シリア人に聞く、トルコ国籍問題
2016年07月13日付 Milliyet 紙


イスタンブルのファティフで新生活を始めるシリア人らへ、トルコ国籍取得についての意見を尋ねた。中には肯定的な意見もあり、それよりもまず生活を容易にする他の対策が取られることを望む意見もある。多くの人は戦争が終われば、国へ帰ると話している。そして国籍問題に関する議論の中で自分たちに向けられた否定的な反応に不快感を抱いている。

トルコ版アル・ジャズィーラのジャン・ハサス記者の報道によると、シリア出身のマフムト・ダッカクさんは、25歳である。トルコへは3年前に来て、ファティフで商店を営んでいる。シリア人らへの国籍付与問題によって圧力を感じている。一部のトルコ人客から否定的な反応をされ、不快感を募らせている。
彼は「我々はトルコ人たちから職を奪おう、といってここに来たのではない」と話し、涙をこらえきれない様子だった。彼は以下のように続けている。「ドイツにいる トルコ人でさえ、トルコに帰りたがっている。出稼ぎ労働者は好きじゃないんだ。出稼ぎ労働者は良いものではない。我々はもし国籍を得るとするなら、それはただ、生活をしやすくするために得るのである。シリアにおける混乱が収まり次第すぐに、すべてのシリア人はまた戻る。」

■「私はいつ国へ帰るのだろう?」といつも考える

ベルベル・サイド・サナさんは35歳で2人の子供の父親である。サナさんは、国籍が身分の不安定性を取り除くと話し、「一人のシリア人がトルコ国民となったら、その人はトルコに定住したものと理解され、その人のトルコへの貢献も異なるものとなるだろう。なぜなら、ここで多くの人が抹消され立ち去ったからだ。何をすれば良いか彼らはわからないのだ。例えば私は、この床屋を建てていてもいつも考えている、「いつ帰ろうか?」と」と述べた。

■もっと簡単な道はある

32歳のムタズ・フリさんは、伝統的なシリア料理を提供するレストランのオーナーである。フリさんは、「国籍取得はシリア人が仕事を、渡航をしやすくするためには とても重要な一歩である。しかしそこに至るまでに、トルコ政府にはシリア人らの生活を改善するためにはもっと簡単にできることがある。例えば渡航ビザと労働滞在許可の取得手続きを簡略化するといったことのように」と述べる。

■第二の祖国となるのであれば、我々はその法に従わなければならない

飲食店を経営するベシム・ハジ・ハサンさんは40歳だ。彼の下ではシリア人10名が働いている。ハサンはマイクに向かって以下のように話した。
「ここに移住した。1,2年様子を見る予定だ。もしかしたら、シリアの状況は良くなるかもしれない。改善しなければ最後、ここ(トルコ)を新たな祖国として見なければならない。そのときは法令、決定、税、兵役の義務を果たさなければならない。二番目の祖国となったら、戸籍を移すのなら、我々のすべての権利を得られるならば、義務を果たさなければならない。すべてのトルコ国民のように…」

■何のために我々は働いているのか?月収800リラのため…

21歳のムハンメット・ヌルさんは営業をしている。国籍問題において、シリア人らへの反応に対し批判している。
ヌルさんは、「シリア人は誰からも国籍を望んでなかった。我々に色々な手続きを行ううえで必要な身分証明書を与えてくれれば、それ以上必要ない。今日戦争が終われば、シリア人は家具などをすべて手放し、国へ戻る。シリア人は何のために働いているのか。朝から晩まで800リラの月収のために我々は働いている。二人で一つの家に住めなければ月末を迎えることができない。800リラを得、家賃1200リラなのである」と話す。

■唯一の問題は、我々が詳細を知らないことである

マヒル・バルトさんは51歳で商店主である。国籍問題の詳細に興味を持っている。バルトさんの見解は以下の通りである。
「エルドアン大統領の会見を、私はとてもポジティブにとらえた。特にもう二度とシリアへ戻る予定の者らにとっては。唯一の問題は、我々が知らないその詳細だ。トルコでは300万人のシリア人がいる。(国籍取得対象者は)彼ら全てを含むのか、それとも特定の一部なのか?シリア人は勤勉な人たちである。トルコの将来に貢献すると考えても間違ってはいないだろう。」

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( 翻訳者:内山千尋 )
( 記事ID:40861 )