新憲法の文体、イスケンデル・パラ氏にお任せ?
2016年04月23日付 Hurriyet 紙


■トルコでは誰もが以下の2つのことに同意

第一に、改正は複数回行われたものの、現憲法は軍部のクーデターで制定された憲法だということ、第二に、軍部によってつくられた憲法には文体の問題があるということだ。これまでに、憲法の内容、さもなければ文体の変更に関し、多くの取り組みが行われてきた。そのうちのひとつが、2012年にトルコ言語協会で実施されたものだ。当時首相だったタイイプ・エルドアン氏は、この会合で、著名な哲学者であり言語学者でもあったウィトゲンシュタインの「言語の限界は世界の限界である」という言葉を引用した。

■接続詞は用いない

当時のトルコ大国民議会(TBMM)議長であったジェミル・チチェキ氏や、TBMM憲法委員会の委員長であったブルハン・クズ氏など多くの人が参加したこの会合では、憲法の文体に関し以下のような見解が提示された。

平易で、理解しやすく、簡潔な、社会で一般的に用いられているトルコ語で書かれなければならない。

「しかし(ama、ancak、lakin、fakat)」などの逆接の接続詞は用いないべきである。

複数の意味にとれる単語、不必要な反復表現は用いられないべきであり、できうる限り短い文章で書かれるべきである。

憲法作成委員会には、必ず言語学者と文学者が含まれていなければならない。

憲法の自由を制限したり、条項を制限したりする前文があってはならない。

あらゆる人が同じように理解している単語や概念が推奨されること、当局が強制したかのような印象を与えない文体で書かれることが非常に重要であることが明示された。

■文学者が必要

すでに知られているように、現在、公正発展党(AKP)、首相府、ベシュテペ(大統領宮殿)で文字通り「3つの部局で」憲法に関する活動が行われている。特に作成作業も始まっている。先週の木曜日と金曜日に憲法の草案が執筆され始めた。本紙が得た情報によると、2012年に下された決定の1つである「委員会には文学者が含まれるべきである」という原則が採用され、親イスラム派として知られる文学者が選ばれたようだ。特に、この人物には文学者という身分の他に、 「首相の首席顧問」という肩書がついている。いったい誰なのか? もうみなさん想像がついていることだろう。イスケンデル・パラ……。

■「自由主義」が必要

自身のウェブサイトに掲載しているプロフィール内で、自身を「ディーワーン文学を愛されるものにする男」だとしているパラ氏は、AKPの新憲法草案の文体の、今後の責任者である。

直近の2つの会合でパラ氏は、2012年に行われた会合で採用された原則からは少々離れる、重大な役割を与えられた。前文の執筆である。

2012年には、「前文」が憲法の自由を制限し、条項を制限しているとの主張がなされていた。2016年、これに対し、パラ氏は「自由主義的な」前文を書くことが求められている。

いったいどうなるのか、軍部の重苦しい文体を取り除こうとして、新憲法の草案にディーワーン文学の韻律が映し出されることになるのだろうか?

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:40326 )