ビザなしヨーロッパ、ダヴトオールとともに霧散
2016年05月12日付 Cumhuriyet紙


欧州議会は、昨日(12日)行われた会議の開始前に、(トルコに課された条件の)72項目が満たされない限り、トルコへのビザ免除を議題に取り上げないという立場を示した。ボズクルEU担当相が最新の発表で「ビザの免除と引き換えにテロ関連法を改定することはできない」と述べたのに対し、欧州連合理事会は「アンカラがテロ対策法の変更を拒否する限り、このプロセスは終わりをみない」とした。

トルコ・EU間に結ばれた難民協定に従い欧州委員会が勧告したトルコ国民へのビザ免除の提案は、欧州議会へとパスされた。12日に行われた会議でこの問題を話し合わねばならない欧州議会は、欧州委員会の勧告に反し、独メディアの表現によれば「反エルドアンの方向性を示した。」

欧州議会議長マルティン・シュルツ(社会民主党)と議会内の同党員たちは、ビザ撤廃のためテロ対策法の変更を始め、必要な72項目を実行しない限り、トルコにビザ免除を取り上げない立場をとった。

■「ビザの免除はなし」

欧州委員会は、ジャン=クロード・ユンケル委員長を通してビザ免除に関する声明を出した。ドイツの首都ベルリンで開かれた会合に参加したユンケル委員長は、ビザ免除に関する全ての条件をクリアするようトルコに警告した。ドイチェランドフンクの報道によると、同委員長は、「我々はビザ免除については条件を示した。これらの条件がクリアされることを重要視している」とする一方、そうでなければビザ免除の条件は満たされないと述べた。

トルコに約束を守るべきだと呼びかける同委員長は、難民をヨーロッパへ送り返すなどというトルコ側の言い分について、脅迫行為は許されないと強調した。

テロ対策諸法の変更などを含む約束をトルコが守らなければ、EU・トルコ間で成立した難民協定が破綻しうると懸念を示したユンケル委員長は、ビザ免除の条件である72項目のうち第65番目の項目が「トルコ政府がテロ対策法を見直すこと」を予定していることを再確認した。

「(条件については)トルコ政府と合意に達しているのであり、首相が辞任することで、トルコ・EU間で成立した合意を無視する理由にならない」と同委員長は、次のように話した。

「条件がクリアされることを重要視している。そうでなければトルコ・EU間でサインされた合意は実現しないだろう。もしもエルドアン大統領はトルコ人がヨーロッパを自由に旅行する権利を認めなくてもよいと決めたのであれば、そのことをトルコ国民に説明する義務があるだろう。これは私ではなく彼の責任となる。」

■EU担当相より最新発表

ヴォルカン・ボズクル欧州連合担当相は最新の発表において「ビザの免除と引き換えにテロ関連法を改定することはできない。我々は最後までこの取り組みを続けていく覚悟だ。われらが大統領が開始したこのプロセスが危険にさらされないよう、あらゆる可能性に挑戦していく。大統領の指揮の下、欧州議会とともにビザに関する決定を下していく」と述べた。ボズクル大臣によれば、金曜日(13日)に最終評価が行われる予定だとのことだ。

■欧州委員会からの返答

ボズクル大臣によるこのコメントの後、欧州委員会から新たな発表がなされた。発表は「アンカラがテロ対策法の変更を拒否する限り、このプロセスは終わりをみない」と述べた。

■会議は中止に

本日ブリュッセルで予定されていた4者会談も中止となった。ボズクルEU担当相とメヴリュート・チャヴシュオール外相、フェデリカ・モゲリーニEU外務上級代表と欧州委員会のヨハネス・ハン拡大担当委員の4名で行われるはずだった会談は、ドイツメディアによると、欧州議会の意向により「他日へ延期された。」ボズクル大臣は再びブリュッセルへ飛び、モゲリーニ氏とハン氏にアンカラの主張を伝える予定だ。

しかし、ビザ免除への条件であるテロ対策法の変更をエルドアン大統領が「お互いそれぞれの道を」と発言して拒否したこと、ビザ免除が実現しなければヨーロッパへ再び難民を送り返すと脅しをかけていることは、EUの世論に衝撃を与えている。

(中略)

■難民協定は崩れかけているのか

ブリュッセルとアンカラ間におけるビザ免除に関する最終的態度が難民協定に影を落としているのではないか、という見方が広がっている。エルドアン大統領がアフメト・ダウトオール首相を解任させてから、ヨーロッパの政治家たちはトルコのオルタナティヴについて議論し始めた。ベルギーのリベラル派フェルホフスタット氏は、EUがその責任を果たし、トルコとの難民協定とは別に国境を6月末までに閉鎖する必要があり、それこそが唯一の解決策だと主張した。またドイツキリスト教民主同盟のカール=ゲオルグ・ヴェルマン・ドイツ議会議員は、難民をトルコへ送り返すのではなくギリシャの諸島に留まらせ、難民申請を拒否された人々についてはもといた国へ送還されるべきだと提案した。

ブリュッセルにある欧州政策センターのヤニス・エマヌイリディス氏は、トルコとの難民協定には他の選択肢はないという見方だ。「難民が昨年と同じ人数で来た場合、ギリシャの諸島がヨーロッパ全体の難民キャンプになることができるとはあまり考えられない」と警告する同氏は、この案がギリシャ人も他のヨーロッパ人も得をしないと述べ た。

■ビザ免除のために実現する必要がある5項目

トルコがビザ免除を実現するために現在不足している条件は以下の通り。
1.テロ対策法の変更。トルコの法律における「テロ」の定義を変更し、報道・表現・集会の基本的自由を保障すること。
2.対汚職諸国グループの勧告にしたがった法制度整備の必要
3.EUの基準に合致するよう、個人情報保護法を改正すること。
4.欧州刑事警察機構と結ばれた捜査協力協定を批准すること。
5.犯罪者の送還について、EU加盟国と法的面で協同すること。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:今城尚彦)
(記事ID:40436)