宗務長官、テロ問題に冗談のような見解発表
2016年04月16日付 Cumhuriyet 紙


宗務庁長官のメフメト・ギョルメズ教授は、東西でイスラム教徒が起こしている自爆テロ行為に言及し、「冗談のような」発表を行った。

 メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は、東西でイスラム教徒が起こしている自爆テロ行為に言及し、「イスラム教徒すべてがこれらの悪意に包まれているのに、あなたの国ではなぜこういったことが起こらないのかと西のイスラム教徒も東のイスラム教徒も聞いている。私の答えはこれだ。神のおかげで、我々にはイマーム・ハティプ高校がある。なぜイマーム・ハティプ高校が非常に重要なのか、なぜならばイマーム・ハティプ高校のカリキュラムは科学的真実も、コーランの真実もともに教えているからだ」と述べた。

 メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は、トラキアやバルカン半島から来たイマーム・ハティプ高校の校長や教員らと、エディルネで会合した。ギョルメズ長官は、メリチ(マリツァ)川のほとりのラーレザル・レストランでエディルネ国民教育局によって行われた「トルコにおける宗教教育」プログラムに参加し、イスラム世界で起こっている大きな問題が教育に起因するものであると述べた。

 ギョルメズ長官は、以前おこなったイランとサウジアラビアへの訪問について説明し、イスラム教徒が行っている自爆テロ行為に言及し、トルコで起こっていない理由はイマーム・ハティプ高校であると主張した。メフメト・ギョルメズ長官は、次のように話した。

 「少し前に、イランとサウジアラビアを訪問しました。私がサウジアラビアに行った際、道中で38人が処刑されたことを聞きました。翌日おこなった会議で次のことを話しました。昨日我々の移動中にあなた方は38名を処刑しました。処刑の理由を見ると、各所に爆弾を設置し、人々を殺害し、いくつかの建物を破壊したことや、それと似たような罪でした。彼らはほかの人々の殺害の原因となりました。しかし、処刑された者たちの身元を見ると、16・17人は世界中のイスラム学者を育成しているサウジアラビアの大学の卒業生や、イスラム法学部の卒業生でした。これは同時に、トルコの教育システムや人間の育成法を精査する必要性を示してはいないでしょうか?
 我々は宗務庁として、ソマリアから1,000人の子供をトルコに連れて行きました。ソマリアで我が国が空腹と飢餓への救援策を少しばかり行なっていたとき、国民による支援がその地に届いた後我々も省庁として課された職務によって子供1,000人をトルコに連れて行き、教育を提供しました。もちろん多くの申し出があるとそこで面接が行われました。この時、子供たちの選出のためにソマリアのある建物でとても若い人々が列の最後尾にいるときに、男がやって来て腹部に巻いた爆弾を爆発させ、78人の若者がその場で亡くなりました。後にこのような形で自殺してこのような殺人を招いた殺人ための機械がサウジアラビアのイスラム法学部の卒業生であると知りました。これはどう解釈すべきでしょうか。どのような考えがこれらの人々をこのような行動に導いたのか。いったいどんな聖典が、コーランのどの章が、預言者のどのスンナが。これらの考えはイスラム世界にどのように影響したのか?外的要因はわかっています。しかし我々に起因するものはどこに位置づければいいのか。もちろん、我々イスラムの知恵と知識によってこれを乗り越えうるのです。」

■「なぜトルコでは起きないのか?」

 ギョルメズ長官は、イスラム諸国での自爆テロに言及し、次のように続けた。

 「すべてのイスラム教徒がこのような悪意に包まれているのに、あなたの国ではなぜこういったことが起こらないのかと西のイスラム教徒も東のイスラム教徒も聞きます。私の答えはこれです。神のおかげで、我々にはイマーム・ハティプ高校があります。なぜイマーム・ハティプ高校がとても重要なのか、なぜならイマーム・ハティプ高校のカリキュラムは科学的真実も、コーランの真実もともに与えているからです。イマーム・ハティプ高校でのカリキュラムは、たとえどんな欠陥があるにせよ真実がいかなる人間の手にもないことを教えているからです」と述べた。

■「テロは人々をイスラムから引き離している」

 ギョルメズ長官は、中東で行われているテロとの戦いにも言及し、テロがこの地域で人々をイスラム文明から引き離そうとしていると述べ、「これらの地に暮らし、歴史上イスラムへの忠実さにまったく疑いのない人々がイスラム文明から引き離されることが問題です。そのため我々は皆大きな責務を負っています。まず自分たちの国の一体性を守り保護すること、それから子供たちを最良の形で育てることです。イスラム世界で起こっている間違った思考が子供たちに伝染しないようにするには、子どもたちを強くすることです。我々の文明の価値を備えさせることです。このために、我々それぞれをよりよく育てるためさらに大きな努力をすることが必要です」と話した。

■犠牲者の葬儀での葬送行進曲の演奏

 メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は、演説後昼食を教員らとともにとり、トラキアコーランデーとコーラン朗誦者セミナーに参加した。ギョルメズ長官は、あるホテルの会議室でのプログラムの前に新聞記者らの質問に答え、犠牲者らの葬儀で演奏される葬送行進曲について多くの苦情を受けたことを明らかにし、「実のところ非常に多くの犠牲者の家族の直接の申し出や手紙での主張は、彼らの子供たちが預言者に次ぐ最高の地位である殉教者となった後で、モスクで葬儀の礼拝などのすばらしい礼拝とともに、テクビル(アッラーの唯一性」を唱え祈りとコーランによって彼らをあの世に送り出すことがより正しいと思っており、我々に属さない、我々の文化のものでない葬送行進曲で送り出すことを正しいと思っていないことを表しています。私もこのことを世論や関係者と共有することが、犠牲者たちの至高の記憶のために必要だと感じています」と述べた。

■89のモスクに被害

 ギョルメズ長官は、PKKが89のモスクを破壊したと述べ、「非常に残念なことに89のモスクが破壊され、いくつかは礼拝ができない状態になりました。現在では同僚たちがその大部分を修理しました。願わくば一刻も早くモスクのすべてが国民の礼拝に開放され、国家として二度とこのような苦痛を経験しませんよう」と話した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:40283 )