ペルセポリスのレリーフに女性の姿はなし―考古学者、ヘジャーブ普及用の看板に疑問(3)
2016年05月26日付 Iran 紙
ポンペイのモザイク画
ポンペイのモザイク画

 同氏はペルセポリスの碑文を基に、大規模な随行団を引き連れ、時には〔王を伴わず〕単独で旅をするアケメネス朝の女王がいたことを指摘している。〔‥‥〕同氏は女性の姿が描かれていないもう一つの理由を、次のように挙げている。「アケメネス朝の宮廷に捧げ物を献上するために訪問した一団に女性が同行することは、通常なかったのです」。

ダマーヴァンドの看板はだれのもの?

 このレリーフが男性を描いたものであることに関し、考古学者で疑いをもつものはいない。しかし彼らがゾロアスター教の司祭なのか、それとも召使であるのかについては、見解の相違が存在する。

 アサディー氏はレリーフの人物の顔を覆っている布について、次のように述べている。「ゾロアスター教徒は火を汚さないために、布を顔にかぶっていました。『パナーム』と呼ばれるものです」。

 とはいえ、同氏は最終的に、このレリーフは〔ゾロアスター教の司祭ではなく〕ペルシア人の着る普通の服を身にまとい、顔の一部を覆った、ペルセポリスに勤める召使いを描いたものだとの見解を示している。頭を覆っているのも、「バーショログ」(フード)として知られているものである。

 アサディー氏は別の証拠も挙げている。同氏はアケメネス朝のダレイオスとアレクサンドロスの戦争を描いている「ポンペイのモザイク画」のシーンについて触れ、次のように述べている。

ダレイオスもこの絵の中で、顔を覆う帽子をかぶっています。つまり帽子の一部分が彼の顔の上に巻き付いています。ペルセポリスのレリーフで覆いを被った人の顔にあごひげがないのは、その人が女性であるからではなく、むしろ宮廷の宦官、あるいは少年の召使いだからなのです。

 ダマーヴァンド市は、この看板に関するイラン紙記者の取材に対し、「これはインタラクティブな文化活動の一つです。私どもはある機関に、この種の活動をするための空間を提供しただけで、その内容には立ち入っていません」と答えている。

Tweet
シェア


この記事の冒頭に戻る
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:NO )
( 記事ID:40726 )