モロッコ:市民団体によるイスラエル産デーツボイコットキャンペーンが実を結ぶ
2016年06月20日付 al-Quds al-Arabi 紙


■モロッコの市民団体によるイスラエル産デーツボイコットキャンペーンが実を結ぶ

【ラバート:本紙=マフムード・マウルーフ特派員】

モロッコのイスラエル産デーツのボイコット・キャンペーンが影響力を発揮している。このキャンペーンは、イスラエル産品ボイコットにたずさわるモロッコの諸市民団体や活動家たちによって行われており、彼らによればキャンペーンは成功しているという。

パレスチナの諸団体はこのキャンペーンを称賛して、次のように述べた。「私たちはモロッコにおけるイスラエル産品ボイコット運動―”BDS Moroc”―の尽力に敬意を表し、同運動がイスラエル産と呼んでいるマジュールデーツのボイコット・キャンペーンを支援する。」

支持団体には、パレスチナ農民連合、パレスチナ農業技師組合連合、パレスチナデーツ評議会、パレスチナ土地防衛同盟、分離壁・入植地と闘うパレスチナ青年キャンペーンのすべてが含まれ、声明で以下のように述べた。「ラマダーン月に入ってデーツの需要が高まるなか、友好国モロッコを含む一部のアラブ市場でイスラエル産デーツが売られているというニュースが届いてはいるが、私たちはモロッコの人々が、民族解放、祖国帰還、民族自決権達成のため戦っているわれわれパレスチナ人にとってもっと身近な諸人民の一部であることを確信している。」

モロッコの市民団体は「デーツの売上金は占領国家イスラエルの国庫に入り、イスラエル経済を潤すことになる。デーツのほとんどが占領されたパレスチナの土地―特にヨルダン渓谷―に建設されたイスラエル入植地で生産されている」のを理由として、すべてのイスラエル製品―特にデーツ―をボイコットするように商人や市民に求めている。一方パレスチナの諸団体は、「イスラエル市場で売られているデーツの60%以上は、被占領地パレスチナの土地に建設されたイスラエル入植地において生産されている。イスラエルは世界のマジュールデーツの取引を支配しているが、取引量の半分以上がイスラエル入植地産である」ことを明らかにした。

(中略)

モロッコの市民団体によれば、モロッコ市場に密かに流入するイスラエル産デーツのボイコット・キャンペーンは成功しており、さらに、「強奪的機構」(イスラエル国家のこと―訳者)を支えているイスラエル産品のすべてのボイコットに取り組むことを決めているという。人権活動家で、このボイコット・キャンペーンの一翼を担う「パレスチナための民族活動連合」の元コーディネーターであるハーリド・サフヤーニー氏は、「この件について何も知らなかった商人たちの多くが、イスラエル産デーツの取引を拒否するにいたった」と語った。

一方で同氏は、次のように続けた。「モロッコでは、イスラエル産品ボイコットへの疑問とボイコットの普及に対する抵抗は続くことだろう。モロッコでのボイコット・キャンペーンの普及に熱心に取り組む様々な組織が諸方面からあらわれるたびに、それらへの抵抗もまた存在し続けるだろう。」

ムスタファー・ハルフィー交通大臣は、モロッコ政府の公式発言者として、「政府首相は、イスラエル製品のボイコットおよびモロッコ国内流入禁止を唱えているモロッコ諸団体とこの問題をめぐってすでに話し合った」と述べ、「様々な銘柄の商品の輸入を扱う仲介業者たちが存在するために、イスラエル産品のモロッコ市場流入を監視するのは困難である。そうした中で、この取り組みは(イスラエル産品)阻止にむけての挑戦である」とつけ加えた。

(後略)

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( 翻訳者:甲斐江里子 )
( 記事ID:40711 )