人はいかに、自爆テロ犯となるのか?
2016年04月10日付 Cumhuriyet 紙


ハサン・チャユルは、父親によって「ISに加わるかもしれない」と通報され、逮捕された。チャユルは法廷によって釈放され、数日後姿を消した。現在、自爆テロ犯となる疑いで捜索されている。

「我々は行動を起こす前に自爆テロ犯を捕まえることができない」というアフメト・ダウトオール首相の言葉がまたもや現実となった。アドゥヤマンで父親の通報によって「IS参加」の疑いで逮捕されたハサン・チャユルは、裁判によって釈放されると、姿を消しテロ組織ISに加わった。父親の二度の警告を受けて警戒態勢をとったアドゥヤマン警察署は、チャユルが自爆テロに加担する可能性があると警告した。

アドゥヤマン警察本部の2016年3月23日の記述によると、ハサン・チャユルは以下のように姿を消した。アドゥヤマンに暮らすシュクリュ・チャユルという名の市民は、1988年カフタ出身の息子ハサン・チャユルが2月8日に姿を消したと説明し、警察に訴えた。ハサン・チャユルは2月10日に帰宅した。父親のチャユル氏は、再び警察に電話した。ハサン・チャユルは「武装テロ組織参加」の疑いで2月10日付で逮捕され、テロ対策担当局(TEM)で取り調べを受けた。チャユルは、アドゥヤマン刑事裁判所によって2月11日に司法による監督の判決を受けて釈放され、姿を消した。再び警察の門を叩いた父親のシュクリュ・チャユル氏は、3月22日の訴えで、「息子は処分の決定の3・4日後にイスタンブルに行くため家を出ました。その後連絡はありませんでした。息子は、テロ組織ISの考えと見解に共感しており、テロ組織ISに参加するため行ったのだと私は考えています」と述べた。

■警察に警告

アドゥヤマン警察署のイスマイル・イチェン副署長は、チャユル逮捕のためにガーズィアンテプ、ハタイ、キリス、マルディン、シャンルウルファ、ウムム各県の警察署と警察総局テロ対策室に書面を送った。チャユルを逮捕した場合の情報提供を求めた書面には、次の警告が記された。「本件に関して、行方不明とされている人物がシリアの戦闘地域と関係のあるグループに参加するため国外に出た、もしくは出る可能性があると見られている。この人物はテロを企てている行方不明者として捜索が登録されており、我が国で近年発生している事件を考慮すると、この人物もこの種の行動に関与する可能性があると見られるため、この人物の追跡は重要性を持つ。」

■まったく同じストーリー

ハサン・チャユルが組織に参加した過程は、102人が死亡したアンカラでのテロを行ったユヌス・エムレ・アラギョズ、34人が死亡したスルチ虐殺に加担したその兄弟のシェイフ・アブドゥッラフマン・アラギョズ、国民の民主主義党(HDP)の集会に爆弾を仕掛けたオルハン・ギョンデルとほぼ同じだ。アラギョズ兄弟とギョンデルは、ハサン・チャユルと同様アドゥヤマン出身だった。3人の自爆テロ犯は、(アラギョズがアドゥヤマンで経営していた)イスラム・チャイ店で組織に接した。3人の父親も警察に訴え、息子をISに参加する可能性があると通報した。それにも関わらず、逮捕された容疑者たちは釈放されるとISに参加した。この3人も「テロを企てている行方不明者」として全国で捜索される一方、トルコを揺るがす虐殺に加担した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:40245 )