エルドアン大統領「歴史は1919年に始まったわけではない」
2016年04月29日付 Milliyet 紙

「我々が正当とみなさない勝利というものは存在しない」と語ったエルドアン大統領は、「私は、トルコ国民とトルコ文明の、何千年にも及ぶ歴史を、おおよそ1919年から始まったとする認識を認めない」と述べた。
(注: 1919年は、希土戦争が開始され、ムスタファ・ケマルがサムスンに上陸した年)


レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ルトフィー・クルダル国際会議・展示場において行われた、『忘れられた勝利:クートの戦い』と題されたプログラムに登壇した。イスマイル・カフラマン国会議長、アフメト・ダヴトオール首相、参総長のフルスィー・アカル氏、ヌマン・クルトゥルムシュ副首相なども参加したこのプログラムにおいて、エルドアン大統領は、「今から1世紀前の1916年4月26日に我々が得た勝利は、素晴らしいものであったと願っている。この国は、我々に対する誰の情けでもない。このトルコという地は、国民として我々が毎日代価を支払っている、正当な、真に我々の国家である。我々が正当とみなさない勝利というものは存在しないのだ」と述べた。

エルドアン大統領はまた、以下のように続けた:
「我々国民の、文明の、何千年にも渡る歴史を、おおよそ1919年に始まったものだとする歴史認識を、私は認めない。誰であろうとも、勝利と敗北によりこの200年間、というよりもむしろこの600年間を取り除き、古代トルコから共和国へと(歴史を)飛ばして考えている者がいれば、すなわちその人物は、我々国民の、あるいは国家の敵であるということをお解り頂きたい。西洋文明におけるトルコ人とは、何か特定の民族の名ではなく、すべてのムスリムを意味する名である。世界で2億人以上存在する、トルコ語を話す人々の社会と言われれば、まず頭に浮かぶのは我々トルコ国民だ。国民として我々が示す、この広い意味合いのその背景にある激しい闘争と犠牲を、我々はきちんと見、きちんと評価し、そして理解しなくてはならない。いまトルコでは、残念ながら、様々な世代にその偉大なあり方を示すような歴史認識が存在していない。」

■外交的不足

エルドアンは次のように話した:
「残念なことだが、我々は公式の歴史を、長いことイギリス人が望んだような形で整えた。第一次世界大戦中、すべての戦線で、我々は、イギリスを始めとする我々の敵は怒りと共に、我々の味方は希望と共に、そして全世界は驚きと共に見守った闘いをした。休戦協定が結ばれた際にも、オスマン軍はどの地においても闘い続けていた。そこに崩壊し、疲れ果て、降伏する軍はなかった。その当時我々の頭を苦しめた、我々にとって古典的な問題では、戦線では勝利し、交渉で負けたということだ、つまり外交的な不足があったのだ。我々にとって、戦争が始まった時期に意図したことと、戦争が終わってから 明らかになった景色(結果)というのは大きく異なっていた。我々は、全てを焼かれ、その灰を空へと飛ばすことを求められた状態から、新たに独立戦争を開始し、そして勝利で終えるようなモラルと経験、確固たる意志を獲得した。私は、この13年という期間の間政治的責任を負ってきた人間として、新たな世代に、我々の歴史をこのように伝えていくことに関し、適度な距離感を掴めずにいたということを、自己批判という意味で、ここで述べておきたいと思う。民主主義、そして発展というものを我々が優先してきたことで、特に教育、文化、そして芸術において、我々が望む変化を実現させる第一歩を踏み出すことに関し、残念ながら、我々の行動は遅かった。我々には欠けている部分がある、しかし、それを越えてゆくのだ。」
エルドアン大統領は、『3つの不安』とみなす宗派主義、差別主義、テロについても発言した。

■小さなムハンマド

エルドアン大統領は、「いまも、テロとの戦いの中にいる。兵士や警官、警備隊員の中には、亡くなった人々がいる。しかし今、私は、私の向かい側に兵士たちを見ている。みなさんは、預言者ムハンマドの軍隊の一員です。世界のどの場にいても、兵士たちは『メフメトチク』 とは呼ばれない。けれども我々国民は、彼らをメフメトチクと呼ぶ。これは、『小さなムハンマド』という意味だ。我が兵士たち、警官たち、警備隊員の者たちは、 この道へと歩んでいくとき、このように歩んでいったのだ。我々は、軍に行く人々に対し、『私の赤い子羊』と呼ぶ。我々の理解とは、こういうことなのである。このように歩み、このように進んでゆく。今はご存知の通り、かなり重点的に軍事作戦が行われている。我が兄弟たちよ、この作戦の勝利の兵士たちは、勝利の指揮官たちは、みなさんだ。遅かれ早かれ、我々は、これらの作戦を勝利で終えるだろう、そしてこのトルコの地において、裏切り者たちに好き勝手はさせない」と述べた。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:40363 )