夢物語?イスタンブル市長、ボスフォラス海底歩道計画発表
2016年04月15日付 Hurriyet 紙

イスタンブル広域市のカーディル・トプバシュ市長が、カバタシュ―ウスキュダル間に「歩行者トンネルと歩道」を建設する予定だと発表した。ウスキュダルでマルマライから降りた乗客は、海底を、自動歩道を通ってヨーロッパ大陸へと移動し、カバタシュから地下鉄にアクセスすることが可能になる。

トプバシュ市長は、イスタンブル広域市議会の4月最後の招集日に、2015年度活動レポートの承認投票を前に登壇し、非常に重要な計画を発表すると述べ た。イスタンブルで作業が続いている地下鉄建設に加え、今後入札にかけられる地下鉄建設について説明したトプバシュ市長は、初めて、本計画を議会の場で語った。

共和人民党(CHP)議員の席からは「訳の分からない計画ではないといいが」などと嘲笑の声が上がり、またAKP議員の席からは拍手で迎えられた。トプバシュ市長は笑みを浮かべながらCHP議員らに対し「姿勢を正して」と述べた。議会全体がトプバシュ市長の発言を待っていたが、これ以上は議員らを待たせまいとして、市長は以下のように述べた:「ウスキュダル―カバタシュ間に、歩行者トンネルを建設する。ウスキュダルの地下鉄から出てきた人々は、地上に上らずに自動歩道を通ってカバタシュの地下鉄駅にやって来ることになるだろう。そこから地下鉄に乗って、キラズルに行くのである。エティレルではフィニキュレルに乗って、アシヤンに行くことが出来るようになる。」

■山々を掘って通す

トプバシュ氏は、イスタンブルに新たなトンネル計画を遂行するとしたうえで、「D100高速道上のチョバンチェシュメから入り、キュチュクチェクメジェから地上に出ていくことになる。あるいはハラミデレから入り、ビュユクチェクメジェから出ていく。山々を掘って道を通す。言ったことは実行する」と述べた。

■ボスフォラス開発局は公園に

トプバシュ市長は、現在ボスフォラス開発局がある場所を、一般市民に開放すると述べた。彼はこの件に関して公園・庭園局長に指示を出したと述べ、「現存の木々が切られることなく、様々な木々を植えてゆき、ある部分は桜通り、ある部分はセイヨウハナズオウ通り、またある場所はアオイ通りとして作ってい く。とてもカラフルな公園となる」と話した。

■8つの路線が入札にかけられる

自身の任期中に145キロに渡る鉄道システムを築き上げ、76キロの地下鉄建設も続いているとしたトプバシュ市長はまた、「合計100キロメートルに及ぶ、8つの異なる鉄道システムの用意も終了した。これら路線を、1か月以内に入札にかける」と述べた。

トプバシュ氏が、用意が終了したとする路線は以下の通り。

―イェニドアン―チェクメキョイ―スルタンベイリ路線:16.7キロ
―ペンディキ―カイナルジャ―トゥズラ路線:11.6キロ
―バージュラル―キラズル―ハルカル路線:10キロ
―ギョズテペ―アタシェヒル―ウムラニエ路線:13キロ
―エミノニュ―アリベイキョイ・トラム路線:10キロ
―セファキョイ―バシャクシェヒル空港線:15キロ
―バシャクシェヒル-カヤシェヒル路線:6.5キロ
―マフムトベイ―エセンユルト路線:17キロ

■ボスフォラス海峡に並行した2路線

トプバシュ市長は、アジア・ヨーロッパ両大陸の海岸沿いにおいて、深刻な混雑が発生しているため、ベシクタシュ―サルイェル間とウスキュダル―ベイコズ間にも地下鉄が建設されるべく、1か月以内に入札にかけられると述べた。彼はまた、エティレルからフニキュレルでアシヤン海岸に降りていくことが出来るようになるとした。

■E-5道路の渋滞緩和のため、トンネルが作られる

E-5高速道路において、チョバンチェシュメからビュユクチェクメジェにかけての交通渋滞削減のため、トンネルを建設すると発表したトプバシュ市長は、「混雑緩和を行う。トンネルは、チョバンチェシュメ―セファキョイ間、セファキョイ―ハラミデレ間、ハラミデレ―ビュユクチェクメジェ間にそれぞれ作られる」と述べた。

■ウンカパヌ橋が海底に

地方選挙戦の際、選挙の数日前に「夢物語計画」として発表した「ウンカパヌ橋海底化計画」についても、調査が完了したと述べたトプバシュ氏は、「このようにして、金角湾の流れは通常の状態に戻り、さらにはこれまでよりも水がより綺麗になる。金角湾は守られるのだ」と話した。

■カラキョイから金角湾まで自転車道

カラキョイから金角湾の湾口に至る、2メートル幅の自転車道をはじめとし、10メートルの広さで歩道を建設することを計画しているとしたトプバシュ市長は、新たに6つの小規模なバスターミナルを建設することも語った。

■イスタンブル航空創業

イスタンブル航空会社を創業すべく、交通大臣と面会したと述べたトプバシュ氏は、「トルコ国内を想定し、ダム湖に降り立つことが可能な、「飛行機型タクシー」のような形で運行する航空会社となるだろう」と述べた。

■イスタンブルに新たに1000のバス

トプバシュ市長は、イスタンブルに新たなバスを1000台購入し、また使用されなくなるバスに関してはアフリカの諸都市に送ると発表した。

■CHP:トプバシュ市長の物語を聞いた

トプバシュ市長の発表の後、CHP側代表として発言したイスタンブル広域市議員のハック・サーラム氏は、「トプバシュ市長の物語を聞いてきた。彼の発言は単なる時間の無駄であり、自身の夢物語以外の何物でもないだろう」と語った。サーラム氏は、トプバシュ氏による計画について、「調査しましたか?真逆の流れがあります、魚もいればほかの生物もいる。あなた方は、次の会期にはこの場にはいないでしょう。『私の後にCHPの議員たちが正しい事柄を確認し、彼らは(この計画を)実行しなかったのだ』と言うことになるのです」と述べ、トプバシュ氏を批判した。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:40277 )