Murat Yetkinコラム:アンカラでは何が起こっているのか
2016年05月02日付 Hurriyet 紙

アンカラで政治は、大騒ぎだ。

注目は今日の大統領府のあるベシュテペで大統領が行う閣議にある。マスコミに漏れたところによると議題は「テロとの戦い」である。一方でIS、他方ではPKKの攻撃による死者は増え続けている。しかし、政治の歯車のこれとは違うことで回っている。注目されているテーマは次のことである。首相アフメト・ダウトオールから公正発展党の地方組織に関する人事件が奪われたことがどのように閣議に反映するだろうか。

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事態の背景をさらによく見るために、ダウトオールが4月28日にカタール訪問の前に行い、テレビで生放送された記者会見を見てみよう。ダウトオールの隣に座わる予定の大臣たちの中に通信大臣ビナリ・ユルドゥルムの名前がなかった。この席順は官僚による誤りということもありえる。しかし、ユルドゥルムはこれを、まじめにとっていた。

昨年の9月に公正発展党の党大会でダウトオールに対抗し立候補が噂されたが、ダウトオールがエルドアンの望むリストを重視し(エルドアンがそれを認めた)ため実現しなかった。しかし、ユルドゥルムは入閣した。(この会見では)マスコミやその他の参加者用の場所にいき、別の椅子に座った。まず、財務大臣ナジ・アーバルが「どうぞ。」と述べたが、「こちらに席がある」と言って立たなかった。さらに悪いことにその時、「ヌマン・クルトゥムシュが来る予定だ。来なかったらあなたがどうぞ、誰かほかの人を見つけてくれ」と述べた。

結局、ダウトオールが来て、誰かに言われたのだろう、「どうぞこちらへ」と述べた。ユルドゥルムは再び「ここに席がある」と断ったが、ダウトオールがしつこく言うので演壇に座った。

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翌日4月29日。ダウトオールは、カタールから戻ると中央決定執行委員会の議長を務める予定であった。これは前から計画されたことである。

午前10時30分に予定されていた会議は始まらなかった。「首相は休息中である。」と発表されたが、首相は入手した情報を受けて大統領と連絡をとろうとしていたのだ。首相本人が議長をつとめ、9月の党大会の後に発足したばかり中央決定執行委員会は、これまでずっと党首に与えられてきた県と郡の委員の任命権を取り戻そうとしていた。ダウトオールはこの企てについてカタールにいる時に知った。

計画者たちは、50人体制の中央決定執行委員会のうち47人からの署名をえていたらしい。ヌライ・ババジャンの記事によると、ダウトオールがエルドアンから「この権限は本来中央決定執行委員会にあるものでなければならない。執行委員会は、権限を自分で行使もできるし、あなたに委ねることもできる。気にするようなことではない」と述べたという。

その後のことは私たちも知っている。5時間半遅れて始まった会議でダウトオールは、過半数を獲得して与党となった政党の県と郡の執行委員の任命権を、もはや失ってしまった。さらに、オメル・チェリキの「。何か問題が起きているのか」という質問に対して、「いいえ。」と回答して、自分も(逆に、問題の存在を)証明してしまった。

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政治筋の情報では、ダヴトオールが、アドゥヤマンを含む15の県と郡の委員を、エルドアン寄りで知られる党組織の会長ムスタファ・アタシュに相談せずに取り上げたが、実は、エルドアンが前職者に約束をしていたのだという情報がある。しかし、状況はこれよりも深刻だった。

この権利をダウトオールが失ったことの背景には、2017年末から2018年初めに行われる公正発展党大会がある。エルドアンは、2019年に第2回の大統領選挙のために、その党大会で自分の立候補を後ろで一つになって支えてくれる政党組織を必要としている。私が得ている情報によると、これは、ダウトオールが、エルドアンの承認をきちんと得ないで任命をおこなったり、県や郡選出の党委員という形でできる党地方組織を、ダウトオールがエルドアンの承認なしで変えることがないようにした、ということだ。

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もちろん別の状況もある。

ダウトオールが3月18日にブリュッセルに出発するときに決定して発表たトルコ・EU間の移民・ビザに関する合意計画をエルドアンは聞かされたおらず、そのため最近では、「4カ月延長前倒しすることの何が成功なのか。」と言ってことの重要性を減らそうと努めていたと裏では言われている。

また、エルドアンが、反対声明に署名した学者や新聞記者をテロリズムの支援者のように扱おうとするのに対し、ダウトオールは、「在宅起訴は司法の基本である。」と主張し、実際、そのようになっている。

最近では、憲法改正問題である。エルドアンが大統領制を含む憲法改正を一刻も早くといっているが、ダウトオールは「熟していない」という表現で着手しなかった。

さらに過去にさかのぼると、ダヴトオールが「政界には彼が必要だ」といっていた国家諜報局のハーカン・フィダン事務次官がエルドアンにより、元の諜報局の職に戻されたという件もあるが、そこまでさかのぼることもないだろう。

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しかし、アドゥヤマンの党委員任命問題で表面化した党組織の危機、ユルドゥルムの着席場所が用意されていなかったこと、同時に始まった署名集め、これらのことがダウトオールが国外での公務から戻ってきて行われた会議で結実したということは、前から何か計画があった、ということだ。そしてこのためにこそ、大統領府の動きが注目されている。

例えば、閣僚に交代があるのか?あるいは、この一連の動きの後に、何カ月間も止められている官僚の人事が、何カ月間もダウトオールが待たせた署名によって、大統領府に提出されるのか。その人事で誰の比重が大きくなるのか。はっきりしたら、またここで書こう。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:40380 )