ヒュッリエット紙は真実を書く!-昨日報道への批判をめぐり
2016年05月12日付 Hurriyet 紙

ベキル・ボズダア法相が昨日発表を行い、本紙の昨日の「イスラム国(IS)メンバー脱獄」の見出しを広報作戦と決めつけ、更に「非道徳的」とかなりひどく非難したことは、明確な根拠に基づいたものであるのか?本紙のニュースに間違いはあるのか?

この質問への答えを見つけるためにボズダア氏の非難と事件の事実関係を比較すると、次のような構図が浮かび上がる。

1.本紙のニュースは、去年コジャエリ県で逮捕され、裁判にかけられ、有罪となった5名の囚人が刑務所から脱獄したという事件を取り上げた。まず最初に、この5人が刑務所から脱獄し、うち3人がその後捕らえられ、2名が依然逃亡中であるのは事実である。実際、ボズダア法相も昨日の発表でこの事実を受け入れている。

2.逃亡した5人の囚人は、去年逮捕された後ISに関係するテロ組織のメンバーであることで有罪判決を受けたが、しかしコジャエリ第2重罪裁判所で行われた審理の結果、証拠不十分で組織のメンバーであるという罪から免除された。本紙の昨日のニュースの中でも容疑者らがテロ組織のメンバーの罪から放免されたことが述べられていた。これに対して同裁判所は、武器と爆弾の所持と武器売買の実施の罪で容疑者らを有罪にした。ボズダア法相は昨日本紙を非難した際に、容疑者らの組織のメンバーの疑いが無くなったことで、当人たちがISメンバーと認められず、よってこの見出しを付けられないと主張している。

3.本紙がこの見出しを付けた理由は以下によるものであった。当5名の囚人が集団でコジャエリ県の閉鎖型刑務所から開放型刑務所に移送された後、警察諜報部が法務省に書類を送り、彼らがISとつながっており、「この組織に参加するためにシリアに逃亡する可能性がある」と警告を行い、再び閉鎖型刑務所に移送することを要求していた。警察のこの文書は2016年5月3日(先週の火曜日)付けとなっている。この文書が省に届いた5月3日、コジャエリ県開放型刑務所で警告にしたがって行動に移った際、文書記載の5名の脱獄という事態が起こった。全国で警告が発せられた後、3名が捕らえられ、コジャエリ閉鎖型刑務所に送られた。残る2人は未だ発見されていない。彼らを再び閉鎖型刑務所に入れる理由はISメンバーであると書かれた諜報機関の報告書であった。

4.更にボズダア法相は昨日の発表で本紙のニュースのこの部分を認めている。「その通り、諜報機関は3日に伝えた、こうした逃亡、事件がある、と。即座に対応し、容疑者の許に向かい、すぐに閉鎖型刑務所に収監するため、現地に必要な職員が向かっている」と発言している。法相はこの表現でもって警察の警告文書を認めている。囚人らを再び閉鎖型刑務所に収監する必要性を認めたのである。

5.ボズダア法相の発言で議論の的となるのは、囚人による開放型刑務所からの脱走を「脱獄とはいえない」という言葉である。法相は「あそこから離れることは我々の言い方では脱獄に当たらない。なぜならば外に警備はなく、金網もなく、逃亡を妨げるものはないのであるから」と話している。ならば囚人らが開放型刑務所から出た後に戻らず、跡形もなく消えてしまうこと(現在2名が失踪中である)が、トルコ語辞書でどの動詞にあたるのか。この答えは空欄のままだ。

6.この問題には他にも更に重要な面がある。この事件で問題の5人の囚人のうち3人は――コジャエリ県裁判所とは別に――同時にイスタンブル第13重罪裁判所で行われているメインのIS裁判で容疑者として審理中である。その3人の名前は、ラシット・カラバア、ギョクハン・ブルット、セルダル・サルチャムある。この件で作成された起訴状では、例えば容疑者らの中で現在逃走中であるラシット・カラバアについて、以下のような罪状が指摘されている。 「Facebookのアカウントで軍服を着用して撮影された写真が存在し、他にISのシンボルの画像が発見されており、友人の中にかなりの数で ISのためプロパガンダを目的とした共有を行っている人間がいることが証明された。」

これらの出来事をすべて並べると、ボズダア法相が本紙をターゲットにした非難は誤った根拠に基づいている。本紙は昨日のニュースでトルコがISを支援するかのような印象を作りだすことを目的としては動いていなかった。真実を書き、ただ新聞記者としての務め全うしただけなのである。本紙はいかなる時もテロ、ISを含めた全テロ組織に反対してきた。この態度を報道によって最も明確に提示したのである。

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( 翻訳者:市野太音 )
( 記事ID:40437 )