海外企業、トルコから撤退検討
2016年04月01日付 Cumhuriyet 紙

エルドアン大統領がアメリカの投資家に「トルコを警戒しないで」と呼びかけるなか、ここ1年でエネルギーから小売に至るまで非常に多くの外国企業がトルコ撤退を決めた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、アメリカでの要人訪問の際に、合計すると年商2兆ドルを超える巨大企業の経営者たちと面会し、トルコに招待した。エルドアン大統領はアメリカの経営者たちに、「アメリカ人投資家のトルコの見方が少し後ろ向きになっているのが分かる。これまでにトルコに投資をして後悔したり、不法な扱いを受けたり、稼いだ金を好きなように蓄えることに苦労したビジネスマンはいない。また、トルコに金を残した者もいない」と述べた。

一方ここ1年で、エネルギーから小売、金融からeコマースと様々な業界で活動した外国企業は、まるで落葉が落ちたようだった。非常に多くの外国企業がトルコを撤退または撤退の決定をした。この撤退決定には成長の減速、為替の変動といった経済動向だけでなく、企業内部の動きやグローバル戦略が影響した。

■落葉

トタル(総合エネルギー企業、本部フランス)がトルコからの撤退を決め、OMV(石油関連企業、本部オーストリア)がペトロル・オフィス売却を発表したのに続いて、RWE(エネルギー企業、本部ドイツ)も撤退を検討しているとの噂が流れている。ノルウェーのスタットオイルはトルコ連絡局を6月15日に閉鎖する決定を下した。

トルコにLimangoブランドで参入したeコマースと小売の巨大企業オットーグループは、2015年3月30日にトルコでの事業を終了した。その後すぐにグルーポンも事業展開を終了した。トルコへ投資した最初のロシアの金融機関であるルネッサンス・キャピタルは、2015年9月に全世界的な縮小計画の中でイスタンブル事務所閉鎖を決定した。

ギリシャ最大の銀行であるNGBは2015年10月にフィナンスバンクを売却し、トルコ撤退の決定を発表した。フィナンスバンクは2015年12月にカタール国営銀行に売却された。HSBCは昨年世界的な縮小計画の中でトルコでの事業を終了すると発表したが、その後この決定を覆した。

■目標達成できず

自然派石鹸・化粧品ブランドのLushやイギリスの家具ブランドのHabitat、デンマークの高級装飾ブランドのBo- Concept、オーストリアのホームセンターBaumaxは、トルコ撤退の決定を下した企業の一部だ。

トルコは対内直接投資について2015年の終わりに120億ドルの目標があった。しかしこの目標は実現しなかった。中央銀行のデータによると、昨年トルコには118億ドルの対内直接投資があった。この一部は39億6千ユーロの4.5Gの入札によるものだった。

データによると、ここ10年間でトルコに1298億ドルの対内直接投資があった。2006年の投資金額は1760億ドルだったが、2007年と2008年に高い業績を見せた後、投資は減った。

■法の優位性

アナリストらは、政府が政治的な理由により民間企業の経営に干渉する可能性があることが、外国人投資家の懸念になっていると分析し、法の優位性という概念が外国人にとっては非常に重要であることを強調。アナリストたちは機関の独立性へのクエスチョンマークと、民間企業の経営陣に置かれる管財人が信用を害しているとし、投資家がトルコを選ぶ理由が減ったと指摘している。

HSBCの戦略家はアメリカが金利引き上げを減速させたのと同時に、トルコでも証券投資が増えると強調し、対内直接投資には改善を期待していない。戦略家たちは、債権投資において真の改革を行い、新しいシナリオを生み出す国にとってチャンスとなると述べている。アメリカの投資銀行JPモルガンは、予想以上の数字であったにもかかわらず2016年の成長予測3.3%を変えなかった。これには政治的不透明感と地理的リスクが影響していると強調した。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:40186 )