イスタンブルで密造酒、再び
2016年03月05日付 Hurriyet 紙

約4ヶ月前、12人が死亡する原因となった密造酒の販売が続けられている。我々は、イスタンブルのギュネシュリにあるアルコール飲料販売店からペットボトル入りの密造酒を入手した。我々が1リットル20リラで購入した密造酒は、「ボーマ」という名で販売されている。密造酒を購入するには、「ペットボトルを2本、包んでくれないか」という合言葉で十分である。

2015年10月30日、1週間以内にメチルアルコール中毒により12人が死亡したというニュースが報道機関へ入った。保健省は、密造酒が原因で49人が病院に搬送され、23人の治療が続けられていると公表した。入院している患者の一部は、密造酒を飲んだことで内臓が破壊され、また、臓器を失った患者もいることが明らかにされた。病院で治療を受ける患者の何人かは、眼に問題が発生したと明らかにされた。これほど危険であるにもかかわらず、なぜ密造酒を購入したかを問われた人々の唯一の答えは、「とても安いから」である。

■合言葉がある

死亡事件の後、国内のあらゆるところで、治安機関が捜査を行った。多くの人が拘束され、逮捕された。しかし、状況は全く変わらなかった。4ヶ月が経つと、 密造酒を販売する店は再開した。イスタンブルのギュネシュリにあるアルコール飲料販売店で、密造酒の販売が行われているというタレコミがあり、その店に密造酒の購入に向かった。密造酒を購入するための客と店の間の合言葉も明らかとなった。密造酒の購入を希望する人は、店に「そこからペットボトルを2 本、包んでくれないか」と言わなければならない。

■酒は車のトランクに

この合言葉をきいた販売店は、何も聞かず「密造酒」を用意するために屋外へ出る。死亡事件の後、より注意深く行動している販売店は、密造酒を店の前にある車のトランクに保管している。注文を受けた時、車のトランクから密造酒を取り、店内に入る。日常生活で頻繁に使うペットボトルに入れられた密造酒は、新聞紙で包まれた後、袋に入れられる。密造酒は、1リットル20リラで販売されている。

■「前回買ったものは、最悪だった」

我々が密造酒を購入した時、店内にいた他の客も密造酒を頼んでいた。店内の客は、「前回買ったものは、最悪だった。何とか飲みきった。今回の酒が良いものなら、くれないか」と述べた。販売店は一言で答えた:「今回のは最高だ」

■密造タバコ販売店もある

同じ販売店で、密造酒のみが販売されているわけではない。密造タバコを販売する店は、タバコを頼まれた時、カウンターの後ろにある箱を取り出す。そして、袋の下にある密造タバコを客に渡す。この販売店では、正規の酒やタバコの販売も行われている。

■価格が5リラのものもある

同じ地区では、いくつかのアルコール飲料販売店で密造酒の販売が行われている。しかし、それらの店では、ペットボトルではなく、ビンが使われている。海外から密輸したと疑われるアルコール飲料の価格は、5リラから10リラの間で変動する。しかし、これらの店で購入することは、より難しい。監視が厳しくなったために、知り合いの客のみに販売されている。

■28年の刑期が求刑された

イスタンブルで昨年10月に起こった密造酒事件に関して作成された起訴状で、「殺人」や「傷害」の罪で28年の禁固刑が求刑された。密造酒を販売した容疑者が死亡や傷害の原因を与えると予想できるにもかかわらず、その結果を顧慮せずにいたとされた。密造酒と知りながら、客へ10リラで販売したことが述べられた。

■「ボーマ」という名で販売されている

「ボーマ」という名で販売されている密造酒が何であるかは明らかでない。ラクに似ていない密造酒は、黄色である。ボトルを開けると、きついアルコールの匂いがする。ウォッカに似た匂いのある密造酒が何であるかを問われた販売店は、「ボーマ」と答えるのみであった。

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( 翻訳者:白尾みさき )
( 記事ID:39991 )