ヨルダン:シリア反体制派用武器窃盗事件を受け、「治安改革」
2016年06月28日付 al-Quds al-Arabi 紙


■シリア反体制派戦闘員用の武器をヨルダン総合情報部職員が窃盗したことが明らかになり、ヨルダンで「治安改革」か

【ロンドン:本紙】

「ニューヨークタイムズ」紙はアメリカとヨルダン責任筋との取材をもとに、ヨルダン総合情報部の職員が、アメリカとCIAとサウジアラビアのGIPからシリア反体制派戦闘員用にヨルダンに送られた武器を窃盗し、闇市の武器商人に販売していたと伝えた。

また、同紙と「アル=ジャジーラ」の合同調査によると、盗まれた武器の一部は2015年11月にアンマンの警察訓練施設で起きた発砲事件で使用されていたという。同事件で、アメリカ人2人、他3人が殺害された。

「ニューヨークタイムズ」紙によると、こうした武器の窃盗はアメリカとサウジアラビアの両政府から非難を受けて数ヶ月前に停止されたものの、これにより武器取引の闇市に新型の武器が大量に流れたという。

さらに同紙はヨルダンの責任筋への取材をもとにして、以下のように伝えた。この計画に関与したヨルダン人将校らは、武器販売により「予期せぬ儲けを得て」、その資金でiPhoneの機材やスポーツカー、その他の奢侈品を購入したという。

この同紙の報告は、ヨルダン国内で大規模な騒ぎを引き起こし、その数時間後、国内ではいくつかの治安上級職で人事異動が実施される期待が高まった。

また、いくつかの「治安」事件により、ヨルダン国内における治安機関に関連する構造改革について考える必要性が生じた。

一方、ヨルダン外交高等筋によると、「ニューヨークタイムズ」紙が今回のシリアへの武器輸送取引にかかる汚職について昨日(27日)報道する以前から、ヨルダンでは構造改革を実施する意向が十分にあったとのことである。なお、今回の汚職事件には、治安機関に勤務する低級職員と思しき人物が関与しているとされる。

しかし、著名なアメリカ紙の発表により、特に最近のヨルダンで発生した一連の治安事件を受けて、この改革は加速するかもしれない。

(後略)

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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:40763 )