エジプト:ラマダーンの伝統と変化
2016年06月23日付 al-Hayat 紙


■「ラマダーン・バッグ」:変わらないエジプトの古き伝統

【カイロ:ヒバ・ヤースィーン】

ラマダーン月がエジプトで始まった。ラマダーンに伴う慣習には、何百年も前から継続するものもあれば、過去数十年で新たに変化したものもある。おそらく最も顕著な変化といえば、この恵み深き月に先立って行われ、ラマダーン月の間継続して行われ、いまや新たな慣習の一つとなりつつある「ラマダーン・バッグ」の配布である。バッグの中には油や砂糖、米のような家事に必須のものが入っていて、中身の量や内容は様々である。多くの人々はこのラマダーン的な慣習を行いたいと考えており、バッグを貧困者や親族、知人、さらには必要としていない者にも分け与える。

ラマダーン・バッグの価値は、その中に含まれるものや品物の質・種類によって様々である。エジプトでは今年、油や砂糖、米といった一部の商品の大幅な値上げが見られ、これら商品の値段はここ数ヶ月で倍増している。その上、「ラマダーン用のドライフルーツ」も、価格の上昇が見られる。これは、エジプトの市場に流通するドライフルーツの多くが、戦争に苦しむシリアからの輸入品であったからである。このため、ソーシャル・ネットワーキング・サイトでは抗議を訴える声が上がり、そのいくつかは政治的な動きを持つに至っている。シリア製品の生産・輸出の停止後、トルコからの輸入が見られるようになった。〔しかし〕エジプト人の多くは、トルコがエジプトに敵意を抱いていると思っている。

このような食料品の価格上昇にもかかわらず、店には商品が積み上げられ、店内は大変な混雑状況にある。加えて、人目を引くラマダーンの装飾も見られる。また、一部の大型店では、ラマダーンに関係する伝統的な歌を流している。たとえば、「ハーロー・ヤー・ハーロー」〔「ラマダーンが来た」の歌詞で定番の曲〕や、女性歌手のサバーフが歌う「ラゲル・ダ・ハィガンネンニー〔その男が私を狂わせる〕」、喜びの三人組が歌う「アホ・ゲー・ヤー・ウラード〔ほら、(パパが)帰ってきたよ、子どもたち〕」などである。

(後略)

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( 翻訳者:勅使河原佳野 )
( 記事ID:40731 )