イスタンブルで第40回世界遺産会議、開催
2016年07月11日付 Cumhuriyet紙


第40回世界遺産会議においては、アニ、ディヤルバクル、シリアでの不法な発掘・略奪など多くのトピックが議題となった。

イスタンブル・コンベンションセンターで7月20日まで開催されるユネスコ第40回世界遺産会議は、昨日(7月10日)国際的な記者会見を開いた。また、会議の前日の晩に行われた開会式典では、著名なネイ奏者・作曲家であるクドゥスィ・エルグネル氏が、ユネスコのイリナ・ボコヴァ会長より『平和芸術家』の称号 を与えられた。会議にはユネスコ世界遺産保護センターのメチルド・ロスラー代表、世界遺産委員会のラーレ・ウルケル会長代理、フランチェスコ・バンダリン・ユネスコ総長補佐が参加し、ジョージ・パパジャニス氏が統括した。

■アニでの協働を強調

ユネスコ会議では、トルコ・アルメニア国境アニ遺跡の『世界文化遺産』候補地リスト採択可否が議題となった。この件に関しロスラー代表は、次のように述べた。「アニ遺跡に関する会議が今週末行われ、この地域が『世界文化遺産』リストに採択されるかいなか決定がくだされる。ご存知の通り、このリストの作成に おける共通の精神は、協働にかかっている。我々は決定が明らかになれば、展開を追う、この方向で今のところは完全に会議の決定による。」

■『遺産リスト』の経済

ロスラー代表は、リストに含まれる場所がその国の経済へ観光面の貢献をもたらすと強調した。また、リヨンで28%の経済成長につながったと述べ、日本でもある地点で、世界文化遺産リストに採択のち200%の『好景気』が起こったと強調した。
会議では、歴史的ディヤルバクル城とスリチ(城壁内)地区で発生している暴力事件に対して当地域に懸念を持つかどうかという質問が出席者に向けられた。ロスラー代表は、昨年ドイツ・ボンで開催されたユネスコ会議でもこの問題が議題となったといい、この状況がミクロネシアなど世界の同様な場所でも発生しており、ユネスコ委員会がこの問題を注視していると述べた。

■シリアでは深刻な事態

会議ではシリアの状況も改めて話題になる中、ロスラー代表はシリアには、『世界文化遺産』危険地域リストに6地域が含まれていると述べた。ロスラー代表は、自身もパルミラを訪問したといい、今後にむけて新たなリストも準備してあり、この件についてバンダリン氏とともに取り組んでいると説明した。ロスラー代表は内戦地域であるため、この取り組みが非常に難しい状況にあるとし、パルミラ博物館が非常に甚大な被害を受けていること、現在もISがこの地域へ大量の仕掛け爆弾や爆発物を設置していることも強調した。ユネスコ関係者は、この理由でユネスコ職員やシリアからの専門家を保護することについても大変尽力していると述べた。

■すべての非政府組織に開かれている

一方ロスラー代表は、『世界文化遺産』の保護について個人にも役割があり、機関としてこの件について世界中から報告のeメール、書類、写真を目にしてきたと述べた。ユネスコ関係者は、これらの情報を確認するために活動してきたと述べ、このプロセスにおいて非政府組織にも大きな責任があり、たとえばアフリカ で多くの成功事例がみられたと説明した。会議では、フランチェスコ・バンダリン氏がイスタンブルで開催が予定される『カルシュ(対抗)・フォーラム』への見解にも触れ、「組織として、あらゆる非政府組織と交流・対話のドアを開いている」と約束した。

■ヘヴセル田園地帯と城壁地区の状況

イベントでスピーチをしたラーレ・ウルケル大使も、再度ある質問に対して、軍事作戦のため被害を受けたディヤルバクル城や城壁地区、ヘヴセル田園地帯の現状を『公式に』次のように表現した。「2015年末にテロ組織によって開始された攻撃の結果として、当該地域の文化財が被害を受けた。1972年の関連ユネスコ条約にもとづき、担当機関が関連する地域で活動しはじめた。そこで公共の安定化のために治安部隊による軍事作戦が遂行された。このプロセスを通して われわれがこの件に慎重に対応し、地域でいかなる被害を受けることを望まず、状況を追っているという情報がユネスコに伝えられた。文化観光省が60人の専 門家とともに調査を行い用意した事前レポートがユネスコ事務局と世界遺産センターに共有された。
(中略)関連地域の保護と復興のためできる限りのことをしている。そもそもこの会議の議長国であるトルコからもそれ以外のことを予期すべきではない。」イベントでは「世界遺産保護に関するイスタンブル通達」も一般公開された。この通達で、不法発掘にくわえ歴史文化財の略奪と不法取引の増加に対する深刻な懸 念が強調された。さらに、保護活動以前の金銭的・人的資本の不足もあげ、締約国にたいしてもこの制約おける責任が喚起された。

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(翻訳者:吉岡春菜)
(記事ID:40868)