Mehmet Y. Yilmazコラム:エルドアン・ダヴトオールの間に、問題はあるにはあるが…
2016年04月29日付 Hurriyet 紙

 大統領と首相の間には「黒猫」がいるのだろうか?

 「プールメディア(訳者注:大統領寄りの御用メディア群)」では、エルドアン大統領に近い新聞記者らが公に「アフメト・ダヴトオール首相とは事が運ばない」などと述べている。

 首相側もこうした意見を「公正発展党(AKP)を、メディアの介在で操作しようとする試みだ」と非難している。

 私は、首相が大統領の意思に反した動きを試みているとは全く考えていない。なぜなら政治的にダヴトオールの力は、大統領のそれに匹敵する状況にはないからだ。

 首相は経験ある学者としても、そのことを判断可能な状況だと考えている。

 しかしそれでも、「何か」が起こっている、とも考えている。

 例えば大統領はクロアチアで次のように語った。「首相在任中、2016年10月にシェンゲン協定が発効するとの声明があった。4か月の前倒しが功績のように示されるのが理解できない。些細なことが、大きな功績のように示されるのが悲しい。」

 大統領を悲しませたこの話の主は、アフメト・ダヴトオール首相に他ならない。

 例えばダヴトオール首相が、メルケル独首相のトルコ外遊中に次のように語ったのは、それから1週間もしないうちだった。

 「最も重要なポイントは、難民送還協定の実施とともに、ビザ免除も6月に導入するということだ。」

 大統領にとって「些細なこと」が、首相にとって「最も重要なポイント」となったのだ。

 この「二頭体制」の様相を、大統領制にまつわる議論の題材にせよ、と敢えて見せつけているのか、あるいは本当に二人の間にこのような基本的な諸案件で不一致があるのかは知る由もない。

 しかし、皆さんには以下にも注目していただきたい。

 首相の、「首相らしく振る舞っているかといえば、自分自身を否定することになる」との言葉について尋ねられ、大統領は次のように返答している。

 「それは私にではなく、アフメトさんに聞くべきだ。」

 この返答自体も大統領の憤慨を表しているというべきだろう。

 何かがある。だが明確にそれを呼称するには、もう暫く時を待たねばならないだろう。

(後略)

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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:40358 )