まもなくトルコ・ロシア首脳会議、何が起こるか?
2016年08月07日付 Hurriyet 紙

エルドアン大統領は、8月9日、7月15日に起こったクーデターの企ての後、初の外遊先としてロシアを訪問する。

11月24日、作戦中のロシア機が領空侵犯により撃墜されたことで危機が発生した。エルドアン大統領とロシアのプーチン大統領はそれ以降初めて会談をおこなう。エルドアン大統領は、6月27日、遺憾の意を表する手紙をプーチン大統領に送り、その後両国関係の正常化のため一部措置が講じられた。サンクトペテルブルク首脳会談もこのような形で準備された。ロシア政府は「首脳会談で何らかの文書や合意が調印されるという準備はなされていない。関係正常化の過程について話し合う。ロードマップが明らかになる」という声明を発した。

■エルドアン大統領に穏健なメッセージ

プーチン大統領の外交顧問であるユリー・ウシャコフ氏は「エルドアン大統領は、トルコ国内の内政が非常に混乱している時期にロシア訪問を実現させた。このため我々ロシアは、トルコが両国関係を一刻も早く正常化しようと望んでいるのを真に信じている」と発言し、注目に値する。会談での議題は、二国間関係から国際的な危機、経済から観光業、貿易から天然ガスまでの広い範囲に及ぼう。

■航空機に対する補償がなされる

ウシャモフ氏は、撃墜されたロシア機・SU-24戦闘機に対する補償の要求も議題になると明らかにした。ウシャモフ氏は「補償に関する話題を出す。全ての項目で合意に達した後、来年は関係正常化の最も重要な歩みとされる両国の高次レベル評議会の日付が明らかにされる。前回の評議会はトルコでなされたため、次回はロシアで行われる予定だ」と述べた。

■チャーター便の決定がなされうる

ロシア人旅行者のトルコ訪問も、会談で重要な位置を占めているという。ロシア政府側の責任者であるウシャコフ氏は「観光という文脈では、トルコ側はチャーター便の運航開始を非常に重要視している。これに関し、我々に対しトルコ側は安全を保障した。専門家の意見に沿って、決定が待たれている」と述べた。会談では、相互ビザなしの旅行についても決定が下されうる。

■ビジネス業界における会合

サンクトペテルブルク首脳会談では、初めてのこともある。プーチンとエルドアン両大統領は、会談の後に合同記者会見に臨み、その後両国のビジネス業界者と共に会合に参加する。この会合には、ロシア・ガスプロムのアレクセイ・ミラー会長、タタールスタン共和国のルスタム・ミンニハノフ大統領、ロシア輸出業センターのペテル・フラドコフ会長、ロシア直接投資ファンドのキリル・ドミトリーエフ所長、両国の経済閣僚らが参加する。トルコから誰が参加するかは、トルコ政府が明らかにする予定だ。

■シリアも議題に

サミットの前日にモスクワ入りする予定のウミト・ヤルチュン外務副大臣は、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣と会談し、シリアに関して意見交換をする。ロシア側は、トルコがロシア側の条件を受け入れ、シリアでジュネーヴ和平交渉に関するゴーサインを出すよう求めた。トルコ側は、アサド大統領の件について頑なだ。実際にイブラヒム・カルン大統領府報道官は、ロシアの報道機関向けになされた会見で「アサド大統領が大統領職に留まり続けるというのは、シリアで戦闘が継続するということを意味する」と述べ、トルコ政府がこの件で態度を変えないのを明らかにした。シリア、ナゴルノ・カラバフの問題が首脳会談で重要な議題の一部となろう。

■世界も注視

首脳会談前にモスクワでは以下のような雰囲気だ。クーデター後、トルコと西側の関係が全面的に後退している時期に行われるこの会合がどのように進むかが、大きな関心を呼んでいる。昨日、ロイター通信が発表した分析には、エルドアン大統領にとって「この訪問によって、立ち止まって考える機会を西側諸国に与えることを望んでいる可能性がある」というコメントが見受けられた。ロシア国際問題評議会のアンドレイ・コルトゥノフ事務局長のコメントは以下のようである。「エルドアン・プーチン両大統領の会談は、両陣営がどの程度まで妥協する気があるかを示そう。両者がどのような答えを出すか注目される問いは以下のものだ。『現時点での戦術的必要性が生む接近は、より深い戦略的共同に繋がるのか?』」

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:41014 )