ギュレン派魔女狩り、さらに激しく
2016年08月13日付 Cumhuriyet 紙

何年間もジェマート(宗教団体)と闘ってきた人々や民主主義の代弁者らが、フェトゥフッラー系テロ組織(FETÖ)のレッテルを貼られて拘束、解雇、そして財産への圧力をかけられるという事例が増えている。

クーデター未遂事件の後FETÖメンバーに対して始められた一斉捜査が、いまや何年間もジェマートと闘ってきた人々や、ジェマートによって権利を侵害された人々にまで及んでいる。

裁判官・検察官高等委員会(HSYK)が先日発表した648名の裁判官並びに検察官のリストに記載されていたディヤルバクル県のムザッフェル・シャカル裁判官が、昨日裁判所内のオフィスを制圧されて身柄を拘束された。シャカル裁判官が滞在していた宿泊施設も捜査が行われた。シャカル裁判官と彼が共同議長を務めた民主的司法の会は、2010年の国民投票後、司法組織内でジェマートと最も大きな闘いを繰り広げた組織の一つであった。シャカル裁判官は、ジェマートを司法の範疇で適用させるために何十もの文書を記し、また「司法における陰謀の隅石 AKPとジェマート」というタイトルの書籍も執筆している。シャカル裁判官は少し前にディヤルバクル県に左遷されていた。

民主的司法の会で同じく共同議長を務めるオルハンガーズィ・エルテキン氏は、シャカル裁判官の逮捕に厳しい反発の姿勢を示し、「これはトルコの司法の歴史において、アフメト・シュクとネディム・シェネルの事件の再来である」と抗議した。次の段階からは、ジェマートに対する粛清プロセスがすべての反対派を対象とした粛清へと成り果てるだろうと話すエルテキン氏は、「ジェマートが与党であるこの時代において、ジェマートとの闘いを進めてきたトルコ司法界の裁判官の中で、彼は五本指に入る人物だ。もはやこの粛清リストを作成した人々は、自身がジェマートに属する人間であることを証明しなければならない」と述べた。

■署名をした人々の財産への圧力

エスキシェヒルのアナドル大学では署名活動を行ったために解雇された21名の学者らが、社会的権利の継続が明記されていたにもかかわらず、大学をドメイン名とするメールアドレスの使用ができなくなり、クレジットカードの限度額も減額され、そして追加の口座も閉鎖された。ある学者が銀行にお金の引き出しを求めたところ、引き出しは却下され、口座のお金に対してブロックがかけられたという知らせが届いたという。

■HDPメンバーの教授に「FETÖ派」の嫌疑

緑と左派未来の党メンバーであり、前会期中は人民の民主主義党(HDP)の党会議会員であった、署名活動を行った学者の1人であるガーズィ大学コミュニケーション学部の教員べトゥル・ヤラル教授は、「FETÖ派であるという理由で」大学を解雇された。ヤラル教授は、ジェマートの人間であるということを根拠に逮捕された前学長の任期中、教授としての仕事を阻害されたとして裁判を起こし現在の肩書を手に入れていた。同性愛やジェンダーに関する学術研究で知られるヤラル教授は、現在研究のためフランスに滞在している。今回の事件に対する不快感から帰国できずにいると話したヤラル教授の解雇に関しては、諜報機関からの報告書が影響したと伝えられた。同じく署名活動を率先したケマル・イナル教授も大学を解雇されたことは、「署名をした学者らに対する魔女狩りである」と評された。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:41050 )