PKK104 人、死亡ーハッキャーリ・チュクルジャ
2016年09月04日付 Hurriyet 紙

トルコ軍(TSK)がPKKテロとの戦闘を東部~南東部で続けている。昨日は、ハッキャーリ県チュクルジャでの包囲作戦がシリアで展開中のジェラーブルス作戦から見ても重要であると伝えられた。

チュクルジャでの作戦は7月15日のクーデター未遂や、11日目を数えるシリアでのジェラーブルス作戦以降のテロ組織PKKに対する攻撃として最も激しいものとなった。

第一特殊旅団司令官ならびにトルコ空軍による3度の攻撃の結果、チュクルジャではテロリスト33名が殺害され、30名が負傷を負い拘束された。昨夜ハッキャーリ県は、無力化されたテロリスト数は県全体で104名であると明らかにした。防衛関係筋は、チュクルジャでの作戦により、PKKが今後トルコ国内はもとより、シリアでもPYD/YPGへの支援や、自由シリア軍ならびにトルコ軍部隊への攻撃を計画から外すだろうと主張した。 

さらに、「PKKはジェラーブルス作戦後、シリア国境線にあるトルコあるいはシリア国内で攻撃計画を整え始めている」という情報も得られた。防衛関係筋は、PKK党員の一部が北イラクからシリアに渡り、一部はトルコのスィロピ、ジズレ、ヌサイビン、あるいはスルチまで広がる国境地帯での活動を企図していると評価している。チュクルジャのグループもこの活動計画の一部であると推測されている。

■PKKからの押収物

チュクルジャでの作戦において、奇襲部隊1個体は同地域のテロリストらを無力化し、以下の武器を押収した。機関銃、カラシニコフ歩兵ライフル2丁、狙撃銃2丁、機関銃2丁、RPG-7トケットランチャー2台、散弾銃、対戦車ロケットランチャー2台、対人ロケットランチャー、その他、大量の手榴弾や武器用の電源もみつかった。
今回の作戦では初めて時限爆弾の装置も見つかった。またガスマスク6個、サーマル武器照準器2台、レーザー距離計、カメラ、レコーダー、カーラジオ、手製爆弾用の大量の材料も押収された。

■ハッキャーリで兵士12名が殉職

昨日06時30分ごろ、ハッキャーリ県チュクルジャで防衛部隊とPKKテロリストの間で衝突が発生した。衝突でバフリ・ウチュシュ一等曹長(23)、上級軍曹のナズィ・ヤヴズさん、ハスィム・イェニギュルさん、ユヌス・エムレ・アラルさん、ユヌス・エムレ・ウチャルさん、ハサン・ヤシャルさん(29)、上級伍長のエネス・ペリトさんが殉職した。負傷兵20名のうち3名は重態で、シェムディンリ郡アクトゥトゥン地区でも殉死の報告が来ている。また、昨日昼にも治安部隊とテロリストとの間で衝突が起き、上級軍曹のファフレッティン・リヴチャルカンさん、ムラト・デミルジさん、フルスィ・エムレ・ディルジさん、セルジャン・ゲディキリさん(26)、オメル・シェネルさんが殉職し、兵士6名が負傷した。
PKKテロリストとの衝突があった地域ではヘリコプター支援部隊が投入されて作戦が開始された。ヴァン県は、一昨日テンドゥレキ・ダー地方で発生した衝突で、ハールン・パルラク中尉 (25)、スアト・ペテク一等曹長 (36)、 アイドゥン・エルユルマズ最上級曹長(24)、上級軍曹のエネス・コジャクさん、アリ・ドウカンさん(23)、ギョクハン・シェンギュルさん(28)、サリフ・トルトゥムさん、スレイマン・ブダクさんが殉職し、兵士8名が負傷したと明らかにした。さらにこの衝突では村民防衛団のメフメト・アラダーさんも亡くなった。
マルディン県ダルゲチトでも、殉職したマンスル・ジャンスズ上級軍曹(23)、ジェム・カンブル上級伍長、有期村民防衛団員のユルマズ・アルプソイさんがそれぞれの故郷で見送られた。ユルマズ・アルプソイ団員は結婚しており二児の父親だった。ミドヤトにてクルド語の鎮魂歌とともに埋葬された。

