アヤソフィアに新たな火種
2016年06月10日付 Hurriyet 紙


ギリシャ政府は、アヤソフィア博物館からサフル・プログラム(訳註:ラマザン月の夜明け前の時間帯の放送)を放送することに強い反発を示す一方、ギリシャ外務大臣のニコス・コスヤス氏は「アヤソフィアで何が行われるのか確認したいと思っている。そのため駐イスタンブル領事が朝3時にアヤソフィアに向かった」と述べた。ヒュリエット紙はギリシャのイスタンブル総領事エヴァンゲロス・セケリス氏が月曜の朝アヤソフィアがある地区に向かったことがわかった。

TRT宗教チャンネルが、ラマザン月のあいだアヤソフィア博物館からサフル放送を行うことに反発を示したギリシャが、駐イスタンブル領事を、何が起こっているのか直接その場所で確認するため、問題の神聖な場所に派遣したことが明らかとなった。ギリシャ外務大臣のニコス・コスヤス氏は、アルファ・ラジオのインタビューで、「最初の我々の声明の時は、我々は警戒していた。なぜなら、まずアヤソフィアで何が起こるのかを知りたいと思ったからだ。このため駐イスタンブル領事が朝3時にあの場所に向かった。そのあとの我々の声明の中では、我々はより強い態度を取った。文化に敬意が払われないことで、我々は不快に感じた」と語った。ヒュリエット紙が入手した情報によると、ギリシャの駐イスタンブル総領事エヴァンゲロス・セケリス氏は先の月曜日にアヤソフィア地区へ出向いた。

トルコは厄介な隣人

トルコで政権を取っている一部の人々は、時折まだ21世紀になっていないかのような行動をとると語ったコスヤス氏は「次のように思っているが、トルコで一部の人々は良きムスリムであるというパフォーマンスや聖なる場所をモスクに変えるといったパフォーマンスをしている。他の一部の人々も世界に、トルコ国内で望むことをすべて行っているということを示そうとしている」と語った。「こうした状況は本来自信ではなく、自信不足を示している。自分自身に自信があるなら、あの大地にある世界文化遺産に敬意を払うものであり、こうした遺産に品のない形でアプローチすることはないと思う」と述べたコスヤス氏は以下のように続けた。

トルコはいくつかの好ましい行動を取ってきた。例えば長い時間がかかったが、イズミルで宗教的(キリスト教)礼拝式が実現している。総主教や府主教がトルコで捨て去られた教会で礼拝を取り仕切ることができるよう認めてくれた。ギョクチェアダでルーム中学校が新たに開校された。これらは前向きなものである。しかしアヤソフィアに関する一連の行動は評価できない。これはトルコの矛盾を示している。エルドアン大統領はトルコでとくに力のある人物であり続けている。しかしエルドアン大統領のリーダーシップのもとにある軍隊は同時に4つの戦争を一度に進めたので、新たな問題を引き起こしている。軍はギュレン派、トルコの中のクルド人、トルコの外のイラクとシリアで戦争をしている。トルコは厄介な隣人である」

ギリシャのマスコミ:アメリカがアヤソフィア関連の呼びかけを行った

ギリシャのマスコミはアメリカ国務省報道官補佐のマーク・トネル氏が外国新聞記者に行ったブリーフィングでの質問に対し、アヤソフィアをめぐる緊張関係にコメントしたと報じた。これによるとマーク・トネル氏はギリシャ人の新聞記者が「トルコ政府を、アヤソフィアをモスクに変えようとしている」と語ったことに対し、「アメリカにとって特別な重要性を持っている遺産である。トルコ政府に伝統や歴史に敬意を払う形でアヤソフィアを守るようお願いする」と返答した。しかしトネル氏のものとされるこれらの発言は、アメリカ国務省のブリーフィングに関して公表された資料の中には、昨日の段階では見つけることはできなかった。

以前にも放送はされていた

ビザンツ皇帝ユスチニアヌス(527-565)により教会として建設されたアヤソフィアは、ファーティフメフメト2世がイスタンブルを征服した後、1453年にモスクに変えられていた。1930-35年の修復の後、博物館として公開された。TRT関係者は、2011年にアヤソフィアの中でコーランが読み上げられたこと、「サフルの祈り」という番組がつくられたことを報告してくれた。ギリシャは週の初めユネスコの世界遺産の一つであるアヤソフィアがモスクに変えられるよう希望されているとして反発を示していた。トルコ外務省の報道官タンジュ・ビルギチュはアテネからの反発に、水曜日「ギリシャに、冷静になるようお願いする」との発表を行った。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:40717 )