トルコ,児童労働の惨状―90万?
2016年06月12日付 Hurriyet紙

トルコには100万人近く6~17歳の児童労働者がいる。しかし厳しい状況はこれだけではない。内戦で発生した危機から逃れてトルコに避難した難民の子どもたちが加わり、児童労働者問題はより深刻化している。

 国際労働機関(ILO)の発表によれば、世界には1億6800万人の児童労働者がいる。トルコ統計機構(TÜİK)の2012年のデータによれば、トルコには6~17歳までで89万3000人の働く子どもがいる。トルコの児童労働者たちは教育の権利を享受できておらず、また肉体的・精神的な発達の停滞や、仕事に起因する怪我・身体の損傷、搾取、悪用、ネグレクトといった問題に直面している。生活支援組合はイスタンブル情報大学の移民活動適用調査センターとUNICEFと共同で、2016年3月に行われた「トルコの児童労働問題-シリアから来た難民たちの現状と解決策の提案」カンファレンスのレポートを用意した。カンファレンスでのプレゼンテーションと、生活支援組合の「この労働は子どものおもちゃではない」と題するパンフレットを参照して用意された75ページに及ぶ調査レポートでの主な意見は以下のように要約される。

■多くが危険な職で働いている

・TÜİKの「統計による子ども2014年レポート」によると、トルコで恒常的に貧困線の下で生きる1700万人のおよそ半分が子どもで構成されている。

・TÜİKの2012年のデータは、トルコで生きる約100万人の子どもの労働者の大多数が危険な重労働を行っていることを示している。約40万人の子どもが、季節ごとに移動して農場で働き、何か月にも渡って学校や家から遠く離れた所で生活を続けている。
・トルコで続く子どもの労働問題は142万人のシリアの子どもが内戦で発生した危機から逃げてトルコに避難したことで次第に大きくなっている。移動農場に、その数40万の児童労働者にシリア人も加わったことで、農業部門で働く子どもの数は増加したと見られている。

■働かないことは最も基本的な人権

 国際労働機関(ILO)は6月12日の児童労働反対世界デーのためのパンフレットを発行した。今年のテーマは「サプライチェーンで児童労働を終わらせる」だった。パンフレットでは「子どもの時に働かないことは基本的人権である」と述べられ、児童労働の原因として以下のことを挙げる。
・多くの場合、根本には貧困がある。
・児童労働は労働者と雇い主の関係が弱く、組織する自由がない、また登録外の家族経営が児童労働者の代わりに成人の労働者を雇えるような力を持っていない状態にあるのがより多く見られる。

■トルコにおけるシリア人の児童についてのデータ
・シリア人の登録者数:262万1千人
・シリア人児童の登録者数:142万340人
・就学年齢の児童数:85万人
・教育を受ける権利を得られていない児童数:50万人
・直近5年でトルコで生まれ、今後教育を受け始める幼児数:20万人

■1日12時間、週6日労働で100リラ

 アメリカのAP通信が、ガーズィアンテプで学校に行く代わりに織物と靴の工房で働かなくてはならない子どもたちについてのルポルタージュを発行した。アレッポ人のアフメト君(11)はシリアの児童労働者の一人だが…週6日、毎日12時間働いて、100トルコリラ(約3600円)を貰っている。アフメト君は「仕事から帰って、食事して、家族と話して、その後寝るんだ」と話す。父親のヤフヤ・エブベキルさんも息子と共に働いている。ヤフヤさんは息子を学校に行かせたいと思っているが、「私たちに選択肢はありません」と語る。

■罰金処分をうけたのは僅か27事業所

労働社会保障省は、シリア人を対象に試験的に5県で調査を行い、2194人の児童労働者を特定した。
・2013年に労働調査の結果、49事業所が就業最低年齢以下の労働者を働かせていたとして罰金処分を受けた。しかし2015年の罰金処分件数は27件に落ちている。

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(翻訳者:伊藤梓子)
(記事ID:40665)