■作戦中、父に「大丈夫」とメッセージ。直後に殉職の報

テンドゥレキ・ダーでの衝突で殉職したサリフ・トルトゥム上級軍曹 (22) は、6ヵ月前にヴァン県の郡警察特別作戦で初の任務に着いた。イスタンブルのエセンレルに暮らす父、ムスタファ・トルトゥムさんは昨日の朝に悲報を受け取った。息子との最後のやりとりは電話のショートメッセージだったと述べ、「昨日(一昨日)私に『お父さん、取り急ぎ大丈夫です。任地にいます。不便はありません』と送ってきた。おそらくメッセージは作戦中に送られたものだ。これ以上何も言えることはない」と話した。サリフさんの叔父、ハイリ・トルトゥムさんは、「国会議員550人の子息も前線にいってほしい。国家の防衛というのはサリフのような若者だけが担わなければならないのか?銃弾は残念だが貧しい人々の中に落ちる」と述べた。

■養子に出された

テンドゥレキ・ダーでの衝突で殉職した郡警察のスアト・ペテキ一等曹長(36) の故郷、オスマニイェ県カディルリ郡には、戸籍上の父の自宅があり、涙に暮れた。父ムッザフェル・ヘルワジュさん(67)と母のエリフ・ヘルワジュさん(66)は悲報を受けるや血相を変えた。そしてペテキさんが生まれた時、子供がいなかった叔母アイシェさん、叔父オッケシュ・ペテクさんに養子に出されたことを明らかにした。10年ほど前、何年も母と慕った叔母が逝去した際に事実を知ったペテキ一等曹長は本当の家族の元に戻ったが姓は変えず、スアト・ペテキとして5年前にハッヴァ・ペテキさんと結婚。3歳のエリフ・ジェイランちゃんという娘がいる。そしてペテキ第一曹長には生みの父母を同じくする5人の兄弟がいる。

■妻は妊娠7ヵ月

テンドゥレキで殉職したギョクハン・シェンギュル上級軍曹(28)は5年間トルコ軍で任務についていた。1年半前に結婚し、妻メルヴェ・シェンギュルさんは妊娠7ヵ月だ。シェンギュル上級軍曹の妹は、生まれてくる息子のために品物を買いそろえていた兄の姿を思い、涙をみせた。シェンギュルさんがソーシャルメディアのアカウントで7月15日クーデター未遂に反対する投稿をしていることもわかっている。シェンギュル上級軍曹は投稿で、「我々はトルコ政府と栄光あるトルコ軍、栄光あるトルコ国民の名を汚そうとする者に機会を与えない。我々の最大の任務は偉大なトルコ国民に尽くすことだ」と書いている。

■娘と見送り

ハッキャーリ県チュクルジャで殉職したカディル・チェレビー上級軍曹(28) の遺体は昨夜、家族の住むカイセリ県に移送された。昨日の朝、チェレビーさんの棺はまずメリキガーズィ郡の住宅公社TOKI団地にある父の家に入り、祈りが捧げられた。父レジェプさん、母シャズィイェさんと妻のアスルハンさん、そして親類縁者は遺体を見て涙し、カレムクルドゥ・モスクでの葬儀には多数の人が参列した。チェレビー上級軍曹の妻アスルハンさんは、トルコ国旗がかけられた棺に1歳半の娘ミライちゃんと共に近づき「ミライ、お父さんにキスしなさい」と語りかけた。チェレビー上級軍曹はガルニゾン殉職者墓地に埋葬された。

■犠牲祭後に結婚式予定

テンドゥレクキで殉職したエネス・コジャク上級軍曹の家族はスィヴァス県カンガル郡サジャヤー村に暮らしている。母ハティジェさん、父オメル・コジャクさんは大きな悲しみを抱えている。父オメルさんは、息子と最後に話したのは昨晩の電話だったと明かし、「息子は何も言わなかった。『お前の声が聞こえないのは何故だ?』と聞くと、ただ『お父さん、作戦中だから電話を切って。夜にかけ直すから』と答えた。私はスィヴァスから村に戻り、もう一度かけたが出なかった。息子は見張り当番にあたることもありというので、それ以上かけなかった」と話した。コジャクさんは、エネスさんは犠牲祭後に結婚予定だったと話し、「エネスの結婚式と妹の結婚式があった。両方やる予定だったのに、(息子の死は)私を打ちのめし、婚約者を打ちのめした。アッラーの思し召しによる結婚の目前で。アッラーが奴らに罰を下しますように。息子は結婚を予定していた。婚約し祝儀の品も揃えたのに、もはや何もできない。国が安寧でありますように。エネスは亡くなったが、彼のような若者が1000人いるはずだ。彼らは地面に血を流さないでほしい」と述べた。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:41162 )