パレスチナ:イードの最中に巨大な牢獄と化したパレスチナ
2016年07月10日付 al-Hayat 紙


2016年07月10日付 al-Hayat紙

■イードの最中に巨大な牢獄と化したパレスチナ

[ラーマッラー:本紙]
イスラエル当局はパレスチナ人に対する地域間移動およびイスラエル国内立ち入り制限の規則を、ムスリム住民に対してはイード・フィトル(断食明けの祝い)とイード・アドハー(犠牲祭)の間だけ、またキリスト教徒住民にはイード・ミーラード(クリスマス)に限って緩めるよう努めてきた。しかし、イスラエル当局の今年のイード・フィトルへの対応はいつもとは異なり、パレスチナ人の地域間移動とイスラエル国内立ち入りに対して厳しい制限を課した。

イスラエル当局は、ラマダーン月の最中にパレスチナ人8万人のイスラエル入国許可証を撤回し、断食明け直前には、ヘブロン近郊のアラブの町バニー・ナイームの住人3500人のイスラエル国内就労許可証を撤回した。またイスラエル当局は、ヨルダン川西岸の住民に対して許可済みのイード・フィトル限りのイスラエル国内立ち入り許可および500人分のベン・グリオン国際空港経由の出国許可を取り消した。

何人かのパレスチナの住民たちは、イード期間中にイスラエルの親戚を訪問するために前もって入国許可証を取得したにもかかわらず、イスラエル当局によってイスラエル入国を拒否されたと語った。一方、ジャーナリストで衛星テレビ局「アル=アラビーヤ」のヨルダン川西岸特派員のアブドゥルハフィーズ・ジャウワーン氏は、イードの初日イェルサレム市北側境界のカランディ―ヤ軍事検問所において、イスラエル軍兵士に足止めされたうえに持っている許可証を引き裂かれた、と述べた。さらに同氏はフェイスブック上に次のように書いた。「ジャウワーンは<1948年境界線の地(イスラエル―訳者註)>出身のパレスチナ人女性を妻としており、彼はいまハイファにいる妻の家族を訪問するためイスラエルに向かう途中である。イスラエルの女性兵士はそのことを知りながら、私に「家へ戻れ」と告げた。」

(後略)

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( 翻訳者:平岩里佳子 )
( 記事ID:40836 )