モハメド・アリ葬儀、エルドアン式典不参加の舞台裏
2016年06月11日付 Hurriyet 紙


モハメド・アリさんの葬儀参加のためアメリカを訪れたタイイプ・エルドアン大統領は2日目の式典に参加せず、これはアリさんの命名権を取得したマーケティング会社の対応が原因となった。モハメド・アリさんの友人はエルドアン大統領の参加したイフタールで不手際について謝罪した。

アメリカのルイビルで行われた世界的に有名なボクサー、モハメド・アリさんの葬儀での最初の不手際が前の日の追悼の祈りの際にあったことがわかった。祈りの場所で整列がきちんとなされなかった。式典に参加したタイイプ・エルドアン大統領、ベラト・アルバイラク・エネルギー相、チャータイ・クルチ・青 年・スポーツ相と一行が棺のある場所に向かう際、混乱が起こった。

その後、エルドアン大統領は式典に参加した他のイスラム教徒のリーダーたちの提案で、持ち込んだカーバ神殿の布の一部をアリさんの棺の上に置くことを希望した。しかし式典を取り仕切るイマーム、ザイド・シャキル氏は棺の神聖さを守るために認めなかった。

■同じ混乱が起きてはならない

棺と参列者の間に警官が配備されたこともトルコ人一行を不快にしたもう一つの要因だった。当初は昨日の式典でエルドアン大統領が弔辞を読み上げると発表されたが、その後撤回された。これらが次々と起こったことで、エルドアン大統領は2日目(昨日)の式典まで残る必要はないと決断した。大統領府筋はヒュッリイェト紙に対し「大統領は式典に参加するために多くの予定をキャンセルした。初日の混乱の翌日に同じ混乱に遭う必要はないと決断された」と述べた。

■お土産も渡せず

運営の不手際はモハメド・アリさんの記念館として建てられたモハメド・アリ・センターでも続いた。エルドアン大統領はアリさんの家族に渡すために持参した お土産を家族の1人に渡すために約15分間部屋で待たされた。しかしその後ドナルド・ラッセル館長は、お土産を受け取りに来たアリさんの第2夫人、ベリン ダ・ボイドさんとの間の娘、ジャミーラ・アリさんが、家族を代表してお土産を受け取らないと明らかにした。混乱はアリさんの4人目で最後の夫人のヨラン ダ・ウィリアムさんが原因だと分かった一方、エルドアン大統領はお土産を渡せなかった。

モハメド・アリさんの友人で初日の式典で一列目にいた人物はエルドアン大統領がルイスビルで参加したイフタールに参加し、起こった問題について大統領府の関係者に謝罪した。この人物は「これまでの混乱について私たち皆が申し訳なく思っています。ただ、責任はマーケティング会社にあります」と述べた。3年前 にモハメド・アリさんの商品の権利を購入したオーセンティック・ブランズ・グループがエルドアン大統領の弔辞取り消しとカーバ神殿の布を置くことを認めなかったことに責任があると主張された。

■博物館を見学

タイイプ・エルドアン大統領はルイビルのモハメド・アリ記念館を訪問した。見学にはエミネ夫人と一行も参加し、エルドアン大統領は記念館職員から記念館に ついての情報を得た。記念館を訪れた多くの人がエルドアン大統領夫妻と記念写真をとった。エルドアン大統領は記念館の出口で外国人記者たちの質問に答え、 モハメド・アリさんの自由と戦争の対立に関する見本となる闘いに言及し、「この闘いを今日まで続けた彼を遠くから見守ることは正しくなかった。イスラムの兄弟として葬儀に参列することが自分のためにも国民のためにも任務だと思った」と述べた。

タイイプ・エルドアン大統領はモハメド・アリの葬儀のために訪問したアメリカで、ケンタッキーにあるアフスカ・トルコ人センターで行われたイフタールイベ ントに参加した。エルドアン大統領は自分たちが同じ歓談の場にいると説明し、「アメリカのようなイスラム教徒がマイノリティーの国でこのような場に集まれることはこの上ない幸せだと言えるだろう。そのための皆さんの協力や助けを非常に重視しています」と述べた。エルドアン大統領はウクライナのアフスカ・ト ルコ人が死の脅威にさらされているとし、「私たちはこの兄弟の一部をエルズィンジャン県のウズムルへ、一部をビトリス県のアフラトに受け入れている。 330世帯ほどの家族が来ている。今後も来る人たちを私たちは様々な場所に受け入れ続ける。なぜなら私たちは彼らをあの戦火の中に放置しないからだ。同様 にシリアやイラクの兄弟のことも見過ごさない。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:40661 )