ギュレン教団イスタンブル一斉調査、その成果
2016年04月22日付 Milliyet 紙


ギュレン教団に対するイスタンブルを中心とする一斉調査により、教団内部で「アービー(兄)」と呼ばれる地位にいた38人がアジア銀行の16の口座から計3700万リラを他の口座へ移していたことが明らかになった。さらにいくつかの企業が動かした資金の一部も、支援金として教団の口座へ移っていたことが分かった。

ギュレン教団に対するイスタンブルを中心とする一斉調査で、教団内で「アービー」の地位に付いていた38人が、アジア銀行の16の口座から3700万リラを他の口座へ移していたことが明らかになった。口座の操作全体を、教団のイスタンブル・マルテペの責任者で「オメル・ホジャ」の名で知られるM・K氏が指示しており、同氏は米国とロシアを始めスペイン、エジプト、インドネシア、ドイツ、イギリス、フランスの協力者と接触があったと確認されている。

イスタンブル県共和国首席検事局による捜査で、イスタンブル警察の経済犯罪対策担当局が複数の都市で開始した作戦について、重要な情報がもたらされた。情報によれば、ドゥマンカヤ建設の所有者も含む容疑者に対する一連の捜査は、H・Zという人物がもたらした情報によって始まった。

■アジア銀行の支店から大金が移動

アジア銀行マルテペ支店に口座を持つH・Z氏が、2006〜09年の間に口座で他人によって複数回にわたって約110万リラ分の手続きが行われていたことに気付き、検事局へ相談したことが、一斉調査のきっかけとなったとみられる。H・Z氏は捜査記録で容疑者、被害者の両方に位置付けられている。検察は同氏からの最初の 情報に基づいてアジア銀行がイスタンブルに持つマルテペ、ペンディキ、ダラヨバ、エレンキョイ、イメス、バフチェリエブレルの各支店、さらに主管支店の口座の一部を調べた。分析の結果、それぞれ別の人物が名義を持つ16の口座における金銭の動きに不審な点があるとされた。この16の口座での手続きに、38 人が関わっていることも分かった。
この38人は教団内で「アービー」と呼ばれる地位に付いていた。彼らは異なるタイミングで口座から約3700万リラを移動したとされ、多くの操作は国外で行われていた。
捜査によれば、これらの口座で行われていた不審な操作に、頻繁に名前が記録されているアジア銀行の従業員41人も加担していたとみられる。

■隠された中心人物を解明

一斉調査の結果、検事局は、教団のマルテペ支部で代表を務めていたM・Kという人物の名前にもたどり着いた。M・K容疑者は開設させた口座での金銭の移動を指示し、献金と奨学金と合わせて教団への支援金が集まるように仕向けていたことが分かっている。教団内でオメル・ホジャの名で知られていた同氏はとつながりのある、米国 とロシアに加えスペイン、エジプト、インドネシア、ドイツ、イギリス、フランスの個人や組織も特定された。

■手続きの一部が支援金となった

さらに、捜査書類の別の項目では企業が、取引先が受け取る総額を2回に分けて手続きしており、その金額の大半が受け手の企業に支払われ、ごく一部を企業とは無関係な「支援金」としてギュレン教団の口座へ移されていたことが分かっている。
例えば、教団に近しい企業が10万リラを受け取る企業に対して9万リラと1万リラの2回に分けて手続きするか明細を残し、9万リラを企業に支払う一方で1万リラを直接教団の財源へ移していたと推測されている。
この中で、検事局はドゥマンカヤ建設に関係する48の手続きが、教団との関与が疑われるとして分析し、うち5つの手続きに問題があったとして同社への捜査を始めたとされる。

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( 翻訳者:川原田嘉子 )
( 記事ID:40313 )