シリア侵攻のトルコ軍、次の焦点はアル・バーブ
2016年08月28日付 Hurriyet紙

シリアでトルコが支援している自由シリア軍のジェラーブルス作戦の後、アル・バーブに注目が移っている。マンビジュとジェラーブルスから離れたイスラム国(IS)のメンバーは、アル・バーブに集まっている。またアル・バーブは、イスラム国とクルド人民防衛隊(YPG)の目標でもある。アル・バーブは、YPGが自分たちの自治区を繋げるために非常に重要な地域である。自由シリア軍の司令官たちは、YPGの計画を潰すためにアル・バーブを手中におさめたがっている。

トルコが結集させ軍事的支援を行っている自由シリア軍の勢力が、シリアのジェラーブルスをテロ組織のイスラム国から奪還したことで、シリア北部で新たな攻撃への道が開いた。ジェラーブルスの自由シリア軍メンバーと、マンビジュ北部のテロ組織PKK(クルディスタン労働者党;非合法)のシリア支部であるクルド民主統一党(PYD)/YPGが隣り合うことになったのだ。現在、双方の目標にはイスラム国の支配下にあるアル・バーブがある。

■アル・バーブはなぜ重要なのか

アル・バーブは、PYDがトルコ国境で支配下においているジャズィーラとコバーニーの2つの自治区と、ハタイの国境向かいにあるアフリーン自治区を繋げるために非常に重要な位置にある。(アル・バーブは)「ユーフラテスの盾」作戦でイスラム国から奪取されたジェラーブルスの約60キロメートル南にある。8月12日にPYD/YPG指揮下のシリア民主軍(SDG)は、ジェラーブルスの約40キロメートル南にあるマンビジュを奪取したことで、新たな目標はその西にあるアル・バーブになったと発表し、アル・バーブ軍事評議会を設置している。

アル・バーブをトルコが支援する勢力の下に置くと、YPGのクルド回廊計画は大きな打撃を受けるだろう。シリアの反政府派によるニュースサイトであるザマン・アル=ワスルによれば、トルコが支援する自由シリア軍派のグループの司令官の1人であるムハンマド・アブー・イブラヒムは、ジェラーブルスとその周囲の村々が救出された後の次の目標は、アル・バーブをイスラム国から奪還することだと述べた。キリスの国境向かいにあるシリアのアル・ライ(チョバンベイ)でイスラム国と戦っている自由シリア軍派グループの幹部、モロ・ケフェル・ナスフは、およそ10日前に行われた会見で、アル・バーブへYPGよりも先に到達したいと話していた。

ナスフは、「我々の目標は、ただチョバンベイを得ることだけではありません。我々はシリア民主軍(SDG)と競合状態にあります。この分離勢力はアフリーンへ辿り着けるよう時間と戦っています。我々は、チョバンベイの拠点を完全な支配下に置くことでアル・バーブへとさらに近づき、アル・バーブを解放します」と話していた。元特殊部隊員でアナリストのメティン・ギュルジャンは、Twitter上に投稿した論評の中で、アル・バーブがイスラム国からYPGの手に渡るのか、あるいはアンカラ政府の支援する自由シリア軍の手に渡るのかという問題の結果と、この問題に対するアメリカとロシアの態度が、シリア北部の未来を左右するだろうと述べ た。

注:トルコ国境から約30キロメートル離れた、イスラム国の支配下にあるアル・バーブは、SDGの支配下にあるマンビジュとアレッポの間に位置している。エアル・バーブは、マンビジュの45キロメートル西、ジェラーブルスの60キロメートル南にある。アル・バーブが自由シリア軍の手に渡れば、アサド政権が支配権を確立させようとしているアレッポで反政府派の勢力が強まる可能性がある。

■自由シリア軍から異なる声明

その一方、トルコが支援する自由シリア軍の司令官たちの間では、ジェラーブルスの次の目標は、アル・バーブなのか、マレなのかという点が一致していない。 ジェラーブルスにおける自由シリア軍の司令官であるムハンマド・アブー・イブラヒムがアル・バーブへの作戦を示唆する一方、一昨日26日イギリスのロイター通信社の取材を受けた自由シリア軍の司令官の1人アフマド・オスマン大佐は、「我々が優先するのは、ジェラーブルスからアル・ライ(チョバンベイ)方面へ向かいマレへ至ることである」と述べていた。ジェラーブルスの自由シリア軍派であるムタッスム旅団の指導者ムスタファ・セジャリは、西へまっすぐ進むと話す中、アル・バーブではなくマレの名を挙げた。セジャリは、「ジェラーブルスをマレへ繋げるまで我々は止まらない」と述べた。昨日27日には、自由シリア軍が、ジェラーブルスからアル・ライのへ向かう方角にある一部の村を奪取したとの報が入った。

■イスラム国からイギリス人の子どもを用いたプロパガンダ

テロ組織イスラム国は、イギリス人であるとされる1人を含む合計5人の男児がシリアで捕虜を殺害した際に撮影された動画を公開した。ビデオでは子どもたちのコードネームが書かれている。この中に、アブー・アブドゥッラー・アル・ブリターニーという名前の子どもがいる。10歳だと思われるこの子どもがイギリス 人であると推測されている。イスラム国は、メンバーにコードネームを与える際、どの国からやって来たのか、あるいは民族的な出自を表す名前を指定する。件の子どもに与えられたブリターニーという名前は、ブリタニア出身という意味を持っている。ビデオの子どもの身元に関する公式の発表はない。これは、イスラム国が欧米の子どもを利用した最初のプロパカンダ・ビデオであると考えられている。イギリスのデイリー・メール紙は、ビデオの子どもは2年前にイスラム国に加入するためにシリアへ渡ったサリー・ジョーンズ(47)という名の女性の息子である可能性があると推測している。青年期には小さなロック・バンドに所属していたサリー・ジョーンズは、後にシリアの恋人のもとへ向かい、イスラム国へ加入した。

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(翻訳者:粕川葵)
(記事ID:41116)