会した。その人物は、一方では、ロシア戦闘機の墜落、そしてもう一方ではトルコでのテロやアンカラ、シュルナク、イスタンブルでの爆発事件のせいでトルコへのイメージが崩れ、 減退していると述べる。同氏は、中国政府が公式会見を行わずとも、トルコツアーを販売する企業に忠告したそうだ。また「ここでは、なんと呼べばよいかわからない緊張状態にある。ビザはその現れだ。貿易関係にも影響が出始めるでしょう」と語った。

■減少は2014年に始まった

ここ数週間、予約キャンセルが相次いでいる。毎年、アンタルヤでキャンプを行っていた中国のスポーツクラブも今年はトルコに来なかったという。中国への輸出は大いに勤しんで35億ドルにまで成長したが、2014年以降は再び下降を始め、2015年時点で23億ドルにまで落ち込んだと推測されている。

中国との貿易でも、ちょうどロシアとの状況と同じく、トルコは多大な赤字を抱えている。輸入額は25億ドル。関係悪化に伴い経済界で輸入額が再び昔日に戻る恐れがある。

トルコは2023年の輸入目標を5000億ドルと明確な数字として発表した。2015年には1440億ドルをどうにか達成した。イラク、シリア、ロシアと思ったら、世界のもう一端にある中国でも縮小すれば、輸入業者の状況は...。トルコ貿易協会(MIT)のメフメト・ビュユケクシ会長はじめ、輸入業者にとって仕事は日に日に難しくなっていく。

■豪華客船観光をピレウスの自由しない

豪華客船観光は観光業界でも最も重要な観光形態の一つだ。市場は350億ドルである。3000万人近い観光客がこの種のツーリズムを好む。豪華客船での観光といえば、世界に3地域。地中海、カリブ海、そして極東である。

こうした地域には観光客が乗船・下船する中心港(ハブポート)が存在する。カリブ海では、マイアミ港である。キューバが解放されると、もう一つ中心地はハバナ港となろう。バルセロナ、シンガポール、香港などもそうした中心港だ。

出港地と寄港地までの距離は短く、かつ夜間停泊できることが重要だ。当然、近くにハブポートがあるのは重要である。つまりバルセロナ港を出た船がトルコに来るということはない。トルコへの船は通常はベネチアやピレウスの港を出港する。トルコの最大のライバルがこのピレウスだ。

この情報は当然、この分野の専門家から得たものだ。彼らがなぜそのように説明したかといえば、昨今、重大な進展があったからである。

ギリシャのピレウス港がつい先日、中国系のCosco Pasificに売却されたのだ。特約協定内の超重要事項の一つが豪華客船港の発展だ。こうしてCosco Pasific社は1億3500万ドル相当の投資を行うことを決めた。そういうわけでこの進展は、イスタンブルを業界の重要な中心地としたいと長年考えている人々や、この問題で長年切望していたプロジェクトを再度、政府に考えさせたい観光関係者は行動を起こした。

部門代表者は、もしピレウス港が本格的にハブポートとなったらイスタンブルがハブポートとなるチャンスはないという見解を示し、「イスタンブルには新しい空港が建設される。旅客は1億5000万人を想定している。この旅客数を得るために、このプロジェクトは重要なポテンシャルを生み出す。プロジェクトはイェニカプで行われるべきだ。ここでは海岸を埋め立てずに港をつくることができる」と述べる。

豪華客船が停泊する港となったバルセロナには40億ドル近い経済的効果がもたらされたことが明らかとなっている。この経済効果は、イスタンブルに当てはめると旅客300万人、40〜50億ドルになると試算される。

専門家によれば、ハブポートとなるための決定を下し投資を開始するのに残された時間は少ない。6ヵ月〜1年以内に動き始めなければ、イスタンブルは大きなチャンスを捨てることになる。

では、ガラタポートをイスタンブルにおけるクルーズの中心港とすることは重要ではないのだろうか?この問いに対する答えはつぎのとおり。

「ガラタポートは中心港にはなれない。ガラタポートに停泊できるのは最大でも3艘。実際にはハブポートには最低でも8艘が停泊するものだ。しかしこのプロジェクトはガラタポートにとってマイナスはない。それどころか価値は上がるだろう。」

イスタンブルに建設されるホテル、飲食店への投資は危機を考えず、増加するばかりだ。この投資をムダにしないには、観光を多角化していくのが条件だ。政府のアプローチはどのようになるのか見守りたい。

■観光に特化した政策を!

アンカラやイスタンブル、シュルナクでは爆発事件。シリアでは戦争、南東アナトリアでも戦争…。それに輪をかけロシア戦闘機の撃墜。最大の打撃は観光に降り掛かった。今年の観光収入合計は40%低下すると考えられており、損失額は総額200億ドルに上ることが見込まれる。イスタンブルを訪れる豪華客船は軒並みキャンセル。特にクシャダシュで10%のキャンセルがあった。非公式とはいえ、ロシアがトルコ観光を停止させたためアンタルヤではパニック状態が起こった。そしてここまでの問題にも関わらず、観光省や首都アンカラから何らの取り組みも聞こえてこない。

トルコに対するこうした否定的なイメージは変化しうるだろうか?部門の代表者によれば、当然、変化しうる。観光関係者らは対策を書状にしたため、アンカラがどうにか動くよう折衝を行っている。

同関係者らは、ターキッシュエアラインの最新のCMは大成功であるとし、一刻も早く「イメージ対策」が開始されることを期待している。そのための対策は次のとおりだ。

「トルコは一刻も早いプロモーションポリシーを明らかにしてほしい。これを政策として明らかにして、国際的なチャンネルを用いてグローバルな組織展開をしてほしい。」

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:39853)